自分に介護が必要となった時に備えて、介護に関する希望や家族に伝えておきたいことを書き残しておきたいと考える人もいるのではないでしょうか。
そこで石川県加賀市では、介護が必要になった時や認知症になった時に希望する暮らし方を記載できる手帳「わたしの暮らし手帳」を作成しています。市ではこれまでに約2500部を配布してきたそうです。
石川県加賀市では、介護が必要になった時や認知症になった時に備え、自分がどう生きたいかを書き留める「わたしの暮らし手帳」の普及に取り組んでいます。
この手帳はA4判で36ページにわたるもの。前半は認知症に関する知識や医療・介護サービスの流れを掲載し、後半部分が自分で書き込むページになっています。
その内容は家族構成や自分の歴史をはじめ、友人の名前や行きつけの場所、趣味、食べ物の好き嫌いなどを書き留められます。加えて、がんや認知症となった場合に「告知を希望するか」「延命治療を望むか」など終末期の内容まで触れられています。
さらに市では、「ただ配るだけでは意味がない」と高齢者サークルなどに出向き、手帳の意義や書き方を伝えています。
7月初めに市民会館で開いたセミナーでは、介護予防講座を修了した市民が意志を書き記す大切さを寸劇で披露。「自分の最期を考えることが、今をどう生きるかを考えるきっかけになる」と呼びかけました。
認知症の人を介護する家族が、介護の相談窓口を訪れる時には既に症状が進行していて、本人がどのような暮らしを望むのか聞き取れず、家族も代弁できないケースが多いそうです。
そうした場合に備えて、本人が元気なうちに自ら希望する暮らし方を書き留めておくことができる手帳があると助かりますよね。
最近では「エンディングノート」と呼ばれる、医療や介護、葬儀などの要望や家族への思いなどをしたためることのできるノートがさまざまなメーカーから発売されています。
「私はまだ書かなくても大丈夫!」と思う人でも、一度は手にとって見てみるのも良いかもしれません。
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