筑波大学は、軽度認知障がい(MCI)を発症している人の新しい検査方法を開発したと発表しました。
新たな方法には、任天堂のゲームコントローラー「バランスWiiボード」を使用。認知機能と関係があるとされるバランス能力を測定することで、対象者の認知機能を測ることに成功したとしています。
この研究は、筑波大学医学医療系に所属する矢作直也准教授などの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「BMC Geriatrics」という学術誌に掲載されています。
そもそも、軽度認知障がい(MCI)とはどのような疾患なのでしょうか?
軽度認知障がいは、健常者と認知症の中間にあたる段階のこと。記憶力や実行力、論理的に考える能力などといった認知機能の一部に問題が生じてしまうのです。ただし、程度は軽いため、日常生活は今までと同じように送れます。
また、この段階で適切なケアをおこなうことで、次の段階である認知症を予防できる可能性が高まると言われています。
今回の研究にあたって、筑波大学は日常生活に支障のない健康なボランティアをウェブサイトなどで募集。56~75歳の被験者49人が研究に参加しました。
また、研究グループは、「バランスを取るためにどれだけ視覚に依存しているか」を測定する指標「VPS」を新しく開発。計測器の上に立てる人であれば誰でも5分程度で「VPS」を測定できるそうです。
なお、今回、計測器にはゲームコントローラーの「バランスWiiボード」を使用しました。
臨床試験の結果、注意力や記憶力などを測る認知テストの点数とバランス能力を測るVPSの値が、負の関係があることが確認されました。認知機能障がいと診断された16人はそうでない33人に比べて、視覚に頼ってバランスを取っているということがわかったのです。
要するに、認知機能障がいの人はバランス能力が低いことが明らかになったのです。
このシステムが普及すれば、軽度認知障がいを早期に発見し、認知症になる前に適切なケアがおこなえるようになります。認知症を予防するためにも、この研究がさらに進んでくれると良いですね。
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