高齢者施設で新型コロナウイルスの集団感染が相次いでいます。中には医療機関の病床のひっ迫により、施設の入所者が新型コロナに感染しても医療機関に入院するのが難しく、施設内での療養を余儀なくされるケースも増えています。
施設での療養には、感染症に関する専門的な知識が必要とされますが、そもそも高齢者施設は「生活の場」であり、病気の治療を想定した場所ではありません。医療機関などとの連携は不可欠であると言えるでしょう。
今回は、そんな高齢者施設での療養に対して地元医師会が手を差し伸べるという取り組みについて紹介します。
鹿児島県は各高齢者施設に対し、協力医療機関などと話し合い、医師や看護師の派遣を要請できる医療機関を確保するよう呼びかけていました。
しかし県内の高齢者施設のうち、2022年7月時点で5.6%にあたる73施設が派遣を受けられる医療機関を確保できていません。
こうした状況に対して、9月26日、鹿児島県は次のように発表しました。
それは、高齢者施設の入所者が新型コロナウイルスに感染し、施設内で療養しなければならない場合、地元医師会が治療に当たる医師や看護師からなる医療チームを結成し、各施設に派遣するというものです。
具体的には、高齢者施設が医師・看護師を確保できなかったり、医療機関から支援が受けられなかったりした場合、保健所を通じて地元医師会に医療チームの派遣を要請します。それを受けた医師会は感染状況やニーズを把握し、それに応じて医師や看護師を派遣するシステムとなっています。
こうした体制は高齢者施設や療養者にとって心強いのではないでしょうか。
同じような取り組みは鹿児島県以外でも始まっています。
愛媛県は「えひめクラスター対策班」を設置。これは高齢者施設などで集団感染が発生した際に、県内の医療機関の協力を得て感染症の専門医や看護師などを派遣し、保健所とともに集団感染の早期収束を図るためのチームです。
新型コロナウイルスの感染拡大はいまだに止まりません。高齢者施設での療養も増えている今、こうした取り組みがさらに広がっていくことが求められています。
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