もらえる国民年金は月6万円にも満たず。“ゆとりある老後”は夢のまた夢!?
更新日
2022/01/27
厚生労働省が『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』を発表しました。そこでは最新の公的年金被保険者数や、年金受給額も明らかにされています。
特に厚生年金は都道府県ごとの受給額に違いがあり、
最も受給額が高い神奈川県と最も低い青森県では年間50万円以上の差があります。いずれにしても老後に必要な生活費と比べると、心もとない金額であることは確か。安心して生活できるように、早めの資産形成をしておきましょう。
受給額は都道府県ごとに大きな差が
まずは都道府県ごとの年金受給額を見ていきましょう。厚生年金の受給額が最も多いのは神奈川県で16万6270円。以下、千葉県と東京都が続いています。対して最も受給額は少ないのは青森県の12万2189円。続いて、秋田県と宮崎県がワースト2位と3位でした。
最も受給額が多い神奈川県と最も少ない青森県では、
月に4万円以上、年間で考えると50万円以上も違いがあることに…。厚生年金の受給額は会社員時代の収入額によって変わるため、厚生年金の受給額のランキングは、給与ランキングと近い結果となっています。
続いて国民年金の受給額についても見てみましょう。
1位は富山県の5万9,949円。2位は福井県、3位は島根県という結果です。一方のワースト1位は沖縄県の5万2,206円。ワースト2位は青森県、ワースト3位は大阪府でした。
最も受給額が多い富山県と、最も少ない沖縄県では月7,743円の違いがあり、
年間では9万2916円の差額。国民年金の保険料は一律のため、納付率などで差額が出ていると考えられます。
年金はゆとりある生活には足りない金額
全国平均を見てみると、厚生年金は月14万6,145円、国民年金は月5万6,358円という結果。実際のところ、この年金額は老後に安心して暮らせる金額なのでしょうか。
総務省が発表している『家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)結果の概要』によると、
老後の夫婦2人世帯の生活費は平均27万929円、単身世帯では平均15万1,800円。この金額と平均受給額を比べると、心もとないと言わざるを得ません。
豊かな老後のために、早めの準備を
もちろん、物価や生活スタイルの違いなどもあるので一概には言えませんが、
現実的には年金だけで生活していくのは難しいでしょう。
定年後に「時間にゆとりができたから旅行にでも行こうか」と考えていても、お金に余裕がなければ実現はできません。豊かな老後のために資産形成は早めにしておかないとですね。
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