12月23日、埼玉県が2021年度の県内における高齢者に対する虐待の状況を公表しました。
すると、介護施設の職員による虐待の件数が調査が始まって以来、最も多かったことが判明したのです。
Contents
埼玉県が高齢者への虐待の状況を調査。その結果、介護施設の職員による高齢者虐待の件数が89件で過去最多となりました。
虐待を種類ごとに見てみると、殴る蹴るなどの暴力や身体拘束といった身体的虐待が58件、高齢者に暴言を吐いたりなどの心理的虐待が44件、介護放棄が41件でした。これらの件数はいずれも重複ありの件数です。
さらに県は、高齢者の家族による虐待の件数も調査。その総数は541件であることがわかりました。
性別に分けると虐待を受けたのは約76%が女性であることも判明。反対に、高齢者を虐待した人物は41%が息子、23%が夫、17%が娘でした。
この結果を受けて県の担当者は「高齢者虐待に関する社会的関心が高まり、通報の件数が増えたことも影響している可能性がある」と指摘しました。
「虐待」と聞くと、殴ったり蹴ったりなどの暴行を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかし、実際には「虐待を意図していないこと」でも、利用者の行動を制限するような行為は虐待に含まれます。
例えば、「転倒を防ぐために」と思って四方が柵で囲まれたベッドを使用することは拘束にあたり、「身体的虐待」と見なされることがあります。
また、忙しくて手が離せないときに高齢者から呼ばれて「ちょっと待ってて」と言うのも場合によっては心理的な虐待に該当します。
「ちょっと待ってて」と高齢者に言うことで、高齢者が介護者に声をかけにくくなり、意思表示する気持ちを抑制してしまうことにつながるのです。
ほかにも、以下のような行為は虐待に該当することがあります。
高齢者のためにと思っても、高齢者の権利を侵害する行為は虐待にあたります。介護に携わる人は、常に自分の行動を振り返っていきたいですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。