認知症の検査ができる新たな検査装置「Vrain」が発売になりました。
これを開発したのは、量子科学技術研究開発機構とアトックス社。従来の検査装置よりも小型で安価なため、大規模病院だけでなくさまざまな医療機関で導入しやすいとしています。
量子科学技術研究開発機構(量研)とアトックス社が共同で開発した「PET装置 Vrain」は、センサー部分をヘルメット型にすることで小型化と安価な価格を実現したそうです。
PET装置とは、「PET検査」という放射性物質を利用した検査に使われる検査装置のこと。PET検査では、検査薬を注射して検査装置のセンサーで撮影することで全身のがんや悪性リンパ腫などの発見をします。
従来のPET装置は、トンネルのようなセンサー部分に全身を通して検査をおこなっていました。そのため患者は寝台に横になる必要があり、検査装置が大型になってしまう問題がありました。
今回の装置は、センサー部分をヘルメット型に変更。頭部の撮影に特化しており、脳腫瘍やてんかんの検査を想定しているそうです。将来的には、初期のアルツハイマー型認知症の発見にも役立つとしています。
また、従来の装置よりもセンサー数を4分の1から5分の1に減らし、装置の小型化と低価格化に成功。加えて、寝台の代わりにイスに座って検査を受ける形に変えることで、より狭いスペースでも導入できるようになりました。
ちなみにこの装置は、世界最小サイズだそうです。
そういった点を改良したことにより、これまで大型医療機関にしか導入されていなかったPET装置が、比較的に小規模な医療機関でも利用できるようになるとしています。
量研とアトックス社が開発した新型のPET装置によって、認知症の検査が変わるかもしれません。
今回の検査装置は、医療機関としても導入しやすく、患者の身体的負担を少なくする可能性があります。
例えば従来の検査装置では、寝台に30分ほど横になっている必要があります。腰痛を持っている人だと、もしかしたら腰が痛くて仰向けの体勢を保っていられないかもしれません。しかし、今回の装置はイスに座るので、従来型よりは腰の負担が少ないと考えられます。
ただ、検査費用が高額なことがネックです。
脳腫瘍やてんかんのPET検査は保険適用になっていますが、認知症はなっていません。そのため、従来の装置を使ったPET検査は30万円前後とかなり高額です。
もちろん、今回の検査装置は従来型より安価ですから、これよりも検査費用が安くなる可能性はあります。しかし、保険適用されるまでは、かなり大きな費用負担になることでしょう。
この検査装置で認知症検査ができるようになるまではもうしばらくかかりそうですが、多くの医療機関に広まると便利になりそうですね。
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