「オールドニュータウン」という言葉を聞いたことがありますか。
これは、1960年代~1980年代にかけて開発された都市部郊外のベッドタウンが、住民の高齢化や建物の老朽化が起きている状況のこと。人口減少や商店の撤退などの問題が発生している地域が多くあります。
そのなかのひとつである大阪府池田市の伏尾台エリアでは、住民の約45%が高齢者となり移動手段の確保が緊急の課題。そこで、住民が主体となって「らくらく送迎」という無料送迎サービスを開始しました。
池田市の伏尾台エリアの住民団体、ほそごう地域コミュニティ推進協議会が「らくらく送迎」という無料送迎サービスを開始しました
これはもともと池田市がおこなった実証実験から始まったサービス。住民から「自家用車を使って住民を送迎できないか」と市が相談を受けたことが発端になったそうです。
そこで市は、1回250円で自宅から地域の中心地である「伏尾台センター」までの送迎サービスを開始。伏尾台センターからは複数のバスが出ているため、駅や病院へ行く際はここからバスへ乗り換えます。
この実証実験の終了後、住民からの要望を受けてほそごう地域コミュニティ推進協議会では無料でサービスを継続することに。このエリアは駅から離れているうえに坂道が多いため、高齢者からの継続の希望が多かったそうです。
しかし、このサービスは利用しているのも運営しているのも高齢者。ボランティアのドライバーの平均年齢は75歳で、送迎の予約電話を受け付けているのも高齢の住民ボランティアのため、今後のサービスの継続が難しいのが現状です。
そこで、車を定期周回させて予約なしでも利用できる仕組みや、協議会の収入を増やしてドライバーに賃金を支払えるシステムを構築するなどサービス継続のために模索しているそうです。
多くの地域で、高齢者が使いやすい移動手段の確保が求められています。
その多くは自治体や民間企業が主体となっているもので、住民が主体となっているサービスはあまりありません。住民主体のため、どうしても運営の担い手がボランティアに頼らざるを得ず、ボランティアを確保できなければサービスの継続が難しいのが課題となります。
こうした高齢者の移動手段の確保は、全国で問題になっていること。そのため、どこかの地域で上手くサービスを展開できれば、それがモデルケースとなってより良いサービスの安定提供につながるかもしれませんね。
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