2024年1月9日、能登半島地震の被災地で支援活動をおこなっている災害派遣医療チーム「DMAT」は、被災した介護施設にいる高齢者の搬送を始めました。
1月10日時点でもなお停電や断水が続いている地域も少なくないため、より安全な場所に移ってもらうことで震災関連死を防ぐねらいがあると言います。
2024年1月1日、能登半島を中心に、最大震度7の巨大地震が発生しました。今もなお震災の影響が残されており、断水や停電が続く地域も少なくないと言います。
それを受けて、医師や看護師などの医療専門職と事務員で構成されている災害派遣医療チーム「DMAT」は1月9日、介護施設に入居している高齢者の搬送を開始。対象者は数百人に上るとみられています。
今回の活動の指揮を担っている神奈川県理事の阿南英明(藤沢市民病院副院長)氏によると、1月10日時点で高齢者施設から計200~300人程度の入居者の搬送要請があり、今後さらに増える見込みだそうです。
阿南氏は「命の危機が迫る高齢者を、ほかの施設にスムーズに受け入れてもらうためには、国や都道府県の協力が欠かせない」と話しています。
石川県七尾市のとある特別養護老人ホーム(特養)では、1月9~10日にかけて併設するグループを含むすべての入居者87人が、DMATや自衛隊の車両で別の高齢者施設に搬送されました。
この特養の建物は余震で倒壊する恐れがあったものの、認知症や寝たきりの高齢者が入居していたため、近隣の避難所には避難できなかったと言います。
特養の施設長は「停電のため、施設内で暖房が使える部屋は大広間のみだった。食事も最低限しか提供できなかった。今、全員が避難できてほっとしている」と話しているそうです。
体温や血圧などの調節機能が衰えがちな高齢者が安全に過ごすためには、暖房などの空調設備が欠かせません。被害を最小限に防ぐためにも、一刻も早い支援が必要になりそうです。
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