AIロボットが認知症ケア⁉在宅OKな認知機能トレーニングの臨床研究が開始
更新日
2022/01/27
大阪府立病院機構 大阪精神医療センターと、AIロボットベンチャーの株式会社ハタプロが、AIロボットによる認知機能トレーニングの臨床研究を開始しました。
この研究が進めば、主に
医療従事者が担っていた認知機能トレーニングを、自宅にいながらにして受けられます。また、より高品質なケアができるようにも。それらによって、人材・人財不足に悩む介護事業所にとっても有効なツールになることが期待されています。
感覚的にトレーニングできるAIロボット
研究で使用されているAIロボットは、トレーニングの課題を音声で読み上げ、タブレットにインストールした専用アプリでイラストとテキストを表示。デジタルツールが苦手な方でも操作しやすいように、画面操作だけでなく対話でも課題に回答できます。
さらに、課題の正答率に加えて回答するのにかかった時間や回答内容も記録。加えてトレーニングの時間になるとAIロボットが自動で呼びかけ、トレーニング忘れを防いでくれます。また
回答内容によって課題の難易度を変更するなど、これまで医療従事者がおこなっていたフォローもAIロボットが担います。
認知症ケアは専門家のサポートが必要だった
認知症の症状の緩和・進行抑制をするためには、適切なトレーニングやケアが必要。現在の介護現場では、介護職員や看護師などが寄り添いながら認知症ケアをおこなう方法が主流です。
例えば、利用者の思い出の写真や雑貨を見ながら昔の経験を語り合う「
回想法」、歌いながら楽器を演奏する「
音楽療法」、簡単な計算問題・漢字クイズを行う「脳トレ」などがあります。
こういったケアを継続的にできるように、自宅などで専門家によるケアを実施することが理想。しかし
日常的に利用者の自宅でケアをするのは、人手不足である介護現場では難しいのが現状でした。
AIロボットが認知症患者と介護現場を救う⁉
そういった問題の解決を目指しているのが、今回のAIロボットを使った認知機能改善トレーニングです。トレーニング実施の促し、回答結果から次回の課題内容を調整するといった部分もAIが担えるのであれば、
ケアの質の向上と人材不足という2つの問題を解決できるかもしれません。
利用者側・介護者側の双方の負担が減ることで、適切なトレーニングをより継続しやすくなるはず。今後に期待できる研究ですね。
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