財務省では2023年5月11日、専門家が集まる諮問委員会を開催。そこで、要介護1と2の高齢者への訪問介護や通所介護を、市町村が運営する「日常生活支援総合事業(通称:総合事業)」に移行する構想の具体化を、改めて訴えました。
この構想については、以前から何度も議題に挙がっているのですが、反発も多く、2024年度からの実行を見合わせた経緯があります。
Contents
そもそも「総合事業」とはどのような事業なのでしょうか?
総合事業とは、これまでは要支援に該当している人を対象に実施され、高齢者が自立した生活を続けられるように支援することを目的とした事業です。
上限がない介護給付と異なり、総合事業の予算には上限があるため、政府が支出をコントロールしやすいというメリットがあります。
しかし、総合事業の中核を担う人は、介護の経験が浅いボランティアがほとんど。要介護1や2に該当している高齢者は認知症の人も多く、彼らが適切なケアを受けられなくなるリスクが指摘されていますました。
2023年5月11日、財務制度等審議会の財務制度分科会がおこなわれ、今後の社会保障制度の改革について話し合われました。
そのときの議題のひとつとして挙げられたのが、要介護1・2の人の訪問介護や通所介護を総合事業に移行させるという案でした。
委員からは「今後も、介護サービスの需要の大幅な増加が見込まれる中で支援を継続していくためには、地域の実情に合わせて多様な人材や資源の活用を図るべきだ」「段階的にでも、効果的・効率的なサービス提供を可能にすべきだ」などと、総合事業への移管を要請する声が相次ぎました。
要介護1や2の人の中には、足腰はしっかりしていても認知機能が大きく低下していて、簡単な会話もが難しい人がもいます。高齢者が適切なケアを受けられる環境を守るためにも、介護現場の意見も聞きながら調整していってほしいですね。
参考:「財務制度等審議会財務制度分科会資料 財政各論③:こども・高齢化等」(財務省)
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面など様々な方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。