介護施設への入居を検討するにあたって、候補のひとつに「住宅型有料老人ホーム」が挙がることもあるでしょう。もし現在、訪問介護を受けている人が住宅型有料老人ホームへ入居した際、介護サービスはどうなるのか気になりますよね。
住宅型有料老人ホームでは、施設へ入居しても訪問介護を利用できます。なぜなら住宅型有料老人ホームは、介護サービスや医療ケアの利用については外部の事業者と契約する体制の施設だからです。
この記事では、「住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用できること」「住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用するメリット」「訪問介護の注意点」などを解説します。ぜひ参考にしてください。
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住宅型有料老人ホームでは訪問介護を利用できます。
そもそも住宅型有料老人ホームとは、施設から提供されるサービスは生活面のサービスのみで、介護サービスや医療ケアが必要な場合には外部の事業者(訪問介護、デイサービス、訪問看護など)と契約する体制の施設です。その際、入居者は自分に必要なサービスや事業者を自由に選べます。
住宅型有料老人ホームに入居する前から訪問介護などを利用していた場合、入居後も、慣れ親しんだ事業者から今までと同じサービスをそのまま使い続けられます。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用するメリットは主に以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
住宅型有料老人ホームでは、介護サービスを外部の介護事業者を通して利用できます。その際の介護事業者も介護サービスの内容も、基本的には入居者が自由に選べます。
施設に入居する前から訪問介護やデイサービスなどを利用していた場合、入居後も慣れ親しんだスタッフから今までと同じ介護サービスをそのまま使い続けられます。
また、なるべく外出したくない人は訪問介護、外に出て気分転換したい人はデイサービスなど、利用する在宅介護の事業者を選択することも可能です。
住宅型有料老人ホームの入居者が受ける介護サービス費は、利用した介護サービスの分のみです。
訪問介護やデイサービスなどは利用した介護サービス分だけの費用を払うので、介護サービスの量が少なくても十分な人は費用を抑えられます。
住宅型有料老人ホームによっては、訪問介護サービスをおこなっている介護事業者を併設している場合があります。
住宅型有料老人ホームの入居者が介護サービスを利用する際、介護事業者も介護サービスの内容も、基本的には入居者が自由に選べるので、入居している住宅型有料老人ホームに併設している介護事業者を利用することも可能です。
施設に併設されている介護事業者を利用すると介護事業者と施設が密な連携を図れるので、施設同士で入居者の細かな情報を共有してもらえます。
要介護状態になると、身体状況は日々変わっていきます。小さな変化も施設から介護事業者へ伝えてもらえるので、より適切なケアが提供される可能性が高まります。
また、併設されている介護事業者は同じ建物内にある場合が多いので、緊急時の対応や連絡も迅速におこなわれることが期待できます。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用する際の注意点は、主に以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
訪問介護では、介護サービスを受けられない時間帯がある場合があります。なぜなら、訪問介護の契約をしている事業者が24時間・365日対応可能とは限らないからです。
訪問介護では介護サービスを受ける時間・目的をあらかじめ設定し、計画的に提供されるようにケアプランを作成します。そのため、好きな時間に好きなだけ介護サービスを利用することはできません。
訪問介護の事業者によっては、土日祝が休みだったりサービス提供時間に制限があったりするので、夜中など介護ケアを希望する時間帯が決まっている人は事前によく確認しましょう。
住宅型有料老人ホームは介護サービスを提供していないので、介護が必要になった場合には訪問介護事業者などの外部の介護事業者と契約する必要があります。つまり、家賃などの施設自体にかかる費用に加えて、介護の費用がかかるのです。
介護サービスが必要ない、あるいは必要だとしても少ない場合は安く済みますが、たくさんの介護サービスが必要な場合は費用がかさんでいきます。
訪問介護事業者などの外部の介護事業者は、ほとんどの場合で介護保険が適用されます。介護保険を利用した場合の自己負担率は、原則として介護サービスにかかった費用の1~3割です。要介護度によって自己負担額の上限も決まっています。
外部サービスを利用した費用が介護保険の負担額内に収まれば良いですが、上限を超えると全額負担になります。全額負担では介護にかかる費用が高額になるので、介護が多く必要な人は介護付き有料老人ホームなどの介護費用が定額制の施設がおすすめです。
住宅型有料老人ホームに入居後、年齢や病気などによって要介護度が上がったとき、住み続けるのが難しくなる場合があります。
住宅型有料老人ホームでは施設に介護体制が整っていない場合が多いので、入居者の要介護度が高くなり手厚い介護が必要になると、訪問介護やデイサービス(通所介護)では対応できなくなるかもしれません。
また、年齢が上がると認知症を発症する可能性もあります。しかし、住宅型有料老人ホームではスタッフがいない時間帯もあるので、認知症の人へのサポートは難しいです。
住宅型有料老人ホームでサポートできる範囲を超えてしまった場合は、介護に手厚い施設に住み替えるのが良いでしょう。
住宅型有料老人ホームに入居中に介護サービスを受けたい場合、どの介護事業者を利用するかは入居者が自由に選べます。
ただ、ごく一部では、本人や家族の希望も聞かず施設が併設した介護事業者のみの利用を強要される「囲い込み」が発生しているので注意が必要です。
本来、住宅型有料老人ホームでは、介護事業者やサービス内容、ケアマネジャーなどは、入居者が自由に選択できます。しかし、強制的に利用する介護事業者を指定される悪質な行為が「囲い込み」です。
併設している施設を利用すること自体には利点もあるため、併設施設をおすすめされることもあるでしょう。その際に、施設側が意見をきちんと聞いてくれて、最終的に自由に施設を選べるかどうかが重要です。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用する前に以下をしておくのがおすすめです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
住宅型有料老人ホームで長く暮らしていくうちに、介護が必要になったり、認知症を発症する可能性は大いにあり得ます。
しかし、住宅型有料老人ホームは介護や認知症のケア体制が整っていない施設も多く、満足のいくサポートが受けられないことも。外部の介護サービスを使えば生活ができる場合は心配ありませんが、より手厚いサポートが必要な場合には、希望に合ったケアを提供している介護施設への転居を考える必要があります。
介護が必要になってから探すと時間がかかってしまうため、入居前に、介護が必要になったときの転居先の候補も一緒に見つけておくと良いでしょう。
住宅型有料老人ホームでは、入居時に支払うお金と月額で支払うお金があります。それに加え、外部の介護事業者と契約をした場合には介護サービス費もかかります。
外部の介護事業者を利用する分の費用は見落とされがちです。もし外部事業者を使おうと考えているのであれば、別途費用がどれくらいかかるのか、支払えるのかなども確認しましょう。
現在は要介護度が低く、契約する外部の介護事業者が少なくても、将来的に介護サービスの利用量が増えることもありえます。将来的に介護サービスの利用が増えた場合、毎月の支払いが厳しくならないか、よく検討しましょう。
入居前には、契約する外部の介護事業者を自由に選べるのか確認しましょう。
住宅型有料老人ホームでは、デイサービスや訪問介護などの介護事業所を併設している場合が多いです。施設と併設している介護事業者と契約すれば入居者にとっても利点があるので、併設している介護事業者との契約をすすめられることもあります。
しかし住宅型有料老人ホームでは、介護事業者やサービス内容、ケアマネジャーなどを自由に選択できます。契約の際に入居者の意見を聞いて、最終的に自由に施設を選べるかどうか確認しておくことが重要です。
住宅型有料老人ホーム以外にも訪問介護を利用できる施設があります。例えば以下の施設です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)でも訪問介護を利用できます。
サ高住とは、基本的に介護を必要としない自立している高齢者のための施設。サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があり、訪問介護を利用できるのは一般型サ高住のみです。
一般型サ高住は、施設からのサービスは安否確認や生活相談など生活面でのサービスの提供のみで、基本的には一般的な賃貸住宅と同じように生活ができる、生活の自由度が高い施設です。介護が必要になった場合は、訪問介護など外部のサービスと契約をすることで必要な分だけのサービスを受けられます。
ケアハウスでも訪問介護を利用できます。
ケアハウスは、老人福祉法で定められた軽費老人ホームの一種です。軽費老人ホームとは、一人での生活が不安で身寄りがない60歳以上の高齢者が入居できる施設のことです。
ケアハウスには「一般型」と「介護型」の2種類があり、訪問介護を利用できるのは一般型ケアハウスのみです。
住宅型有料老人ホームに入居しても訪問介護を利用できます。住宅型有料老人ホームは、介護サービスや医療ケアが必要な場合には外部の介護事業者と契約する体制の施設であるため、入居者は自分に必要なサービスや介護事業者を自由に選べます。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用すると「外部の介護事業者やサービス内容を自由に選択できる」「介護が多く必要でない場合は費用を抑えられる」「併設されている施設を利用できる」というメリットがあります。
住宅型有料老人ホームで訪問介護を利用する際は「24時間の介護はしてもらえない可能性がある」「利用が多い場合は費用が負担になる可能性がある」「訪問介護で介護を賄えない場合には退去の可能性もある」「ごく一部で悪質な『囲い込み』がある場合がある」という点に注意しましょう。
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