新たな研究で、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を多く摂取している人は、そうでない人に比べて心筋梗塞や脳卒中などによる死亡リスクが低い可能性が示されました。
この研究は国立がん研究センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「European Journal of Nutrition」という学術誌に掲載されています。
研究グループは1995年と1998年に東京、沖縄、大阪など11都府県に在住していた45~74歳の男女を対象に調査を実施。対象者の人数は9万3310人に上りました。
今回の調査では、対象者の食事調査票の回答をもとに、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品の摂取量を推定。乳製品の摂取量の多寡によって4つに分類し、それぞれ比較しました。
研究グループが約20年にわたって追跡調査をおこなった結果、乳製品を多く摂取している男性はそうでない人より、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患による死亡リスクが減少することが明らかになりました。
一方、女性では乳製品の摂取量と死亡リスクとの間に関連性は見られませんでした。
今回の結果を受けて、研究グループは「乳製品に含まれる活性ペプチドやカルシウム、カリウムなどの成分には血圧を下げる働きがある。これによって血圧が下がり、循環器疾患のリスクが下がった可能性がある」と分析しました。
ただ、乳製品にはコレステロールなども含まれており、これらを摂り過ぎると逆に循環器疾患のリスクが増える可能性があります。実際に、西洋人など乳製品を多く摂取する文化圏でおこなわれた別の研究では、乳製品の摂取量が多すぎる人は死亡リスクが高くなる傾向が示されました。
もちろん、毎日1~2杯の牛乳程度であれば問題ありません。朝食時などに乳製品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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