介護現場でもオンライン会議が普通に?実地指導の効率化を求める
更新日
2022/01/27
社会保障審議会の介護現場の効率化を検討する専門委員会で、自治体が介護事業所に対しておこなっている「実地指導」の変更案が提示されました。
実地指導とは、自治体の担当者が介護事業所に訪問し、適切な介護サービスを提供しているかを確認するものです。
今回の委員会では、
実地指導の効率化を目的に、所要時間の短縮や手続きなどのICT化、一部の指導内容をオンライン会議ツールでおこなうことなどが提案されました。
厚生労働省は、これらの案をもとに自治体・介護事業所の双方の負担軽減につなげたいとしています。
効率化・生産性向上を目指して
今月20日、厚生省は介護現場の負担軽減に関する専門委員会を開催。提出書類などの効率化による、生産性向上のための取り組みを話し合いました。
その中で実地指導については、実地指導の前に
自治体へ提出する書類の簡素化や、オンライン会議ツールの導入などが提案されました。
加えて、実地指導の内容を以下の3点に明確化する見通しです。
- 介護サービスの実施状況指導
- 最低基準等運営体制指導
- 報酬請求指導
そして、
2と3の指導内容については、現地でなくても指導できる内容のためオンライン会議での実施でも良いとするとのこと。感染拡大のため、
特例的にオンライン会議ツールを使用したことはあったものの、正式に導入が認められるのは初めてのことです。
また、他にも
所用時間の短縮や、同一所在地にある事業所へは同時に指導をおこなうことなども提案されています。
ICT導入への意識が高まる
今回の提案には、自治体と事業所の連携に積極的にICTを活用することが盛り込まれています。
このICTの活用について「国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター」が、全国の自治体に調査をおこなっています。それによると、
2017年はICTの活用に対して自治体の約半数が否定的でしたが、2021年には9割が肯定的な回答をしたという結果になったそうです。
この調査結果は、この数年の間にICT活用が一般的になってきたことに加えて、感染拡大による影響もあるのかもしれません。
特に
実地指導については、緊急事態宣言などを受けて延期するなど、通常通りの運用ができていない実情がありました。また、介護事業所は外部の人との接触に特に神経質になっているため、オンラインツールの使用や、web上で手続きを完結させることなどの要望があったのかもしれません。
そういった現状を踏まえて、この数年で自治体としてもICT導入への姿勢を変えざるを得なかったと考えられます。
どうやら自治体もICTへの意識が高まっているようです。ようやく自治体や介護現場にも、本格的なICTの波がくるのかもしれませんね。
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