以下の記事で、認知症の新たな治療薬「レカネマブ」がアメリカで承認されたことを伝えました。今回はその続報です。
2023年1月16日、製薬会社エーザイは、認知症の治療薬「レカネマブ」を厚生労働省に国内での製造・販売の承認を申請したことを明らかにしました。
「レカネマブ」は、エーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンが共同で開発した新薬です。
認知症の新たな治療薬「レカネマブ」は、アルツハイマー型認知症の原因とされる異常なタンパク質を脳内から取り除く作用があります。
症状を一時的に抑えるしかなかった今までの治療薬と異なり、「レカネマブ」は原因物質に直接作用するため、長期的に認知症の進行を抑える効果が期待されているのです。
エーザイは、東京大学やイェール大学とともにアルツハイマー型認知症の早期患者およそ1800人を対象にした臨床試験を実施。2週間に1回、1年半にかけて対象者に「レカネマブ」を投与しました。
その結果、「レカネマブ」が認知症の進行を27%遅らせることが判明。これは、症状の進行を7ヵ月半遅らせることを意味します。
一方、すでに進行した病状を改善することはできないため、早期の認知症患者でなければ効果は薄いとされています。
また、医療関係者によると、脳浮腫や脳出血などの副作用も一部で報告されているため、「レカネマブ」を投与する対象は慎重に選ぶ必要があると言います。
1月16日、エーザイは薬の審査や承認などをおこなう厚生労働省管轄の「医薬品医療機器総合機構」に「レカネマブ」製造と販売の承認を申請したことを発表しました。
アメリカではすでに承認を受けていて、ヨーロッパでも1月11日に申請を終えています。エーザイは、国内について2023年中の承認を目指したいとしています。
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