介護現場の人手不足が慢性化しているなか、自治体としてこの問題の解決に取り組んでいる県があります。
それは三重県。三重県では2015年から元気な高齢者を介護助手として雇用する施設を支援しています。
そこで、東京都健康長寿医療センターがこの取り組みの効果を調査しました。その結果、元気な高齢者を介護助手として雇用している施設では、介護職員の負担が軽減されているのに加えて、雇用された高齢者が自分の健康維持につながっていると感じていることがわかりました。
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東京都健康長寿医療センターは、三重県でおこなわれている元気な高齢者を介護助手として雇用する取り組みに参加している施設について調査しました。
この取り組みは2015年からおこなわれているもので、「元気高齢者による介護助手モデル事業」と呼ばれています。
具体的には、ベッドメイクやシーツ交換、レクレーションの補助といった周辺業務を地域の元気な高齢者が担当。働く意欲のある高齢者と人手不足に悩む施設を結びつけることで、高齢者に介護業界の担い手になってもらうことを目的としています。
今回の調査では、実際に高齢者を介護助手として雇用している施設の介護職員や、介護助手の高齢者にアンケートをおこないました。
その結果、約87%の施設が「業務量が軽減した」と回答。続いて約71%が「介護業務の効率性が向上した」と答えており、介護助手の存在が介護職員の負担軽減につながっていることがわかりました。
さらに、介護職員の仕事に対する疲労感も調査。介護助手が多く雇用されているほど、疲労感が少ない結果になったそうです。
また介護助手の高齢者は、自分の仕事が介護職員や入居者のためになっていることを感じており、自分自身の健康維持にも役立っていると感じていることがわかりました。
元気な高齢者が介護施設で活躍することは、介護職員にも入居者にも、そして働く本人にもメリットがあるようですね。
また、介護助手を雇用することでケアに集中できるので、介護職の専門職化がしやすくなります。そうなれば、介護職員が自分の将来のキャリアを描きやすくなるため、職種としての魅力がアップする可能性もあります。
それによって「介護職員になりたい」と思う人が増えることもあるかもしれませんね。
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