さまざまな分野の研究・調査をおこなっているニッセイ基礎研究所が、高齢者の免許返納率の推移に関する研究を発表。運転免許証を自主的に返納する高齢者は、2019年のピークに減少を続けていることがわかりました。
そもそも運転免許の自主返納制度とは、運転免許が不要になった人や加齢などで運転が難しくなった人が、自主的に運転免許の取り消しを申請する制度のこと。高齢ドライバーによる事故を防ぐために、身体機能の衰えを自覚している高齢者は、免許証の返納が推奨されています。
警察庁の統計によると、2022年における運転免許証の自主返納者数は44万8476人。前年より6万8564人減少しました。また、このうち75歳以上は27万3206人で、こちらも前年より5579人減少したことがわかりました。
運転免許証の自主返納者数は、60万人にも上った2019年をピークに減少の一途をたどっています。これについて、ニッセイ基礎研究所の研究員は「新型コロナによる影響で、密になりにくい自動車を手放さなくなった可能性や、重症化しやすい高齢者が外出しづらくなった可能性が考えられます。」と指摘しました。
また、ニッセイ基礎研究所はウィズコロナやアフターコロナにおける人々の行動を予測することを目的に、「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」を2020年6月から定期的に実施しています。
全国に住む20~74歳の人を対象に、感染拡大前と比べた行動の変化を調査したところ、「電車やバスでの移動が(やや)減少した」と回答した人が、2023年3月時点で約5~6割程度だったことが判明。特に、65歳以上の高齢者では、およそ7割の人が「電車やバスでの移動が(やや)減少した」と回答したことが明らかになりました。
一方、自家用車で移動する機会が増えた人の割合は増加傾向。65歳以上の高齢者では、3割以上の人が「自家用車での移動が(やや)増えた」と回答していたことがわかりました。
重症化しやすい高齢者は、公共交通機関を利用するよりも自家用車の方が、新型コロナの感染リスクを抑えられるのは事実。ただ、身体機能が低下していて事故につながる可能性も否定できません。
特に、周囲を見渡すのに大切な視力は、事故を未然に防ぐために定期的に眼科で検査しておくと良いかもしれませんね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。