訪問介護サービス利用時における悩ましい事件が、また発生してしまいました。事件の概要は以下の通りです。
訪問先の高齢者宅で、利用者の女性のキャッシュカードを使って現金約600万円を引き出したとして、大阪府門真市の介護福祉士・栗栖翔吾容疑者(30)が窃盗の疑いで逮捕されました。
栗栖容疑者は「ギャンブルで遊ぶ金が欲しかった」と答えているようです。
栗栖容疑者は2015年頃からこの女性の訪問介護を担当しており、週に2回、訪問して介護サービスを提供していたそうです。
女性はかねてより足腰の具合が良くなく、一人での外出に不安があったとか。そのため、女性に代わって栗栖容疑者が銀行ATMに行き現金を引き出すこともあったと言います。
老人ホームなど介護施設でも事件や問題が起こるたびに、「また介護か…」といった声も聞こえてくるようになってしまった昨今。もちろんですが、“介護”とひとくくりにしてこうした問題を見られては、たまったものじゃありませんよね。
こうした現状には、介護事業に携わる関係者からも「何もしてないのに『盗ったんじゃないか』と疑われることが増えた」「真面目に介護の仕事をしている人にとって、はなはだ迷惑な話だ」といった言葉も聞かれます。
そもそもですが、本来は銀行での預金の引き出しは介護保険上のサービスでは認められていません。範囲を超えた行為であり、その点でもそもそも問題があったのです(犯罪行為を犯すくらいなので、軽く無視されたのでしょうが)。
ひとつ言えることは、「銀行での預金の引き出しは介護保険上のサービスでは認められていない」という点について、家族をはじめ社会も認識しておく必要もある、ということでしょうか。
家族が知っていれば、「訪問介護スタッフに預金の引き出しを依頼した」という話を聞いたら止めさせることもできるはずです。
介護サービスは確かに必要な社会保障であり、保険料さえ支払っていれば誰でも使えるものです。だからこそ、そのサービス内容をきちんと把握して、適切に、正しく利用しなければなりません。
今回の事件を通して改めて、その必要性も問われています(本来はまったく不要なはずなのですが!)。
▼介護サービスについて以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
https://e-nursingcare.com/guide/homecare/type_homecare/home-visit-care/
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