新型コロナウイルスの感染拡大は、生活のデジタル化を加速させた一方、人々が触れ合う機会の減少をもたらしました。
そうしたなか、埼玉県鶴ヶ島市では高齢者のデジタル活用支援事業として「eスポーツ体験」が行われました。市では、eスポーツをきっかけにして、高齢者のデジタル弱者を出さず生活の質を上げることに加えて、継続的なeスポーツの取り組みによって認知症を予防していくことを目指しているそうです。
鶴ヶ島市の北市民センターで行われた「eスポーツ体験」には、市内に住む60代から80代の男女9人が参加しました。体験会では、プロeスポーツ選手のリベさんらが使い方を説明。参加した高齢者は家庭用ゲーム機を使い、「ぷよぷよeスポーツ」と「太鼓の達人」を体験したそうです。
参加者の82歳の女性は「コロナ禍で趣味のグラウンドゴルフの集まりなどが中止され、一人暮らしで地域との縁が薄れた。絶望的な気持ちになり、一直線に老いてしまうと思った」と話し、また今回参加した感想を「eスポーツは気分転換になるし、皆さんと交流できるのもいい」と話していました。
さらに鶴ヶ島市では、体験会の他に「シルバーeスポーツ&脳トレ体験」もスタート。参加する高齢者には最初に認知機能検査を実施し、その後は老人福祉センターに常設されるゲーム機で週2回程度、eスポーツを楽しんでもらい、4ヵ月後に再び認知機能検査をして効果を検証するそうです。
このように、自治体が一定期間、eスポーツを活用した認知症予防の取り組みを行うのは珍しいそう。どのような検証結果が出るのか楽しみですね。
以前はコンピューターゲームは「学力が低下する」「ひきこもりの原因になる」など、イメージの悪いものでした。しかし、現在ではeスポーツは高齢者の認知症の予防など健康づくりに役立つだけでなく、人と人が交流する機会にもなると期待されています。
ちなみに秋田県では昨年9月、日本で初めてとなる高齢者のeスポーツチームが発足し、国内外の大会への出場を目指して活動しているそうです。
今後、eスポーツを楽しむ高齢者が増えるとともに、eスポーツを通じて高齢者がいきいきと活躍できる場が広がっていくといいですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。