自動車運転免許を返納する高齢者が増加傾向にあります。2020年は新型コロナウイルスの拡大の影響で減少していますが、それ以前は自主返納者数が年々増えていたことから、返納しようと考えている人は増えていると言って良いでしょう。
運転免許を返納した人が車の代わりに利用する交通手段のひとつに、自転車があります。最近では電動アシスト自転車などもあり、坂道も楽に移動できると人気です。
その一方で、自転車がからむ事故の高齢者の割合は増加。それを受けて、全国の自治体ではさまざまな対策をしています。
Contents
兵庫県警高砂署では、「市内で起きた自転車がからむ死亡事故のうち6割が65歳以上」という状況を受けて、事故防止の啓発グッズを街頭で配布しました。
新型コロナ拡大の前は、シルバー人材センターや高齢者大学などで安全教室を開催していました。しかし、感染拡大前の2019年は参加者が2608人だったのに対し、2021年は905人まで減少。大勢を1ヵ所に集める安全教室は難しいと判断して、昨年夏以降は開催できていません。
そのため、現在は定期的に街頭で啓発グッズを配るだけにとどめているそうです。
このように交通安全教室の開催を自粛する自治体がある一方で、交通事故の死亡者数が全国最多の神奈川県では、スタントマンによる交通安全教室が開催されました。
昨年末に安全教室が開催されたのは、神奈川県横浜市旭区にある公園。スタントマンが自転車に乗って事故をリアルに再現しました。
それによると、高齢になると身体機能の低下によって障害物を避けきれずに転倒事故が起きることもあるそう。そういった高齢者ならではの事故を再現することで、住民が安全意識を高める教室となりました。
神奈川県は交通事故の死者数が全国ワーストなうえ、旭区は自転車やバイクなどの事故が多いとのこと。そうした状況を受けて、交通安全教室を開催したようです。
高齢者が自転車に乗っている際に起きる事故には、高齢者ならではの特徴があるようです。
それは、若い世代に比べて身体機能や判断力が落ちていること。障害物に気付くのが遅れてよけきれない可能性が高くなります。
また、段差でバランスをくずしたり側溝などに落ちて転倒するケースも。転倒して頭を打って亡くなるという事故も起こっています。
運転に不安を覚えて自動車免許を返納する高齢者が増えていますが、高齢者ならではのリスクがあるのは自転車も変わりません。
ヘルメットの着用や反射材の利用などの安全対策と並行して、公共交通機関の利用も検討していくと良いのかもしれませんね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。