新たな研究で、オリーブオイルを摂取する習慣がある人はそうでない人に比べて、認知症による死亡リスクが低下する可能性が示されました。
今回の研究はハーバード大学公衆衛生大学院の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は米国栄養学会の「Nutrition2023」にて発表されました。
今回、研究グループは1990~2018年に収集された9万2393人の食事アンケートを分析。対象者のうち、4749人が追跡期間中に認知症で死亡したことがわかりました。
研究グループが対象者のデータを解析した結果、1日あたり大さじ半分以上のオリーブオイルを摂取した人はそうでない人に比べて、認知症による死亡リスクが28%低下したことが明らかになりました。
さらに、1日あたり小さじ1杯のマーガリンやマヨネーズを同量のオリーブオイルに置き換えると、認知症による死亡リスクが8~14%低下することが示されたのです。
研究グループが今回の研究を実施するきっかけとなったのは、オリーブオイルをふんだんに使う、アクアパッツァやアヒージョなどの「地中海食」の健康効果が高い関心を集めたからでした。
しかし、今回の研究によると、オリーブオイルを積極的に摂取していた人は、食事の内容にかかわらず認知症の死亡リスクが減少したことが判明。オリーブオイルに豊富に含まれるオレオカンタールというポリフェノールをはじめ、ビタミンEや不飽和脂肪酸が好ましい結果につながったとみられています。
ハーバード大学公衆衛生大学院に所属するアンジュリー・テシエ氏は「今回の研究で、マーガリンやマヨネーズなどの(人工的な)脂肪の代わりに、天然物であるオリーブオイルを使用するほうが、致命的な認知症のリスクを下げられる可能性が示された」と述べています。
パスタなどの地中海食だけでなく、さまざまな場面で活用できるオリーブオイル。ぜひ、日々の食事に取り入れてみてくださいね。
参考:「Opting for olive oil could boost brain health」(the American Society for Nutrition)
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