厚生労働省の推計によると、2020年には630万人が発症しているとされる認知症。さらに、2040年には950万人、2060年には1150万人にまで増えるという予測も公表しています。
このような「認知症の人が増えていく」というこれまでの常識を覆す新しい研究結果が今回、発表されました。
それは、国立長寿医療研究センターが近年の研究を取りまとめて分析したもの。それによると、2010~2017年にかけて、認知機能障害が疑われる高齢者は男女ともに減っているそうです。
高齢者の健康に関わる研究をおこなっている国立長寿医療研究センターが、高齢者の認知機能ついての研究結果を公表しました。
この研究は、日本人の高齢者を対象とした複数の研究を取りまとめて分析したもの。各研究が2010年と2017年におこなった認知機能検査の点数を解析して、「認知機能障害を疑われる人」「認知機能が良好な人」の割合を比較しています。
その結果、2010年よりも2017年の点数の方が良いという結果に。認知機能障害が疑われる高齢者は男女ともに減少しました。さらに、認知機能が良好な高齢者の割合は、どの年代でも増加していました。
世界的な高齢化によって、認知症の人の数は増加するという予測がある一方で、認知症の患者数が今後、減少するという研究結果も報告されています。
例えば、東京大学が今年5月に明らかにした研究では、認知症の人は2043年には465 万人に減るとしています。ちなみに、2016年時点の認知症の人は510万人なので、高齢化が進むにも関わらず今から20年後には認知症の人が減る、という予測が出たのです。
これまで厚生労働省が明らかにしていた推計では、2040年には約1000万人まで増えると予想されていました。しかし、この数字は高齢者の健康状態や学歴が向上していること、年齢や性別などによって病気にかかる状況が大きく異なることについては考慮されていなかったそうです。
そこで、東京大学は近年の高齢者の健康状態などをシュミレーションして、新しい予測を実施。その結果、「高齢化の影響で認知症の人の数が増加する」という、これまでの常識を覆す結果になりました。
国立長寿医療研究センターや東京大学のような研究結果になったのは、多くの人が健康を意識するのが当たり前の時代になり、私たちの健康状態が向上したということもあるのかもしれませんね。
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