「未届け老人ホーム」という言葉を聞いたことがありますか。
これは、有料老人ホームに義務付けされている都道府県への届出をしておらず、無許可で営業している老人ホームのことです。
この未届け老人ホームについて、厚生労働省が昨年度の調査結果を公表。その結果、2021年は656件で2020年よりも増加したことがわかりました。
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厚生省が未届け老人ホームについての2021年の調査結果を公表しました。
未届け老人ホームは、義務である都道府県などへの届出を出さずに運営されている老人ホームのこと。高齢者が生活しており、食事やケアを提供しているなどの老人ホームとしての運営実態があるのにも関わらず運営しているため、法令違反にあたります。
今回の調査結果によると、2021年6月末時点では未届け老人ホームは656件で老人ホーム全体のなかの4.1%でした。対して2020年6月末時点の未届け老人ホームは641件、全体の4.2%となり、件数は前年よりも増加しているものの割合は減少していることがわかりました。
この結果を受けて厚生省は、各都道府県などに未届け老人ホームの実態把握や指導など運営状況の改善を引き続き監督するように求めました。
こうした未届け老人ホームが減らないのには「未届けでも入居者が集まる」「基準を満たすための費用がない」という理由があります。
ひとつめの理由は、未届け老人ホームは費用が安い傾向があるため低価格の施設を探している人の受け皿になっているということ。特養に入居できないため仕方なく入居していたり、未届け老人ホームの価格でないと経済的に入居できない人がいるのです。
ふたつめの理由に当てはまる施設の多くが、現在のような規制がない時代から運営されている施設。スプリンクラーや廊下の広さなどの基準を満たしていないものの、改修工事の費用がないためにやむを得ず届出を出していない施設もあるそうです。
未届け老人ホームは行政指導の対象にならないため、なかには劣悪な環境で入居者が暮らしていることも。例えば、ベッドに入居者をしばりつけたり入居者の財産を勝手に施設側が管理するなどの虐待行為があっても、行政が気が付きにくいという問題があります。
未届け老人ホームにはこうした問題がある一方で、未届け老人ホームのように安い施設でないと経済的に入居できない人がいることも事実。そのため、費用負担が少なくても入れる介護施設を増やすことが求められています。
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