高齢者の骨粗鬆症は、要介護状態になるリスクのひとつになっています。骨粗鬆症になると骨が弱くなり、ちょっとした刺激や転倒で骨折しやすくなるからです。そのため、骨粗鬆症を予防することが、要介護予防に重要です。
そんな骨粗しょう症について、今月25日、順天堂大学の研究グループが論文を発表しました。それによると、中学・高校生期と高齢期で運動する習慣があった人は骨密度が高く、骨粗鬆症のリスクが低いことがわかったとのことです。
Contents
順天堂大学の研究グループが、骨粗鬆症と運動習慣の有無の関係について論文を公開しました。
この研究は、東京都に住む約1600名の高齢者を対象におこなったもの。「中学・高校生期に部活動で運動をしていたか」「現在、運動習慣があるかどうか」をアンケートで調査しました。
その結果、女性は「中学・高校生期と現在の両方の時期で運動習慣のある人」が、最も骨密度が高い結果に。過去も現在も運動習慣がない人と比べて、骨粗鬆症のリスクが35%低いそうです。
ちなみに男性は、女性と比べて骨粗鬆症の割合が低く、過去の運動習慣との関連性はなかったようです。
また論文の中で「女性の運動習慣の2極化が起きている」と述べられています。中学・高校生期に運動をまったくしない人と、活発に運動する人に分かれるそうです。
さらに「運動部の活動内容が女性のニーズに合っていないため、競技スポーツではない”ゆるい”スポーツの普及が期待される」と、現在の部活動のあり方にも触れられています。
今回の研究では、「学生時代と現在、運動習慣のある人は骨粗鬆症になりにくい」という結果になりました。これは当然の結果と言えるのではないでしょうか。
一般的に、骨密度を上げるには骨に刺激が加わる運動が良いとされています。そのため、時期に関わらず、骨に刺激を与えている人の骨密度が高いのは自然なことではないでしょうか。
論文の中でも「それぞれの時期に、どんな運動をどれくらいおこなうことが必要かなど、不明の点が多く残っている」としているので、さらに詳細な調査が待たれますね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。