今、シニアの就労が注目されています。
というのも、昨年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」では、70歳までの定年の引き上げや、継続雇用制度などをおこなう努力義務が新設されました。
また、介護や支援を必要としていない65歳以上の高齢者が8割以上という調査結果もあり、元気なシニアの活動が注目されているのです。
そうした元気なシニアの就労を支援するサービスに、「GBER(ジーバー)」というアプリがあります。
これは、働きたいシニアと人手が欲しい企業をつなげるマッチングアプリ。世田谷区が昨年導入し、来月からは福井県で本格的に稼働を始めるそうです。
Contents
東大が開発した、元気なシニアと働き手を求める企業をつなぐアプリ「GBER」が複数の自治体で採用され、昨年や今年から立て続けに本格導入が進められています。
このアプリは、人手を求める企業が登録した求人をアプリが求職者に合わせて自動でおすすめしてくれるもの。シニアはこれまでのスキルや予定、希望エリアなどを登録することで、より自分に合った仕事を見つけやすくなる仕組みです。
もちろん、これまでもシニアの就労を支援するサービスはありました。
しかし、そのうちのひとつのシルバー人材センターでの業務は、軽作業がメインであるためシニアの就労意欲をかきたてるものにはなっていませんでした。60歳以上の加入率は2%程度にとどまっているそうです。
さらに、ハローワークでもシニア向けの求人を扱っていますが、フルタイムでの雇用を前提としているためシニアには業務が重く、求めるものに合致していないという問題があります。
この「シニアが仕事に求めているもの」というのは、現役世代と異なっていることが多いそう。シニアの多くは、「家の近く」「短時間」「やりがい」に一致する仕事を探している傾向があり、求人が限られるうえに企業側としては受け入れにくいのが実情のようです。
そこでGBERは、チーム単位で仕事を請け負うことで問題を解決。1人分の仕事を複数人で担当することで、企業の人手不足も解消し、シニアとしても都合の良い時間帯で働けるそうです。
GBERはまだごく一部の自治体で導入される段階ですが、今後はさらに注目されるかもしれません。
ちなみに、このアプリは仕事を見つけるだけでなく、地域の高齢者同士のつながりを強くする狙いもあるそう。災害時に孤立しやすい高齢者が、平時から高齢者同士や企業とつながっていることで、非常時にスムーズに連携をとれるようになることも目的のひとつとのことです。
とはいえ、始まったばかりのサービスなので求人数はまだまだ少ないのが現状。今後の拡大に期待できるサービスですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。