認知症の行方不明者数が8年連続で過去最多となっています。
2020年の認知症もしくは認知症の疑いで行方不明の届け出があったのは、1万7565人。前年よりも86人の増加となりました。
こうしたことを受けて、東京都健康長寿医療センターは「認知症による行方不明-いのちを守るために必要なこと-」という啓発パンフレットを作成。高齢者の行方不明の現状や、その対策などを紹介しています。
東京都健康長寿医療センターは、「認知症による行方不明-いのちを守るために必要なこと-」というパンフレットを作成し、高齢者の行方不明の実態とその対策について紹介しています。
「認知症の人の行方不明」というと、中度から重度の認知症の人が行方不明になるイメージがありますが、認知機能の低下がない人や軽度の認知症の人も行方不明になっているそうです。
例えば、同センターが行方不明者の家族にしたアンケートによると、「認知機能の障害なし」「非常に軽度の認知機能の低下」「軽度の認知機能の低下」の状態の人はあわせて約20%。周囲から見て、認知機能の低下が軽度だったり認知症とは思えない人でも行方不明になっています。
また、行方不明者の死亡原因で最も多いのは、溺死の約40%。その次は低体温症の約35%、事故の約15%と続いています。
この結果に、同センターは「なぜおぼれて亡くなる人が最も多いのかはわからない」としつつも、重度の認知機能の低下が起きている場合は危険に対する回避能力も低下しているためと分析しています。
このようなことから、高齢者がいる家庭では事前の対策が重要。「軽度の認知症や認知症とは思えない人でも行方不明になる可能性がある」「行方不明はいつ発生するかわからないことを意識しておく必要がある」と同センターは伝えています。
具体的には、役所や地域包括支援センター、主治医などに相談すること。万が一、行方不明になった場合は、行方不明者届の提出、役所や地域包括支援センターへの連絡などできる手をすべて打つことが重要です。
認知症の人の家族は、行方不明になったことを恥ずかしいと感じて自分たちだけで探そうする人もいるそう。しかし、行方不明になったら事態は一刻を争うため、警察などへの連絡をすぐにおこなってできるだけ多くの人に協力を求めるのが大切とのことです。
また、行方不明がいつ発生するかは予想できません。「認知症といっても軽いから」「うちは大丈夫」と油断せずに、対策をしておくことも重要みたいですね。
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