新たな研究で、社会的な孤立状態にある人はそうでない人に比べて、アルツハイマー型認知症を発症するリスクが高まる可能性が示されました。
この研究は、カナダのマギル大学によっておこなわれ、その研究結果は「PLOS ONE」という学術誌に掲載されています。
研究グループは、今回の研究にあたってイギリスの大規模医療データベース「UKバイオバンク」と、カナダでおこなわれている加齢に関する大規模研究「CLSAコホート」のデータを用いることにしました。
また、「UKバイオバンク」に参加した50万2506人と、「CLSAコホート」に参加した3万97人を対象者に設定しました。
対象者に対し、「孤独だと感じる頻度はどれくらいか」、「悩みを打ち明けられる人はいるか」などの質問をおこない、社会的な孤立度を評価。それから、認知症のリスク因子と照らし合わせて結果を分析しました。
研究の結果、社会的に孤立していたり周囲からのサポートが少なかったりする人は、そうでない人に比べて喫煙・飲酒量が多く、運動量は少ない傾向にあることが判明。また、睡眠障がいや聴覚障がい、糖尿病を患っている人の割合も多い傾向にあることがわかりました。
いずれも、認知症を発症する原因のひとつだと考えられています。つまり、社会的な孤立を感じている人は、認知症を引き起こしやすい生活習慣になっている傾向にあることが明らかになったのです。
さらに、社会的に孤立している人は、心筋梗塞などの心血管疾患やうつ病の発症リスクも高まる可能性がこの研究の中で示されました。
以上の結果を受けて、研究グループは「多くの認知症のリスク因子が、社会的孤独と関連している可能性が示された。孤独を感じている人に対して社会的な介入をおこなうことで、認知症発症を抑制できるのではないか」と指摘しました。
年齢を重ねると家族との死別なども増え、孤独な状態になる高齢者も少なくありません。地域の高齢者が孤独を感じずに済むように、周りの人から声をかけてみると良いかもしれませんね。
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