現在、認知症の人は国内だけでも約500万人います。2025年には700万人を超えるという予測もあるほど、日本での認知症患者の数は増加の一途をたどっています。
そのため、認知症の治療法や認知機能を向上させる方法への注目が集まっており、治療薬はもちろん、薬を使わない治療の研究も盛んにおこなわれています。
そのひとつが音楽療法。音楽を聴いたり歌を歌うことで脳に刺激を与えて認知機能を向上させるとされています。
そのなかでも今回、東京都立産業技術大学院大学などが「作曲をすることの認知機能への影響について」の研究を開始しました。
東京都立産業技術大学院大学とAmadeus Code社が、作曲の認知機能への効果についての検証プロジェクト「音会(おとかい)」をおこなうことを明らかにしました。
Amadeus Code社は、自動作曲AIを使って音楽を生成するアプリをしている企業。今回は、同社の音楽生成アプリを使って高齢者の認知機能に作曲がどのような影響を与えるのかを確かめるそうです。
具体的には、まずは講師から与えられた写真や俳句などの「お題」から連想する言葉をソフトウェアに入力。その言葉からアプリが自動作曲をするので、最もイメージに近い曲を選びます。
そして、音会の当日は少人数のグループワークをおこない、自分の作品を発表。その曲を選んだ理由を説明したり講師から曲やその曲のイメージについて講評を受けます。
こうしてグループメンバー同士での感想を共有することで、コミュニケーション能力が身に付いたり新しいものの見方を身に着けるそうです。
このプログラムを受ける前後で認知機能の検査をおこない、週1回の音会を通じてどのように認知機能が変化するのかを検証するそうです。
介護施設などで音楽療法をおこなっていることはありますが、そのほとんどは歌ったり楽器を弾いたりするもの。作曲するプログラムはとても珍しいです。
というのも、作曲は経験がない人にとってとてもハードルが高いから。その問題を自動作曲AIアプリでクリアすることで、まったく経験のない人も気軽にプログラムに参加できるのが良いですね。
「認知症予防」というと、簡単なクイズを解いたりと人によっては簡単に感じてしまうことも。そこで今回のプログラムの形であれば、趣味のひとつとして認知症予防を楽しめるかもしれないですね。
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