新たな実証実験で、コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」が、認知症や心身の機能低下(フレイル)を防ぐ可能性が示されました。
この実証実験は、東北福祉大学、NTT東日本、仙台市、仙台eスポーツ協会が合同でおこなったものです。
フレイルとは、年を重ねることで心身の働きが弱くなった状態のことで、よく「健康と要介護の間の状態」と言われます。
その前段階のことを「プレ・フレイル」と言います。例えば「以前よりも疲れやすくなった」「外出がおっくうになってきた」のような状態がプレ・フレイルです。
東京都医師会は、プレ・フレイルのときに、社会参加の機会をつくるなど対策を打つことで心身を健康に保てる可能性が高まるとしています。
東北福祉大学などの研究グループは、eスポーツが高齢者の健康にどう影響を与えるのかについて実証実験をおこないました。
今回の実証実験は、仙台市の老人福祉センターを利用する60~90代の男女を対象に実施されたものです。
対象者は、パズルゲーム「ぷよぷよ」やレーシングゲーム「グランツーリスモ」などを体験。その後、認知機能テストや体力測定、アンケートを用いてeスポーツの効果を測りました。
その結果、複数のことを同時におこなうために必要な注意力が向上。さらに、歩行速度や握力などの身体機能も改善傾向にあることが判明したのです。
この結果を受けて、東北福祉大学の高橋俊史氏は俊史は「ゲームは手を動かしつつ画面に注意を払う必要がある。このことが、注意力の向上に至ったのではないか」と分析しました。
また、NTT東日本の滝沢正宏氏は「eスポーツは健康促進以外にも仲間づくりや外出のきっかけにもなる。今後もeスポーツの可能性を探りながら、社会課題の解決につなげたい」と話しました。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。