新たな研究で、温泉を習慣的に利用していると、うつ病の発症が抑えられる可能性が示されました。
この研究は九州大学の研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Complementary Therapies in Medicine」という医学誌に掲載されています。
高齢になると、近しい人が亡くなるなど何かを喪失する経験が増え、それに加えて加齢による病気なども増加。そのため、高齢者はうつ病になりやすいと言われています。
高齢者のうつ病防止のために温泉が有効なのではないか、と以前から考えられてきましたが、詳細は不明なままでした。
こうしたことから、高齢者のうつ病予防に温泉が本当に効果的なのか確かめるために、今回の研究に至ったのです。
今回の研究では、2011年に実施された、温泉の利用状況と病気の既往歴に関するアンケート調査を解析。そのアンケートは、65歳以上で別府市在住の高齢者のうちランダムに選ばれた2万人に送信したものです。
研究では、2万人のうち研究に有効な返答があった10429人のデータを分析しました。
アンケートに有効な返答があった10429人のうち、219人にうつ病の既往歴がありました。その人らの属性を分析した結果、以下の特徴に当てはまる人が特にうつ病の既往歴がある人の割合が高かったことが判明したのです。
反対に、習慣的に温泉を利用している人の中では、うつ病の既往歴がある人の割合が少ないことも明らかになりました。
以前から、温泉には精神的なストレスや睡眠障害を緩和する働きがあることが知られています。
つまり、うつ病の発症リスクとなる精神的なストレスや睡眠障害を温泉によって緩和したことで、うつ病を予防できたのではないかと考えられるでしょう。
研究グループは、今後さらに詳細な調査を進めていきたいとしています。
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