静岡県の調査で、県内における高齢者に対する虐待の件数が3年ぶりに前年度より減少したことが明らかになりました。
すべての都道府県は、毎年、各自治体で発生した高齢者虐待の件数を記録しています。今回は静岡県がその内容を公表した形です。
静岡県は、2021年度中に静岡県内で起きた高齢者に対する虐待の件数を各市町村にアンケート調査。その結果、2021年度に起きた高齢者虐待の件数は428件だったことが判明しました。
これは、前年度より22件下回っている数字です。虐待件数が減少に転じたのは、2018年度以来3年ぶりとなります。
静岡県内で起きた高齢者虐待の総数428件のうち、大半の409件が家族からの虐待が占めています。介護施設の職員などによる虐待は19件でした。
虐待を種類別に分類してみると、高齢者を殴ったり身体の自由を制限したりするなどの「身体的虐待」が65.2%で最多。高齢者を侮辱したり言葉で脅したりするなどの「心理的虐待」が35%、食事を与えないなどの「介護や世話の放棄(ネグレクト)」が30%でした。
前年度と比較すると全体的には件数が減っていますが、ネグレクトの件数は前年度より増えていることも明らかになりました。
今回の調査により、家族などから虐待を受けた高齢者を、虐待した人から離した事例が32.8%あったことも明らかに。虐待した家族などから離された高齢者への対応は、介護保険を利用して高齢者施設に送ったケースが半数を占めました。
虐待が発覚しても虐待した家族と高齢者が一緒に住み続ける場合は、家族に対して助言をしたりケアプランを見直したりといった対応策が取られたこともわかりました。
静岡県の福祉長寿政策課は、虐待の背景には介護疲れや孤立感があることが多いと指摘しています。
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