高齢化が進む中、健康や福祉、介護などに関するさまざまな問題が顕在化しつつあります。家族やその周囲が努力するだけでは解決できない課題も多くありますよね。
そこで、高齢社会における介護などの課題解決のために、このたび、信州大学工学部が新たなセンターを発足させました。
信州大学工学部は9月28日に会見を開き、新たな組織「ウェルビーイング工学研究センター」を発足させたことを発表しました。
「ウェルビーイング」とは、身体的、精神的、社会的に満たされた状態であることを表す言葉です。こうした状態は、高齢化社会において生活の質の向上だけでなく、医療や介護の費用削減にもつながると期待されています。
新たなセンターでは、介護施設や企業などとともに、福祉や介護など生活環境での課題に役立つ技術を開発・研究することにしています。
ウェルビーイング工学研究センターでは、6つの部会を設け、それぞれが健康・福祉・介護に係る生活環境の安心・安全の増進に貢献することを目的として活動しています。
このうちの「見守りセンシング研究部会」では、車いす見守りシステムの開発をおこなっています。
介護施設では、車いすを使用しているときの車いすからのずり落ちが問題になっています。また、長時間、同じ体制で座っている場合は床ずれ(褥瘡)ができる可能性があるという問題もあります。
そこで、センターでは車いすのずり落ち検知や床ずれ(褥瘡)の予防システムを開発しているのです。
また、「リハビリ機能解析研究部会」では、歩行データを分析し、健康維持に最適な運動や生活習慣を提案するサービスをつくり出すとしています。
信州大学の工学部長は「人手不足が深刻な介護分野を開発した技術でサポートすることで、県民のみなさんに貢献できると思う」とコメントしています。
今回新設されたセンターでの研究が介護に導入できれば、介護される側もする側も負担が軽減されそうですね。
とはいえ、技術の進化はあくまでサポート。私たち一人ひとりが、ウェルビーイングを目指して高齢者と接して行くのも大事なことです。
技術と人の心が上手く嚙み合えば、より良い介護の提供ができるのではないでしょうか。
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