特別養護老人ホームやグループホームなどの経営者で組織する3つの団体が、新型コロナの3回目ワクチン接種についての調査をおこないました。
その結果、約43%の施設が入居者・職員の接種を完了していないという回答でした。
そのため、3団体は「接種券の到着を待つことなく、ワクチン接種の調整をおこなってほしい」と施設に訴えかけています。
全国老人保健施設協会、全国老人福祉施設協議会、日本認知症グループホーム協会の3団体は、介護施設に新型コロナのワクチン3回目接種についての調査を実施しました。
この調査の対象となったのは、全国の特養や老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなどの施設です。そのなかで回答が集まったのは、5829施設でした。
それによると、「入所者・職員ともに追加接種を完了していない」と回答したのは約43%。「入所者・職員のどちらかが完了していない」は約15%という結果で、これらをあわせると60%近い施設がまだ追加接種を終えていないことになります。
追加接種が完了していない理由については「追加接種のワクチンが今後届くため」が最も多く約27%という結果に。そして「接種券がそろってから対応しようと考えていた」が約24%、「2回目接種から6ヵ月経過していない」という施設は約16%あることがわかりました。
また、ワクチンの接種券に関しては「接種券なしで接種できることを知らなかった」という回答が約10%もありました。
この結果を受けて「接種券なしでもワクチンを打てるということをアピールし、施設側へ働きかけていただきたい」と全老健が全国の自治体に訴えかけています。
また「政府には、2回目の接種から6ヵ月が経っていなくても、3回目の接種ができるようにしてほしい」とも述べています。
今回の調査の結果から、介護施設でのワクチンの追加接種があまり進んでいない状況であることがわかります。
その理由のひとつは、接種券の到着時期が各自治体によって異なることがあります。というのも介護施設の入居者は、施設がある市区町村に必ずしも住民票を移しているわけではありません。
そのため、接種券の到着は入居者によってバラバラ。接種券が到着する度に対応するのが施設にとって負担だと感じているのでしょう。それで、入居者すべての接種券がそろってから対応しようと考えている施設があるのかもしれません。
全老健も「3回目の接種を待っているうちにクラスターが発生した施設もある」と話しています。ワクチンや医療人材の手配も大変かもしれませんが、一刻も早く追加接種ができる体制が整ってほしいですね。
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