ニュースなどで「介護疲れ」「介護うつ」といった言葉を耳にすることが多くなりました。
家族の介護に疲れた気持ちをためこんでしまうと、虐待や殺人を犯してしまうことも。そのため、行政・介護サービスを利用したり息抜きをしたりすることが大切です。
そうした家族の介護に苦労する人が疲れを癒せるように、イギリスでは介護者が無料でホテルやコテージに宿泊できるプロジェクトが開始。介護者がリフレッシュしている間は、連携するボランティアが介護をされる人のケアをおこなうそうです。
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イギリスの慈善団体「Carefree」が、家族などの介護をおこなう人が無料で宿泊施設に泊まれるプロジェクトを開始しました。
このプロジェクトを利用できるのは、18歳以上で日常的に介護をしている人。週30時間以上、報酬なしで親や兄弟などの家族を介護している人が介護をされる人から離れるために、宿泊施設を2~7泊を利用できます。
利用できる宿泊施設は、ホテルとコテージの2種類。ホテルには介護者本人と同伴者1名、コテージにはそれに加えて子ども2名まで無料で宿泊できます。
もちろん、介護されている人は同伴不可。介護者がケアのことを忘れてリフレッシュするための期間なので、世話をされている人は一緒に宿泊することはできません。ただ、宿泊期間中はプロジェクトのボランティアが介護をおこなうので、安心して休息できるような環境が整っているそうです。
この取り組みの背景には、1990年代からイギリスで家族などの介護を無給でおこなう「無給ケアワーカー」の存在が知られるようになったことがあります。現在、世界に先駆けて社会的な支援が実施されているものの、国内880万人の無給ケアワーカーが5年近くも1度も休暇を取れていないことが問題になっています。
そこで、空いているホテルやコテージを活用して無給ケアワーカーが休暇を取りやすい環境を提供。宿泊施設の空室問題も同時に解決できるとあって、提携施設数は徐々に増加しており、サービスを利用した介護者は1000人を超えたそうです。
世界一の長寿国である日本ですが、介護者への支援が充実しているとは言えないのが現状です。
現在、感染拡大の影響で、日本でも宿泊施設の空室が問題になっています。そこで、このイギリスのプロジェクトのように空室を利用して、介護者の休暇を促進する取り組みがあっても良いのではないでしょうか。
特に近年、「介護疲れ」「介護うつ」などによる傷害事件や殺人事件が発生しています。誰もが気軽に「介護に疲れたから休む」という選択ができるように支援の充実が求められているのかもしれません。
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