先月13日、財政制度分科会で提示された資料で財務省は、介護や医療などの社会保障に関する提言をおこないました。
それに関して、全国のケアマネジャーでつくる「日本介護支援専門員協会」が声明を発表。財務省の提言に関して「介護現場で行われている支援の実態を無視した暴論と言わざるを得ない」と抗議しています。
Contents
今月17日、日本介護支援専門員協会は財務省が先月13日に公表した提言に関して、抗議する声明を発表しました。
同協会が触れたのは、福祉用具貸与のみのケースの居宅介護支援費減額などについてです。
福祉用具貸与のみのケースの居宅介護支援費減額について、財務省は独自のケアマネジャーへの調査によって「介護報酬の算定のために、必要のない介護福祉を貸与するケアプランを作成したケアマネジャーが一定数いる」としており、サービス内容に合わせて報酬を減額することを提言しています。
それに対して協会は、「一定数いる」という表現が不明確で実態を表していないとして、「多数を占める善意ある介護支援専門員による自立支援のための取り組みを根幹から否定」しているとしています。
さらに、「福祉用具の貸与のみおこなうケースでは、ケアマネジメントが簡単」という認識を財務省が持っている点も非難。「給付サービスの数によって報酬に差異を設けるべきではない」「ケアマネジメント、ひいては介護現場で行われている支援の実態を無視した暴論と言わざるを得ない」と強い言葉で否定しました。
また、協会は「今後もケアマネジメントを機能させるには、ケアマネジャーの就労環境と社会的地位が良好であることが必要」とケアマネジャーの待遇向上を求めています。
高齢化によって日本の社会保障費が増加しており、それをいかに削減するかが国としての課題です。
そのため財務省は、介護保険の縮小のための提言をおこなったわけですが、その内容を見ると「現場の実態を無視した暴論」とされても仕方がないのではないでしょうか。
というのも、ケアマネジャーは福祉用具の貸与だけの場合でも、利用者の身体状況や生活環境の調査をおこなっています。そのため、他の介護サービスを利用する人よりも業務が少なくなるとは言えないのです。
社会保障費を削減するために、必要な社会保障を削ってしまっては本末転倒。実態の把握をしたうえでないと建設的な議論にはならないでしょう。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。