おっしゃる通り、オプションサービスにはいろんなものがあります。例えば、通院同行や行政手続き代行、訪問理美容や家具のレンタルなどのサービスが提供されています。
ただ、これらのサービスは、人手が足りないことを理由に利用を断られることや、想定以上の料金がかさむといったことが起こりえます。トラブルになりやすいことでもありますので、あらかじめよく確認しておくことが必要です。
父の老人ホーム探しをしています。ネット上で老人ホームの情報を見ていたら、「オプションサービス」という記載を見つけました。スタッフさんが代わりに買い物をしてくれるといったサービスがいろいろとあるようですが、ほかにはどんなサービスがあるのでしょうか?
おっしゃる通り、オプションサービスにはたくさんの種類があります。サービスの内容は施設によって異なり、以下のようなものがあります。
施設が介護サービスを直接提供していない「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」では、介護サービスをオプションサービスとして設定していることがあります。
どういうことですか?そもそも、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスを提供していないんですか?
そうなんです。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で介護サービスを利用する場合は、別途、契約が必要です。つまり、事前に介護サービス利用の契約をしていない方は介護サービスを受けられません。
でも、急な体調不良などで介護サービスが必要になることもありますよね。そうしたときに、一時的に介護を受けられるようにオプションサービスとして介護サービスを用意しているんです。
なるほど…。オプションサービスで利用できる介護サービスはどんなものですか?
訪問介護などで受けられる介護サービスとほぼ同じような内容です。具体的には以下のようなものがあります。
いろいろなサービスを柔軟に利用できるので便利なオプションサービスですが、トラブルが起こることもあるので注意が必要です。
え、どんなトラブルが起こるんですか?
よくあるトラブルとしては、以下のようなものがあります。
老人ホームの人手不足によって、オプションサービスの利用を断られることがあります。
オプションサービスはあくまで”オプション”なので、通常のサービスを提供するのが優先です。そのため、スタッフさんの退職や欠勤によって人員が足りなくなった場合は、オプションサービスの利用を断られる場合もあります。
そのため、オプションサービスを定期的に利用する場合は、利用できないときのことも考えておくのがおすすめ。内容によってはご家族が対応したり、外部サービスを利用することも視野に入れておきましょう。
介護業界が人手不足なのはよく聞きますが、オプションサービスが利用できなくなることもあるんですね…。
オプションサービスを利用するときのもうひとつの注意点が、想定以上に費用がかさむ可能性があることです。
例えば、通院同行は1時間あたりの料金と交通費が発生します。そのため、病院が混んでいて時間がかかるとその分だけ費用が高くなっていきます。これは行政手続き代行で役所が混雑していたり、買い物代行で道路が渋滞していて時間がかかった場合も同様です。
混雑具合は想定しにくいところではあるので、あらかじめ費用を多めに見積もっておきましょう。
確かにそうですね。父が通っている病院も混んでいるときと空いているときの差が大きいので、想定しにくいことではありますね。
また、見落としがちなのが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、ケアプランに含まれていない急な対応はオプションサービスとして追加料金が発生する場合もあること。「追加料金がかさんでかなり高額になって困っている」とご相談をいただいたこともあります。
ご相談いただいたのは、ナースコールでスタッフさんを呼び出すのに1回500円かかる施設に親御さんが入居しているケース。一人でお部屋で過ごす不安感から親御さんが何度もナースコールを押してしまい、月25万~27万円を想定していたのに実際は月40万円近くもかかってしまったそうです。
月40万円!10万円近く上がってしまうことがあるんですね。
そうなんです。そういうこともありえるんです。
また、入居時は身の回りのことを自分でできていた方も、年を重ねるにつれてそれがままならなくなることもありますよね。例えば、一人でトイレに行けなくなり失禁が増えて、その更衣介助や清掃などが急に発生すれば、それもオプションサービスとなります。
オプションサービスによる介助は、介護保険が適用されないので全額自己負担。そのため、費用が高額になってしまう可能性があるんです。
父はまだ介助が必要な状況ではないですが…。でも、入居してから介助が必要になるのは十分ありえますよね。
もし、介護やそれに関連するサービスで費用がかさむ場合は介護付き有料老人ホームがおすすめです。介護付き有料老人ホームは介護サービス費が要介護度に設定されている定額制。身体介助はもちろん、ナースコールでの呼び出し、掃除などの生活支援も介護サービス費に含まれているので、追加料金が発生しません。
ただ、もちろん、通院同行や買い物代行などのケアプランにないサービスは、追加料金がかかることもあります。そのため、どういうサービスが必要なのかを事前によく考えてから入居先を決めましょう。
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