2023年8月30日、厚生労働省の諮問委員会である社会保障審議会介護給付費部会が開かれ、デイサービスのような通所介護と訪問介護を組み合わせた新たな複合型サービスの創設に関する議論がおこなわれました。
新たな複合型サービスの創設は、以前から度々話し合われていたものの、委員からは「必要性を感じない」など否定的な意見も根強く、議論が見送られた経緯があります。
訪問介護と通所介護を組み合わせたサービスの創設を提案した厚生労働省は、今回の会合でそれを検討する意義について改めて説明しました。厚生労働省が列挙した、複合型サービスの創設を検討する意義は以下のとおりです。
厚生労働省は、デイサービスなどの通所介護事業所の職員がホームヘルパーの仕事もできるようにすれば、人材をより有効に活用できるようになると説明しました。
今回の会合でも、新たな複合型サービスの構想そのものの意義を疑問視したり意義を唱えたりする声が相次ぎました。
日本経団連の理事を務める井上隆氏は「なぜ新たなサービスが必要なのか。事業所間の連携を深めれば済むのではないか」と構想を疑問視。また、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は「ただでさえ制度が複雑だと言われている中で、さらに複雑化させるのは反対。複合型サービスを創設しなければ現場が成り立たないエビデンスも存在しない」と反論を示しました。
一方、「サービスの効率化や人材の有効活用など、うまくいけばプラスに働く側面もある」「複合型サービスを創設すれば、人材の有効活用や柔軟な対応が可能になり、より質の高いサービスが期待できる」と複合型サービスの構想を評価する声も聞かれました。
ただ、この構想が実現すると、よりスタッフの業務量が増えて介護の担い手が減ってしまうリスクも考えられます。抜本的に解決するためにも、まずは介護職員を増やすための施策を考えてもらいたいですね。
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