Q&A
実家で一人暮らしをしている父は、10年以上前から糖尿病のためインスリン注射をしています。ですが、先日、帰省したところインスリン注射をしていないことがわかりました。 そのうえ、自己注射の方法もわからなくなったようで、注射器を渡しても自己注射ができません。 私が同居していれば代わりにインスリン注射を打つこともできるのですが、かなり遠方に住んでいるのでそれも難しいです。どうしたら良いでしょうか? (神田さん・パート・61歳) インスリンの自己注射をできなくなった際の解決策としては、大きく分けて2つあります。ひとつは在宅介護で訪問看護サービスを利用して看護師に注射をしてもらう方法。もうひとつは老人ホームに入居して、施設の看護師に対応してもらう方法です。在宅介護を続ける場合、懸念となるのが食事の管理です。糖尿病の方は食事の制限があることが多いですが、一人暮らしで制限に合わせた食事を準備するのは大変かもしれません。老人ホームであれば、糖尿病の方向けの制限食に対応できる施設も多いですし、レクリエーションなどで体を動かす機会も多くなって規則正しい生活ができると思います。ただ、お父様は認知症を発症している可能性もあります。もし、思い当たることがあるのであれば、病院にて認知症検査を受けていただくことをおすすめします。 高齢の親がインスリン自己注射ができなくなったときの対応 実家で一人暮らしをしている父親は、糖尿病のため10年以上前からインスリン注射を打っています。が、しばらく注射を打っていないことがつい先日わかりました。そのため、注射を打たせようとしたのですが、注射器の使い方がわからなくなってしまったようで、自分で打とうとしません。同居していれば父の代わりに注射することもできるのですが、私はかなり遠方に住んでいるのでそれは難しいです。どうやらしばらく通院もしていない様子もありますし…。何か対策はないでしょうか? それは心配ですね…。お父様のインスリン注射を続けるには、大きく分けて2つ方法があります。それは「在宅介護サービスを使う」「老人ホームに入る」です。それぞれについて、詳しくお話ししていきますね。 在宅介護サービスを使う ご自宅での生活を続けたいとお父様が考えているなら、在宅介護サービスを利用するのが良いでしょう。在宅介護サービスの中でも、訪問介護を利用するのがおすすめです。 訪問介護とは何ですか? 訪問看護とは、ご自宅に看護師が訪問して医療ケアをおこなってくれるサービス。インスリン注射を打ってくれるのはもちろん、そのほかの薬や健康状態の管理もしてくれます。自己注射を続けたいのであれば、再度、自分で打てるように指導してくれたり、所定のタイミングに必要な単位数を打てているかのチェックもしてもらえます。 そんなに手厚くサポートしてくれるんですね!たぶん、父は自宅で過ごしたいと言うだろうし、訪問看護を使ってみるのは良いかもしれないなぁ。 糖尿病の方は食事制限がある場合も多いです。ご自分で制限に合わせた食事を準備できない場合は、糖尿病対応の配食サービスもありますので、そちらも利用してみると良いと思いますよ。ただ、配食サービスでは細かいカロリーや塩分量、糖質量などには対応していないことも多いです。そのうえ、ご自分でお菓子などを買って食べてしまうリスクもあります。どうしてもご自宅の生活では管理しきれない可能性があることは念頭に入れておいてください。 老人ホームに入る インスリン注射や健康管理のために老人ホームに入るのもひとつの方法です。老人ホームでは看護師が常駐していたり、訪問看護を利用できるのでインスリン注射を打ってもらえますよ。ただ、注意したいのは看護師が対応可能な時間帯。日中だけ看護師が常駐している施設の場合、看護師が対応できる時間は朝9時~夕方6時が多いため、その時間外だと対応してもらえないでしょう。もし、朝食前や夕食後にインスリン注射が必要な場合は、24時間看護師が常駐している施設に入るか、医師に相談して看護師が対応できる時間で収まるようにインスリン注射を調整してもらう必要があります。 老人ホームっていつでも看護師さんがいるわけじゃないんですね。父の場合は、毎食前にインスリン注射が必要だったと思うのでよく考えないといけないですね。 ちなみに、老人ホームに入居する場合、糖尿病の制限食に対応している施設であれば食事の管理は施設に任せられるのがメリットですね。なかには細かいカロリーや塩分量、糖質量の調整に対応している施設もありますよ。それに、老人ホームではご自分でお菓子を買って食べるのはまずできませんから、そういった意味でも食事についての心配が少なくなるでしょう。 それは助かります!父は、食事制限があるのにいつも菓子パンやお弁当を買って食べていて…。何度も注意したのですが、自分で食事の管理ができなくて。もう80歳を超えたし、老人ホームに入れるのも良いのかもしれません。 インスリン自己注射ができないのは認知症のせいかも…。 お父様の状態を聞いて、認知症を発症しているのかも、と思ったのですが…。神田さんは思い当たることはありますか? 認知症ですか!?全然そんなこと考えていませんでした。確かに、前は使えていたインスリンの注射器の使い方がわからなくなったりもありますが…。あ、そういえば、何度も同じ質問をされたり、日付がわからなくなっている様子はありました。でも、父はもう86歳ですし、年齢を考えればしょうがないことだと思っていたのですが…。 おっしゃる通り、年相応の認知機能の低下という可能性もあります。ですが、糖尿病の方は認知機能が低下しやすく、認知症を発症しやすいと言われています。薬などによって血糖値がコントロールできておらず、高血糖状態が続いていると認知機能が低下しやすいんです。 そうなんですか!?知りませんでした…。父は認知症になってしまったんでしょうか? 認知症の検査を受けてみないとはっきりとはわかりません。ですが、以下に思い当たることがあれば認知症の可能性があるので、病院で認知症検査を受けてみることをおすすめします。 少し前の出来事をすぐに忘れてしまう 同じことを何度も聞いたり話したりする 今日の日付が言えなくなったり、今の季節がわからなくなる 役所の手続きやATMでのお金の出し入れができなくなる 道具や家電の使い方がわからなくなる イライラしたり怒りっぽくなる 「同じことを何度も聞いたり話したりする」「道具や家電の使い方がわからなくなる」というのが当てはまっています。もしかしたら、認知症になってしまったのかも…。 認知症は早期の治療が大切です。まずは糖尿病の治療と合わせてかかりつけ医に相談してみてくださいね。 インスリン・認知症の対応できる老人ホーム・介護施設を探す インスリン注射は在宅介護サービスを使うか老人ホームに入れば解決 インスリン自己注射ができなくなったのは、認知症の可能性も… pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...
2024/04/24
糖尿病のためインスリン注射をしている父が入居できる施設を探しています。今は自分でインスリンの注射を打っていますが、高齢のためそろそろ難しくなってくると思います。インスリン注射の対応をしてくれる施設はあるのでしょうか? (伊藤さん・63歳・主婦) 看護師が常駐している施設であれば、インスリン注射の対応ができます。ただ、1日の注射回数が3回以上であれば、看護師が24時間常駐している施設でないと入居が難しいです。また、夜間の体調不良にも対応できるのかも事前に確認しましょう。 インスリン注射をしていても入居は可能 インスリン注射をしている父の老人ホームを探しています。インスリンを打っていても入れる老人ホームってありますか? はい、ありますよ!お父様は1日に何回、注射を打っていますか? たぶん、朝食前と夕食前の2回だと思います。自分で打っているので、はっきり把握していないのですが…。 自己注射されているんですね。施設に入居してからもご自分で注射する予定ですか? いえ、高齢になって手元がおぼつかなかったり、注射忘れもたまにあるようなので、できれば施設の人に打っていただきたいです。 では、看護師さんが常駐している施設が良いですね。 看護師さんがいないとダメなんですか。看護師さんがいる施設ってあまり数がなさそうですが、介護職員さんはインスリン注射をしてくれないんですか? インスリン注射は医療行為ですから、介護職員さんではできないんですよ。でも、看護師さんが日中常駐している施設はたくさんあるので、心配しなくても大丈夫ですよ。 インスリンの自己注射をしている場合 ちなみに、入居後も自己注射を続ける場合であれば、看護師さんがいなくても大丈夫ですか? うーん、大丈夫ではありますが、おすすめはしないですね…。 それはなぜ? もしお父様が自己注射ができなくなったら、退去を求められるかもしれないからです。しばらくは自己注射を続けられるということであれば別ですが、「もしかしたら自己注射ができなくなるかも」といった状態であれば、はじめから看護師さんが常駐している施設に入った方が転居の手間がなくて良いんじゃないでしょうか。 施設選びのポイント インスリン注射の対応ができる施設を探すときには、いくつかポイントがあります。 「看護師さんが常駐している」以外にもあるんですか? はい。ただ、「看護師さんが常駐している」というのが一番のポイントですね。まず気にしていただきたいのが、「注射の回数」と「看護師の勤務時間」なんです。 どういうことですか? 例えば、伊藤さんのお父様は朝食前と夕食前の1日2回のインスリン注射なので、日中だけ看護師さんが常駐している施設でも対応可能です。「日中看護師常駐」としている施設では、基本的に午前9時から午後6時の間で看護師さんが勤務しています。なので、その時間だったらインスリン注射が打てるというわけです。 なるほど!では、注射の回数が多くなると入居できないということですね。 はい。就寝前に注射する必要がある場合は、看護師さんが24時間常駐している施設でないと対応は難しいです。ただ、看護師さんが24時間常駐している施設は、日中だけ常駐している施設よりも少ないので、施設の選択肢が少なくなってしまう点は注意ですね。 そうなんですね。…他にも施設探しで注意するポイントはありますか? あとは、「夜間の急変に対応できるか」ですね。インスリンを投与している人は、空腹時や夜間に血糖値が下がりすぎてしまうことがありますから、看護師さんが日中だけ勤務している施設では看護師のオンコール体制があるか、医師との連携が取れるのかもチェックしておきましょう。 確かに、夜の急変は怖いですよね…。 あとは、「食事の調整ができるかどうか」も確認してください。糖尿病の方は、カロリー制限や糖質制限などが必要なことが多いですから、そういった食事療法にも対応できる施設であることが大切です。 父も、糖質の量に気をつけるように病院から言われています。 医療サポートも食事療法も、糖尿病の人にとって重要なことですから、必ず事前に施設に確認してくださいね。 高齢者は低血糖にも要注意 高齢の方の糖尿病治療で特に注意したいのは、低血糖ですね。 低血糖?血糖値が高いからインスリン注射を打っているんじゃないんですか? 実は、加齢によって薬が身体に溜まりやすくなるなどの理由で、高齢の方は若い方よりも薬が聞きすぎてしまう傾向があるんです。しかも、高齢になると低血糖の症状が出ても感じにくくなります。なので、気が付いたときには重篤な状態になっていることも…。 そうなんですか!低血糖になると、どんな症状が出るんですか? 例えば、冷や汗や手足の震え、状態が悪化すると意識障害も起きます。ただ、意識障害などの症状が認知機能の低下や認知症によるものと周りの人が勘違いしてしまうケースもあるので、やはり看護師さんが常駐している施設で健康管理をしてもらった方が良いでしょう。 今、父はひとり暮らしなので、体調管理がきちんとできているのか心配になってきました。 そうですよね。看護師さんのいる施設なら血糖値や体調管理もしてもらえるので、ご家族としても安心だと思いますよ。インスリン注射だけでなく、毎日の健康管理もしてもらえる施設を探してくださいね。 インスリン注射をしていても老人ホームに入居できる! 3回以上であれば看護師が24時間常駐している施設を選ぶ 夜間の体調不良にも対応しているか確認して 低血糖の対応もできる施設を探して pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...
2022/07/13
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。