老人ホームの費用が想定外の金額に!思っていたよりも5万円も高くなったのはなぜ?

老人ホームの費用が想定外の金額に!思っていたよりも5万円も高くなったのはなぜ?

更新日 2024/07/31
先月、母が老人ホームに入居しました。その請求書がつい先日届いたのですが、想定していたよりも5万円以上高くて困っています。

老人ホームで見学をしたときには、施設の人から月28万円程度と言われていました。なのに、実際には33万円以上かかっていて…。どうしてこんなに高くなってしまったんでしょうか?

(若林さん・会社員・57歳)

明細を見てみないと正確なことはわかりませんが、考えられるのは食費やオプションサービス、消耗品費などを見積もっていなかった可能性です。

施設によっては、ケアプランに含まれていない介護サービスが追加で発生することや、ベッドや寝具などのレンタル費用が追加されることもあります。

想定外の費用が発生するのを避けるには、契約前に重要事項説明書をよく読んでおくこと。重要事項説明書には専門的で複雑な書き方をしている部分もあるので、わからない場合は施設担当者に聞いておきましょう。

老人ホームで想定外の費用がかかる理由は?

先月、母親が老人ホームに入居したので、先日初めての請求書が届きました。その金額を見てみたら、説明を受けていたよりも5万円以上高かったんです!

施設を見学したときに聞いていたのは月28万円程度。それくらいなら払えるかと思っていたのですが、請求書では33万円以上の金額がかかれていました。なぜこんなにも金額が高くなってしまったんでしょうか?

明細を見ていないので正確なことはわかりませんが、考えられるのは基本料以外の費用を始めに見積もっていなかった可能性です。

老人ホームの基本料とは、家賃、管理費・共益費、食費といったもの。ネット上の情報やパンフレットの多くではこの基本料のみが記載されています。

ですが、実際には以下のような費用も発生することがあります。

  • 介護サービス費
  • 日用品・消耗品費
  • 水光熱費
  • オプションサービス費

介護サービス費

介護サービス費とは、入浴介助や排泄介助、居室清掃といった介護サービスが発生するときにかかる費用です。

ちなみに、お母様が入居したのはどんな種別の老人ホームですか?介護付き有料老人ホームでしょうか?

なるほど。となると、介護を受けるには、別途、訪問介護などの介護サービスの契約をする必要があります。

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった、介護サービスを施設が直接提供していない施設では、介護サービスは別の事業所が提供することになるため、介護サービス費が費用に含まれないことがあるんです。

そうなんですか!知らなかったです…。

それに、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、介護サービス費が利用した分だけの従量制。ご入居者一人ひとり料金が異なるため、事前に金額を提示できないので基本料と一緒に記載できないという面もあります。

なるほど…。

加えて、意外と見落としてしまいがちなのが、ケアプランに含まれていない介護サービスの費用。失禁した際に排泄介助や更衣介助などが必要になり、施設職員が対応した場合、介護保険が適用されないサービスなので全額自己負担になってしまうことがあります。

介護保険が適用されるサービスであれば1割負担で済むものが、全額負担になってしまうと費用がかなりかさむことになりますよね。

あ、そういえば母が施設に慣れていないせいか、場所がわからなくてトイレに間に合わず失禁してしまったと何度か連絡が来ていました。その対応で金額が増えていたのかも…。

日用品・消耗品費

施設によっては、歯ブラシやトイレットペーパーなど日用品にも費用がかかることも。また、オムツを使用している場合はその購入費やオムツの破棄費用が発生することもあります。

もし、持ち込みが可能であれば、日用品やオムツをご家族が購入して使った方が費用が抑えられると思いますよ。

水光熱費

水光熱費は、施設によっては管理費や共益費に含まれている場合もあれば、別途実費で発生することもあります。また、寒冷地では冬期は暖房費として追加費用が発生することもありますよ。

水光熱費の扱いは施設によってまったく異なるので、施設に確認しておきましょう。

オプションサービス費

オプションサービスとはどんなサービスですか?

基本のサービスに含まれないサービスのことです。例えば、以下のようなものにオプションサービス費が発生することがあります。

  • 有料レクリエーション
  • 訪問理美容
  • 家具レンタル
  • リネン交換
  • 移動販売
  • 洗濯
  • 買い物代行
  • 外出の付き添い
  • 通院同行

想定外の費用がかからないための対策は?

どうして想定外に費用がかかってしまったのか、よくわかりました。もうこれ以上、お金がかからないようにするためにはどうしたら良いんでしょうか?

想定外に費用がかからないようにする対策としては、「重要事項説明書をよく読む」「介護付き有料老人ホームに入居する」ことが挙げられます。それぞれお話ししていきますね。

重要事項説明書をよく読む

重要事項説明書とは、サービスや職員体制などについて記載される書類です。どの老人ホームにも作成が義務付けられているもので、見学時や契約時に施設側から説明を受けるものです。

そういえば、契約のときに書類を受け取った記憶があります。でも、細かくいろんなことが書いてあるのと、ややこしいのでよく確認していないんですよね。

重要事項説明書はとても大切です。費用についても記載されているので、トラブルを避けるためによく読み込んでおいてください。

ただ、若林さんがおっしゃる通り、わかりにくいのも事実です。わからないところは施設に説明を求めましょう。誠実な対応をしてくれる施設であれば、契約前でも入居後でも丁寧に説明してくれると思いますよ。

そうなんですね。改めて確認しておかないと…。

また、老人ホームの料金はややこしいことが多いので、契約の説明時に全体の金額の概算しか言われないこともあります。そのため、細かい内訳やお金の用途なども確認しておくと想定外の出費が抑えられるでしょう。

介護付き有料老人ホームに入居する

予定になかった介護サービス費がかさんでいる場合、介護付き有料老人ホームに入居するのもひとつの方法です。

介護付き有料老人ホームは、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅とは異なり、介護サービス費が定額制。要介護度ごとに介護サービス費が設定されており、何度、介護を受けても追加料金が発生することはありません。

パンフレットなどの料金を比較すると、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の方が安い傾向があるのですが、実際のトータルの金額では介護付き有料老人ホームの方が安くなる可能性もあるんです。

そんなことがあるんですね!今、母が入っている老人ホームも金額が安いので選んだんですが…。介護付き有料老人ホームの方が良かったのかな…。

うーん、お母様の状態がわからないので何とも言えないところですが…。介護の頻度が高いのであれば、介護付き有料老人ホームをおすすめします。

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、訪問介護やデイサービスなどによる決まった時間でないと介護を受けられません。対して、介護付き有料老人ホームでは時間の定めはなく、柔軟に介護を受けられます。

少し様子を見て、介助の頻度が多いようであれば介護付き有料老人ホームを検討してみても良いかもしれませんね。

  • オプションサービスを考慮していないと、想定外のお金がかかることも
  • オプションサービスには、訪問理美容代、おむつ代、ケアプラン外の対応などがある
  • 想定外の出費を避けるには、重要事項説明書をよく確認したり、介護付き有料老人ホームに入居すること

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