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認知機能と運動機能、さらに口腔機能を同時にトレーニングする「健口眠体操(けんこうみんたいそう)」をライオン社などが開発しました。 これは、手足の運動と口腔体操を同時におこなう新しいエクササイズで、口と手足を別々に動かすことから認知機能の向上にも効果があるそうです。 そして、エクササイズの結果を点数で出すことで、楽しく運動できるようにゲーム化。デイサービスなどで利用できるように開発が進められています。 ゲーム感覚の全身体操 ライオン社や東大付属病院などが共同で開発したのが「健口眠体操」です。 これは、口・睡眠・身体を同時に鍛えるトレーニング。身体を動かすためには、骨や筋肉だけでなく、脳で情報を処理して指示を出す認知機能を上手く働かせることが重要だそうです。 そのため「認知機能の改善には脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的」という研究結果にもとづき、口・睡眠・身体を同時に動かすトレーニングを開発したとのことです。 このトレーニングを都内のデイサービスに通う高齢者に4週間のトライアルをおこなったところ、口腔機能・睡眠機能(自律神経)・身体機能を効果的に鍛えられることがわかっています。 また、このトレーニングはゲーム感覚で楽しめるのが特徴。独自開発したセンサー技術によってユーザーの身体の動きを読み取り、画面上にリアルタイムで映します。 ユーザーの動きとお手本の動きの一致率を点数化することで、ユーザーがゲームを続けるやる気につながったり、ユーザー同士で競い合う楽しみ方もあるそうです。 こうしたゲームの要素を取り入れることで、楽しく運動を続けられるようになっています。 意外と難しいエクササイズ 「口と手足を同時に動かす」と聞くと簡単そうですが、このトレーニングは意外と難しいかもしれません。 というのも、いすに座った状態で手足を開いたり閉じたりしつつ、口は「あ・い・う・べ」「ぱ・た・か・ら」とリズムに合わせて歌います。つまり、いわゆる「パタカラ体操」「あいうべ体操」と身体のエクササイズを同時におこなうということです。 身体への負荷は少ないようですが、慣れないうちは「動きがわからなくなっちゃった」と混乱するかもしれません。 また、画面の前で自分を映しながら身体を動かすタイプのものなので、1人ずつおこなうことを想定したプログラムのようです。そのため、デイサービスの集団レクリエーションというよりは、個人のリハビリのようなイメージかもしれませんね。 こういったゲームのような体操がデイサービスでできたら、楽しく続けられそうですね。
2022/02/18
認知症予防については世界中で数多くの研究がおこなわれていますが、筑波大学は食物繊維と認知症リスクについての研究結果を発表しました。 それは、「中年期に食物繊維を多く食べている人は、高齢期に要介護認知症になるリスクが下がる」という内容です。 食物繊維を摂るほど認知症リスクが低い 筑波大学の研究グループは、秋田・茨城・大阪に住む40〜64歳の3739人を対象に調査を実施。約20年にわたって対象者の食事内容と要介護認知症の発症率を調べました。 ちなみに、認知症の中でも要介護認定を受けた場合に「要介護認知症」とされるそう。今回の調査では、要介護認知症の発症リスクについて調べています。 今回の研究は、対象者に前日の食事内容を記録してもらい、その中で食物繊維を多く含む食品(いも類・野菜類・果物類)の摂取量を計算。その後の認知症発症率を調査しました。 その結果、食物繊維の摂取量が多いほど認知症の発症リスクが低くなることがわかりました。ただ、これは脳卒中を原因としない認知症(アルツハイマー型認知症など)にのみ見られる関連だったそうです。 さらに、食物繊維の中でも特に水溶性食物繊維を多く摂った人の方が、認知症の発症リスクが低いという結果になりました。 そして、いも類・野菜類・果物類の中では、いも類を多く食べていた人の認知症発症リスクが低かったようです。 これらの結果を受けて「食物繊維の摂取が腸内環境に影響を与えることで、脳の神経の炎症を改善したりその他の認知症の原因を減らしたのではないか」と研究グループは述べています。 腸内環境と認知症の意外な関係 腸内環境を整えることが健康に良いことは有名ですよね。便秘・下痢といったお腹のトラブル解決だけでなく、免疫力アップやアレルギー症状の緩和など、腸内環境を良くすることで腸とは直接関係なさそうな健康の悩みも改善できるそうです。 しかし、まさか認知症予防にも効果があるとは意外ですよね。 ちなみに、腸内環境を整えるものといえば乳酸菌。乳酸菌の認知症予防効果についての研究もされているので、今後さらに腸内環境と認知症の関係についての研究が進んでいくかもしれませんね。 乳酸菌と認知症予防についての研究の詳細は、こちらに記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3735/?preview_id=3735&preview_nonce=04fa5a7f1d&_thumbnail_id=3737&preview=true
2022/02/16
世界一高齢化が進んでいる日本。そのため、介護給付費や医療費の増加が国としても大きな問題となっており、健康寿命の延伸や介護予防が注目されています。 そうした状況を受けて「社会参加をしている高齢者は介護費用が少ない」という研究結果をもとに、日立製作所がシニアの社会参加を促すスマートフォンアプリを開発しました。 このアプリは、今年4月末に公開予定とのことです。 活動的なシニアは介護費用が低い 日立が「社会参加のすゝめ」という元気なシニアの社会参加を促すスマホアプリを2022年4月末に配信開始することを公表しました。 これは、無料のアプリを通して、シニアの活動を促進するようなイベントやサービスを通知するものです。 このアプリの言う「社会参加」とは、仕事をすることだけではなく趣味や運動、人との交流のことです。 この社会参加に関して、20年にわたって調査をしてきたのが日本老年学的評価研究機構(JAGES機構)です。 JAGES機構の調査によると、活発に社会参加をしているシニアは要介護度が低い傾向があるとのこと。活動的な高齢者に比べて、活動していない高齢者は5年間で7~11万円も介護費用が高くなることがわかっています。 ただ、この調査は紙によるアンケート形式で、数年に1度しかおこなっていなかったことから、リアルタイムな実態が把握できていないという問題があったそうです。 そのため、医療ビッグデータを活用した調査をおこなっている日立と協力。より詳細に調査をおこない、介護予防に効果のある仕組みとして開発されたのがこのアプリです。 このアプリでは、外出などの社会参加をすることでアプリ内に記録されます。それによってユーザーの“社会参加の活発度”を4つのランクに区分。自分がどれくらい社会参加ができているのかがわかるようになっているそうです。 また、JAGES機構の研究をわかりやすい読み物としても配信。より長く元気に活動するためのヒントを学べるようになっています。 今後、サービスが充実することに期待 日立とJAGES機構が開発したこのアプリを上手く活用できれば健康な状態を維持できるので、介護費の出費も抑えられるかもしれません。 ただ、4月末にリリース予定ですが、まだまだ提供できるサービスは少ない様子。今後、自治体や交通会社などと連携して”おでかけイベント”をおこなったり、保険会社と提携してお得な保険に加入できるようになるなどの想定はしているとのことですが、まだ具体的になっていないようです。 サービス開始時は機能が少なそうですので、これからどんなサービスが配信されるのかに期待ですね。
2022/02/15
認知症の予防にはさまざまな方法があります。その中でも1日に3度食べる食事は身体はもちろん、脳への影響も大きいものです。 そこで『脳の不調を治す食べ方』で知られるウマ・ナイドゥ博士は、脳の認知機能を下げてしまう5つの食べ物について公開しました。 それは、糖類・揚げ物・高GIの炭水化物・アルコール・硝酸塩(保存料)です。 脳に悪影響のある5つの食品 不安や認知症など、脳や精神が不調のときに食べるべき食事を紹介している『脳の不調を治す食べ方』のハーバード大学ウマ・ナイドゥ博士。博士は自分の脳の認知機能や思考力を維持するために、次の5つの食品を避けているそうです。 糖類 揚げ物 高GIの炭水化物 アルコール 硝酸塩 1.糖類 まず糖類とは、焼き菓子や炭酸ジュースといった加工食品に含まれている精製された砂糖のことを示しています。 脳はブドウ糖をエネルギーとして活動しますが、過剰量のブドウ糖が供給されると、記憶障害が起こる可能性があるそうです。 また、1日あたりの糖類の摂取量について、アメリカ心臓学会は女性が25グラム以下、男性が36グラム未満を推奨しています。 2.揚げ物 次に揚げ物については、2つの研究で脳に悪い影響が出ることがわかっているそうです。 1つめは、「揚げ物を多く食べている人は学習と記憶が他の人よりも低下する」という研究。2つめは、「揚げ物を多く食べている人はうつ病を発症する可能性が高くなる」という研究結果が出ているとのことです。 3.高GIの炭水化物 そして高GIの炭水化物とは、パンやパスタなどの糖質が血液中に吸収されやすい炭水化物のこと。反対の低GIの食品を食べていた人は、高GIの食品を食べていた人よりも30%もうつ病になる可能性が低かったそうです。 4.アルコール アルコールをまったく飲まない人・週に14杯以上という過剰な量を飲んでいた人は、適量飲む人に比べて認知症リスクが高いことがわかっているそうです。 5.硝酸塩 硝酸塩とは、ベーコンやソーセージに使用されている保存料のこと。硝酸塩を摂りすぎるとうつ病を発症するリスクが高くなる可能性が示唆されているとのことです。 もしベーコンなどを完全に避けられないのであれば、そばを食べることを博士は推奨しています。そばに含まれる抗酸化物質に加工肉の悪影響を打ち消す効果があるそうです。 和食中心の食事は脳にも良い? 今回リストアップした5種類の食品を、完全に避けるのは難しいかもしれませんね。 かなりストイックな食事になるかもしれませんし、加工食品を避けるので食事の準備に手間がかかってしまうでしょう。 ただ、和食であれば洋食よりもこの5つの食品が少なくて済みます。また、日本人になじみ深いので料理もしやすいのではないでしょうか。そのため、博士のような食事にするのは比較的簡単です。 やっぱり身体や脳に良い食事というのは、和食なのかもしれませんね。
2022/02/15
認知症予防のために、どんなことが認知機能の維持・向上につながるのかさまざまな研究がおこなわれています。 そのなかでも東北大学では「ニューロフィードバック脳トレ」という、リアルタイムで脳活動の状況を確認しながらおこなう脳トレについての研究結果を発表しました。 その結果、普通に脳トレをおこなうよりも、脳活動レベルを把握しながら脳トレをする方が、認知機能が上がるということがわかりました。 脳活動レベルがわかると認知機能が高まる 東北大学の加齢医学研究所は、脳活動をリアルタイムで確認しながらおこなう脳トレ「ニューロフィードバック脳トレ」システムを開発しました。 これは、頭部に脳活動を測定する小型センサーを取り付けた状態でおこなう脳トレ。脳活動レベルによって、脳トレゲームの画面背景の色がリアルタイムで変化します。 この画面の背景は「青(脳活動レベル低)」「緑(脳活動レベル中)」「赤(脳活動レベル高)」と常に変化するため、ゲームの最中でもプレイヤーが自分の脳活動を把握できるようになっています。 今回の実験は、対象者を「1.ニューロフィードバック脳トレゲームをする」「2.通常の脳トレゲームをする」「3.脳トレではないパズルゲームをする」という3グループに分けて、それぞれのグループの認知機能の変化を調査しました。 その結果、ニューロフィードバック脳トレゲームをしたグループの認知機能が最も向上していました。 特に、必要な情報だけを選択する力である「注意」や、話の内容を記憶しながら会話をするときに使う「作業記憶」、体験したことなどを覚えておく「エピソード記憶」が向上していました。 この結果に基づいて、研究チームの一員である川島教授がニューロフィードバック脳トレを実践できるように実用化。「Active Brain CLUB」というアプリを開発しました。 このアプリは額に小さなセンサーを取り付けることで脳活動レベルを測定し、その人の脳にちょうど良いゲームの難易度を自動で設定。ゲームをするのは1日5分で良いため、継続しやすくなっているそうです。 世代を問わずできる脳トレ 脳トレができるゲームはいろいろとありますが、ゲームの最中に自分の脳活動レベルを把握できるものはあまりないのではないでしょうか。 ゲームの背景が、脳活動レベルが低い”青”になると「もっとがんばらなきゃ」と思ったり、脳活動レベルが高い”赤”に変わると「頭が働いている」とうれしく感じられるので、脳トレを続けるやる気にもつながりますよね。 また、このアプリは年齢問わず認知機能が上がる効果があるそうなので、家族みんなでやってみると共通の話題ができて良いかもしれませんね。
2022/02/14
新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの人が外出を自粛をしているのではないでしょうか。 その状況で特に懸念されるのは、高齢者の認知機能と身体機能の低下。これらが進行すると、認知症やフレイル(虚弱)、要介護状態になってしまう可能性があります。 そこでヤマハ音楽振興会と脳活性総合研究所が共同で開発したのが「脳活性プログラム」です。 これは、音楽に合わせてエクササイズをすることで、脳の活性化や運動不足を解消するプログラム。定期的に脳の検査も受けられるのが特徴です。 音楽に合わせて、脳と身体のエクササイズ 脳活性総合研究所から、身体を動かすエクササイズと脳活が自宅でできる「脳活性プログラム」が提供されました。 このプログラムは、ヤマハ音楽振興会の音楽体操「まちかどエクササイズ」と、脳活性総合研究所の「脳検」、「脳活セミナー」の3つが受けられる内容です。 「まちかどエクササイズ」は、リズムゲームや発声トレーニング、歌いながら身体を動かしたりと、楽しみながらできる脳活エクササイズ。認知機能への効果も実証されているそうです。 また、「脳検」とは認知機能のテストです。1項目5分の5項目のテストを受けることで、脳の状況をチェックできるそう。3ヵ月に1回受けられるので、自分の認知機能を定期的に確認できます。 そして「脳活セミナー」は、脳活の最新情報を学べるオンラインセミナー。定期的に開催される予定とのことです。 こうした内容をすべてオンラインで利用可能。パソコン・スマホ・タブレットのどれからでも利用できます。 コロナのストレス発散に? 今回始まったプログラムは、「コロナ禍で家にこもりきりだから何かしたい。でも誰かと集まるのは抵抗がある」という人に良いかもしれないですね。 ずっと家にいると刺激が少なくなって、「気持ちが落ち込んできた」「頭がぼーっとする」ということも多くなってくるかも。そういうとき、何かきっかけがないと活動しにくいものですよね。 そこで、こういったプログラムを活用して、”おうち時間”を充実させるのも良いかもしれません。 ただ、「会員登録しただけで満足してしまって、エクササイズをしない」となってしまってはもったいないので、どうやって生活に取り入れていくかがポイントですね。
2022/02/10
認知症とその他のさまざまな病気との関係が、世界中で研究されています。 その中でもイギリスでは、複数の慢性疾患を持っている人の認知症の発症率についての研究がおこなわれました。 それによると、中年期に複数の慢性疾患を発症している人は、高齢期に認知症になるリスクが上昇するとのことです。 中年期の慢性疾患が認知症を招く? イギリスで1万人以上を対象とした、大規模な研究がおこなわれました。その内容は、中年期に複数の慢性疾患を持つ人の認知症の発症率です。 この研究は、ロンドンに勤務している35~55歳の公務員の約1万人が対象。定期的に検査をおこない、複数の慢性疾患の有無や認知症の発症の有無などを追跡調査しています。 対象となる慢性疾患は、脳卒中、心不全、糖尿病、高血圧、がん、肝疾患、うつ病、パーキンソン病などの13種類。そのうちの2種類以上の病気を持っている場合は、多疾患罹患(複数の慢性疾患を発症していること)と診断されます。 今回の研究では、「多疾患罹患と認知症発症率に関連があるのか」「多疾患罹患になった年代によって、認知症発症率が変わるのか」が調査されました。 その結果、「55歳の時に多疾患罹患の人は、そうでない人よりも2.44倍も認知症リスクが高い」ということがわかりました。 さらに、多疾患罹患になったのが65歳より前の場合は、1.51倍であるのに対して、多疾患罹患になったのが55歳より若い場合は、認知症発症率が2.46倍という結果に。ここから、複数の慢性疾患を併発した年齢が若いほど、認知症リスクが高いということがわかります。 そして、3つ以上の慢性疾患を併発している「重度の多疾患罹患」の場合、年齢が若くなるにつれて認知症リスクが高くなったそうです。 重度の多疾患罹患になったのが55歳の人は、そうでない人よりも認知症リスクが4.96倍。一方で70歳の場合は、1.65倍という結果でした。 今回の結果を受けて「多疾患罹患の年齢が若年化しているため、1つの慢性疾患を持つ患者が、別の慢性疾患の発症を防ぐことが重要」と、研究チームはコメントしています。 認知症予防のためにも生活習慣を見直す 認知症というと、私たちは高齢になってから予防に取り組もうと思ってしまいがち。しかし今回の結果を見ると、50代に差しかかったら認知症予防を意識するタイミングなのかもしれません。 認知症に限らず、糖尿病などの慢性疾患にもなりたい人はいないと思いますが、認知症と生活習慣病の予防も兼ねて今から生活習慣を見直していきたいですね。
2022/02/10
一般的に認知症予防には、さまざまな方法が挙げられています。健康的な食事や脳トレ、定期的な運動がその主なものです。 その中で、運動について注目した研究がおこなわれました。シンガポールの研究者が調査したもので、毎日の家事が認知機能の低下を防止することを明らかにしました。 家事をしている人は認知機能が高い シンガポールの研究者は、21~90歳の約490人の男女を調査。家事や通勤、余暇などの身体活動量を収集し、認知機能との関係性を分析しました。 家事については、食器洗いや洗濯などの「強度の低い家事」と布団干しや掃除機かけといった「強度が強い家事」に分類。家事の強度によっても、認知機能に違いが出るのかを調査しています。 その結果、家事の強度に関わらず頻繫に家事をしている高齢者は、認知機能検査の数値が高いことがわかりました。中でも高強度の家事をおこなっていた人は、注意力の数値が他の人より高く、低強度の家事をしていた人は、短期的な記憶のスコアが高い結果でした。 日々の家事が認知症予防に? 意外にも普段おこなっている家事が、認知症予防に効果があることがわかりました。家事について、脳に良い効果があると思いながらしている人は少ないでしょう。しかしこの研究で知ってからは、ちょっとお得な感じがしますよね。 普段から、「洗濯機を回している間に掃除をして、終わったら洗濯物干して…」とパズルのように、家事をこなす人も多いのではないでしょうか。脳トレとしてパズルをやることがありますし、知らず知らずのうちに脳トレをしているのかもしれませんね。 加えて、思い出すことも認知症予防に良いと言われています。「こうした方が汚れがよく落ちる」「この食材を入れたら料理が美味しくなった」など、自分の過去の経験に照らし合わせながら作業をすることが脳の刺激になるのかもしれません。 ”認知症予防”と聞くと身構えてしまいがちですが、毎日の家事が予防策になるのなら、とても手軽でうれしいですね。
2022/02/08
認知症を予防するためには、健康的な生活が良いとされています。「健康的な生活」と言うと「痩せること」というイメージが大きいですが、どうもそういうわけではないようです。 というのも、アメリカの大学で「高齢になってからの体重の大きな変動は認知症リスクを高める」という研究結果が発表されました。 これは、体重が増加した場合でも、減少した場合でも同様の結果になっています。 大きな体重増減は認知機能を低下させる アメリカの医科大学で、高齢期のBMI(Body Mass Index/身長と体重から計算される肥満度の指数)と認知機能の関連についての調査がおこなわれました。 別の研究で、すでに「中年期のBMIの高さが、高齢期の認知機能の低下に関係がある」ということが判明しています。そこで今回の研究では、高齢期に入ってからのBMIの変化についての研究がおこなわれました。 この研究の対象者は、調査開始時点で認知症と診断されていない60歳以上の約1万6000人。認知機能を数値で表す「MMSEスコア」によると、その内の約15%が軽度認知障害に該当していました。 数年の追跡調査の結果、対象者全体の認知機能は平均0.16点低下。しかし、調査開始時よりもBMIが5%増加した人は、MMSEスコアが0.26点低下しており、反対にBMIが5%低下した人は0.27点下がっていました。 これはBMIの増加が5%未満の人と比べて、5%以上の人は62%も認知機能が低下していることに。加えて、BMIが5%以上低下した人はそうでない人と比べて64%も認知機能が低下しているとのことです。 また、これと似たような結果がアルツハイマー型認知症の研究でも出ています。 アルツハイマー型認知症は、脳内に原因物質が蓄積して神経細胞が損傷することで発症するとされている病気。アルツハイマー型認知症の人は、脳細胞にこの原因物質が沈着した跡である「アミロイド斑」が多数あることがわかっています。 こちらの研究でも、BMIとアルツハイマー型認知症の関係性が示唆されているそう。「生前の体重の変動が大きかった人ほど、死後にアミロイド斑が多く残っている」とのことです。 高齢者のダイエットは脳にはリスク? 私たちは「太っていると健康に悪いから痩せなきゃ」と思いがちですよね。健康のためにダイエットしようと考えている人もいるのではないでしょうか。 しかし今回の研究の結果を見てみると、高齢になってからの大幅なダイエットは、脳にとっては負担になってしまう可能性があります。 健康的な習慣が認知症予防につながることは確かなようですが、「今の体重を維持する程度」のほどほどの健康管理がちょうど良いのかもしれません。
2022/02/08
高齢者の6人に1人が発症していると言われる認知症。治療薬も研究されていますが、できれば発症しないように普段から予防をしておきたいですよね。 そういった認知症予防を目的とした「ものづくりプログラム」についての研究結果が発表されました。 この研究をおこなったのは、東京都健康長寿医療センターとオールアバウトグループです。それによると、このものづくりプログラムは参加者の認知機能の低下を抑える効果があったそうです。 ものづくりが記憶力を良くする? 東京都健康長寿医療センターとオールアバウトグループが、認知機能の維持を目的としたものづくりプログラムの実験をおこないました。 これまでの研究で、新しい技術を習得することが記憶機能の向上につながることがわかっており、今回の研究はそれを実際のカリキュラムに落とし込んでおこなったものです。 この研究の対象は、神奈川県川崎市に住んでいる高齢者49人。研究のために企画されたプログラムを8ヵ月間おこない、プログラム前後で認知機能に変化がないかを調べました。 このプログラムの内容は、生涯学習事業を展開しているオールアバウトグループのカリキュラムをもとに、認知機能の低下を抑制する要素を強化したもの。講師が複数名に指導をおこなう講座の中で、ハンドメイドアクセサリーや「デコ巻き寿司」という創作料理の作り方を学びます。 この調査の結果、プログラム後の認知機能検査では「ワーキングメモリ」という情報を一時的に記憶しておく能力の数値が良くなっていることがわかりました。 また、プログラム後におこなった参加者アンケートでは「認知症を発症しにくくする可能性があれば、治療費にお金をかけるよりも、予防にかけるほうが良い」と考える人が9割以上になったそうです。 今回の結果を受けて、オールアバウトグループでは高齢者向けの趣味講座を2023年から開始予定だそうです。 新しいことを始めて認知症予防を アンケートでもあったように、認知症を発症してから病院に通うより予防できるのであればそちらにお金をかけたいですよね。 認知症予防法には食事や運動などさまざまなものがありますが、こういったものづくりを趣味として始めてみるのも良いのかもしれません。 こうした講座に通うだけでなく、ちょっと自分で考えて小物を作ってみたり作り方の本を買ってきて新しい趣味にチャレンジするのも良いのではないでしょうか。 楽しんでできる認知症予防で、無理なく続けていきたいですね。
2022/02/07
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。