千葉大学の研究で、自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は1人あたりの介護費用が月1367円少なくなることが判明。この研究は平均年齢73.5歳の高齢者3万4982人を対象に9年間に渡っておこなわれました。
また、自宅の近所に夜の一人歩きが危ない場所がある高齢者も、1人あたりの介護費用が月1383円少なくなることがわかったそうです。
千葉大学がおこなった研究は、男性1万6650人、女性1万8332人、合わせて3万4982人の平均年齢73.5歳の高齢者を対象に、住んでいる地域環境と本人にかかる介護費用の関係性を調査。対象者を8種類の地域環境と照らし合わせて9年間の累積介護総費用を比較しました。
8種類の地域環境は以下です。
研究の結果、自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は1人あたりの介護費用が月1367円少なくなることが判明。自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は野菜や果物を摂取する頻度が高いため健康に良いと考えられます。
また、自宅の近所に夜の一人歩きが危ない場所がある高齢者も、1人あたりの介護費用が月1383円少なくなることがわかったそうです。
夜の一人歩きが危ない地域は駅の周辺が多く、公共交通が利用しやすいなど生活の利便性の高さが介護費用の低さにつながった可能性があります。
内閣府がおこなった「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」では、今住んでいる地域に住み続ける予定である高齢者は94%であることがわかっています。
また、「現在の地域で不便に思うことや気になること」という質問には、「特に無い」が最も多く39.3%、次に「日常の買い物に不便」が23.9%、「病院へ行くのに不便」が23.8%、「交通機関の利用が不便」が21.5%と続いています。
現在住んでいる場所から離れないつもりでいても、普段の生活に必要な買い物、病院、交通機関などが不便と感じている高齢者は多いのです。
若い頃には気にならなかった地域環境も、年を重ねるにつれ不便に感じることが多くなるでしょう。ネットスーパーを利用して、買い物に行く回数を減らす、送迎サービスやタクシーなどを利用して病院に行きやすくするなど、できることから工夫するのが良いですね。
参考:「令和5年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の住宅と生活環境に関する調査)の結果」(内閣府)
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