新たな研究で、65歳以上の女性が早歩きなどの活発な運動をおこなうと、認知症や認知症の前段階とされる軽度認知障がいを発症するリスクが減少する可能性が示されました。
この研究はアメリカのカリフォルニア大学によっておこなわれ、その研究結果は「Alzheimer’s & Dementia」という医学誌に掲載されています。
これまでにも、運動習慣と認知症発症の関係を調べる研究はおこなわれてきましたが、そのほとんどが対象者の自己申告による情報に基づいたものでした。つまり、毎日の身体活動を実際に測定して、認知機能との関係を調べた大規模調査はほとんどなかったのです。
そこで研究グループは、アメリカ国立衛生研究所によっておこなわれている大規模研究「女性の健康イニシアチブ」に参加した女性1277人のデータを解析。実際に活動量を計測する装置を装着してもらって、最大7日間の身体活動を計測し、その結果と認知機能の低下具合を照らし合わせました。
研究の結果、対象者の1日の平均歩数は3216歩だったことが判明。また、家事やウォーキングなどの軽度の身体活動にあてた時間の平均は276分、中等度から高等度の身体活動にあてた時間は45.5分だったこともわかりました。
そこから、早歩きなどの活発な運動を1日に30分程度追加すると、軽度認知障がいや認知症の発症リスクが21%減少することが判明したのです。また、毎日の歩数が1865歩増えるごとに、軽度認知障がいや認知症の発症リスクが33%低下することも明らかになりました。
この結果を受けて、カリフォルニア大学公衆衛生・人間長寿科学部の研究員であるスティーブン・グエン氏は「高齢女性の軽度認知障がいや認知症の発症リスクを抑えるためには、中等度以上の活発な運動が必要なことがわかった。今後、男性も含めた大規模で多様な集団を対象にさらなる研究を進めていきたい」としています。
中等度以上の運動は、早歩きや階段の上り下り、登山など軽く息が切れるくらいのものを指します。適度な運動を心がけて、健康に過ごしていきたいですね。
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