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老化による健康を阻害する要因のひとつである活性酸素。その働きを抑える効果のある抗酸化物質は、摂取すると身体に良いことを知っている人も多いのではないでしょうか。 その抗酸化物質の効果は、身体だけでなく脳にも良い影響があることがアメリカ神経学会が発表した研究によってわかりました。 その研究によると、抗酸化物質の血中濃度が高い人は認知症リスクが低下するそうです。 ニンジンで認知症予防? アメリカ神経学会が、認知機能の低下防止に対する抗酸化物質の効果についての研究結果を発表しました。 この研究は、45〜90歳の中高年の男女約7300人を対象におこなわれたもの。対象者の血液検査をして、ビタミンA、C、Eなど多数の抗酸化物質の血中濃度を測定しています。 その結果、「ルテイン」「ゼアキサンチン」などの抗酸化物質の血中濃度が高い人は、低い人に比べて認知症リスクが低いことが判明。抗酸化物質の量が増えるごとに認知症リスクは低下していたそうです。 このルテインやゼアキサンチンは、緑黄色野菜に多く含まれている物質。ニンジン、ホウレンソウ、カボチャ、ブロッコリー、ケールなどを食べることで摂取できる成分です。 研究グループは「抗酸化物質は、細胞にダメージを与える酸化ストレスから脳を保護するのに役立つ可能性がある」としています。ただ、生涯にわたる抗酸化物質の血中濃度を測定しているわけではないので、抗酸化物質の効果を確かめるために追加の研究が必要とのことです。 生活習慣病の予防にも 活性酸素の働きを抑える抗酸化は、もともと私たちの身体に備わっている機能ですが、加齢によってその効果が減少。活性酸素が多くなって処理しきれなくなってしまいます。 そうなると、がんや糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病を引き起こしてしまうのです。 そのため、活性酸素から身体の細胞を守るには食品から抗酸化物質を摂取することが重要。パプリカ、カボチャ、ホウレンソウなど身近な緑黄色野菜にも多く含まれていますが、なかには体内で生成されないものもあるので、定期的に摂取する必要があります。 身体の健康を守るためにも、脳の健康を守るためにも抗酸化物質をたくさん摂っておいた方が、いつまでも元気でいられそうですね。
2022/05/30
「会話が聞き取りにくくなった」「テレビの音が大きくなった」など、年齢を重ねて「耳が遠くなった」と感じることが多くなった人もいるのではないでしょうか。 しかし、それを年齢のせいにしてそのままにしておくと危険。というのも、加齢によって耳が遠くなる「加齢性難聴(老人性難聴)」の人は、生活が不便になるだけでなく、認知症などのリスクが上がったり社会活動への参加意欲が下がる可能性があるのです。 そこで、兵庫県では加齢性難聴と社会活動の関連性を調査。その調査の参加者を対象に補聴器の購入補助を始めるそうです。 難聴と社会活動への意欲の関係 兵庫県は、加齢性難聴によって社会活動に影響が出るのか調査をおこなうことを明らかにしました。 加齢性難聴は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」にある音を感じる細胞の数が減ったり細胞の機能が低下することで起こります。はじめに高い音から聞こえにくくなり、段々と人の話す言葉が聞き取りにくくなるという特徴があります。 今回の調査に至った背景には、加齢性難聴を持つ人の行動意欲の低下が指摘されていたため。耳が聞こえにくいことで人との会話が聞き取りにくくなり、コミュニケーションが面倒になって家にこもりがちになる可能性があります。 そこで、兵庫県は65歳以上の高齢者を対象に調査を実施。昨年5月~今年4月のボランティアや自治会、趣味・スポーツなどの参加日数、補聴器利用後の社会活動への参加意欲などのアンケート調査をおこないます。 また、来年1月には活動状況は参加意欲の変化を聞くアンケートを実施する予定です。 この調査のデータを集めるため、参加者には最大2万円の補聴器の購入費を補助。参加者は400人としており、補聴器の利用を進める医師の診断が必要です。 補助制度は一般的ではない 年を取ると誰もが耳が遠くなるものですが、それを放置しておくとさまざまな問題が起こることがわかっています。 そのひとつが認知症。中年期に難聴があると高齢になってからの認知症リスクが2倍になるという研究があるのです。 さらに、難聴によって抑うつ状態になることも。コミュニケーションが上手くいかなくなることで人との交流が減り、気持ちが落ち込んでしまうことが原因と考えられています。 まだ自治体などによる補聴器の購入に対する補助は一般的ではないのが現状ですが、今回の兵庫県の調査をきっかけに、補聴器を利用しやすくなることに期待したいですね。
2022/05/20
年齢を重ねても働く高齢者が増加しています。 今月16日の内閣府の調査によると、仕事で収入を得ている65歳以上の高齢者は約3割。仕事をやりがいに感じる人も多いため、政府として高齢者の就労を後押しする考えです。 また、今回の結果は政府が毎年公表している「高齢社会白書」の2022年版に盛り込まれる予定です。 生きがい・健康のために働く高齢者 今月16日、内閣府は高齢者の就労状況に関する調査結果を公表しました。 それによると、65歳以上の高齢者の30.2%が収入を伴う仕事に就いていることが判明。最も多かったのはパートなどの11.7%で、自営商工サービス業が5.2%、フルタイムが4.8%、会社役員が4.3%、自営農林漁業が4.1%という結果となりました。 2021年度の「高齢社会白書」によると、就業している65歳以上は労働力人口全体の約20%。働く高齢者は増加傾向にあるようです。 また、働いている高齢者の就業理由については、「収入がほしいから」が45.4%と最多。「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が23.5%、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから」が21.9%と続いています。 このように、生きがいや健康増進のために仕事をしている高齢者が約半数もいることから、高齢者の就業を後押しするそうです。 仕事をしないと、人とのつながりが減少 高齢者が働くのには、収入が増加する以外のメリットがあることがわかっています。 例えば、認知症予防。働いていない人の場合、地域の活動や趣味などの集まりに参加していないと交流する人の数が大きく減少して脳への刺激も少なくなります。すると、気持ちが落ち込んで自宅にこもりがちになったり認知機能が落ちることもあります。 さらに、こもりがちになることで筋力が落ちて身体機能が低下することも。そこから身の回りのことが自分1人ではできなくなり、要介護状態になってしまうこともあり得るのです。 老後の備えに余裕があると、わざわざ仕事をする気にはならないかもしれませんが、長く健康で生活するためにも、無理のない範囲で働いてみるのも良いのではないでしょうか。
2022/05/18
朝早くに目が覚めてしまうと目がさえて寝付けないのに、昼過ぎになると眠くなって昼寝をしてしまうことがある人もいるのではないでしょうか。 今回、睡眠状態が良くないと日中の活動に影響するだけでなく、脳にも悪影響があることが中国とイギリスの大学の研究によって明らかになりました。 その研究によると、中高年期の睡眠時間は7時間が最適で、それより多くても少なくても認知機能や記憶力に悪影響があるそうです。 最適な睡眠時間は7時間 中国の復旦大学とイギリスのケンブリッジ大学が、共同で睡眠時間の認知機能への影響に関する研究をおこない、その結果が発表されました。 この研究は、イギリスに住む38~73歳の約50万人の健康データを分析したもの。睡眠のパターンや精神の健康状態についてのアンケート、認知機能テスト、脳のスキャン検査の結果などをもとに調査をおこなっています。 その結果、最も認知機能テストのスコアが良かった睡眠時間は7時間。これより多くても少なくても注意力や記憶力、問題解決能力などの認知機能が低下していました。 さらに、うつ病などの精神的な健康状態が良かった睡眠時間も7時間という結果に。7時間より睡眠時間が長かったり短かったりすると不安やうつ病の症状が多くなっていたそうです。 加えて、睡眠時間にばらつきがないことも認知機能や精神的健康の維持に関係するそう。毎晩7時間の睡眠時間を確保することで、認知機能と精神的な健康を良好にすることにつながることもわかりました。 こうした結果になった理由として、深い睡眠が妨げられることが認知機能に影響していることが挙げられます。深い睡眠が妨げられることで記憶が定着しにくくなり、認知症の原因物質のアミロイドが脳に溜まりやすくなるそうです。 高齢者こそ睡眠時間の確保を なかには「現役世代は仕事や家事に影響が出るからきちんと眠っていたけど…」と、年を重ねてから睡眠をおざなりにしている人もいるかもしれません。 しかし、今回の調査をした研究者によると「良質な睡眠を取ることは、特に年齢を重ねるにつれて重要になる」とのこと。いつまでも元気で活動したいシニアにこそ、睡眠は大切な健康習慣と言えそうですね。
2022/05/17
世界保健機関(WHO)によると、世界の認知症患者の数は増加傾向。2030年までに現在の2倍の6570万人、2050年には3倍の1億1540万人にまで増えるとされています。 そのため、世界では認知症に関する研究が進められています。 例えば、アメリカのボストン大学の研究チームは「自然の多い環境が脳に良い影響を与えるのか」という調査を実施。その結果、緑地の多い地域に住む人は認知機能の低下が緩和されて、注意力などが高くなることがわかりました。 緑地は認知症予防に効果がある? ボストン大学の研究グループが、緑地の脳への影響についての研究を実施しました。 この研究は、女性の慢性疾患について調べた研究のデータを分析したもの。その研究データから抽出した女性約1万3600人(平均年齢61歳、98%が白人)を対象に、緑地と認知機能との関係を調べました。 研究チームは、対象女性の緑地に触れている頻度や認知機能といったデータに加えて、対象者の住まいの周辺に緑地や自然がどれだけあるのかを調査しています。 その結果、緑地の多い場所に住んでいる人は、大気汚染にさらされにくいこと、うつ病リスクが低いこと、身体活動の頻度が増えることが判明。こうした要因が、認知機能の向上に関係する可能性があるそうです。 さらに研究チームは、「うつ病は認知症リスクに関係する大きな要因」としており、うつ病リスクを下げることが認知症予防に効果があることを示唆しています。 しかし、今回の研究対象が白人女性がほとんどであること、緑地で過ごした時間や運動の有無についてのデータがないことが制約になっています。 やはり生活習慣が予防のカギ? 認知症の発症には、さまざまな原因があることがわかっています。 例えば、生活習慣やストレスも発症リスクに関係。暴飲暴食や飲酒、喫煙などは認知症リスクを高めますし、反対に健康的な食事や適度な運動習慣は認知症予防に効果があります。また、ストレスが多い人は認知症になりやすいことも明らかになっています。 それは、今回の研究でも同様なのかもしれません。 というのも、緑地の近くに住む人は活動する習慣が多いとのことですし、うつ病リスクが低いということは、うつ病の原因のひとつであるストレスが少ない環境であることが考えられるからです。 つまり自然が多い場所というのは、自然と健康的で認知症予防につながる環境である可能性が高いということです。 「ストレスが多いな」と感じたら自然の中を散歩してみるのが、一番手軽にできる認知症予防なのかもしれませんね。
2022/05/16
コロナ禍で外出自粛が長引いており、運動不足になりやすい状況が続いています。ただ、注意したいのが、高齢になるとその運動不足が要介護状態を引き起こす原因になる場合もあるということです。 しかし、運動不足を感じつつも、具体的に何をしたら良いのかわからないこともあるのではないでしょうか。 そこで、神奈川県藤沢市にある「湘南ロボケアセンター」が装着型サイボーグ「HAL(ハル)」を使った介護予防の無料体験会を開催。トレーニングやエクササイズなどを専門スタッフが指導してくれるそうです。 ロボットを使って介護予防 神奈川県藤沢市の「湘南ロボケアセンター」が、「ロボケアFIT無料体験会」をおこなうことを明らかにしました。 この体験会では、センターを運営するサイバーダイン社が開発した装着型サイボーグ「HAL」のデモンストレーションや、ボールエクササイズなどを実施。5月と6月にかけて計6回おこなわれ、各回5名までの予約制です。 HALとは、脚や腰に装着することで動作の補助をおこなうロボット。人間の神経に流れる微弱な電気信号をキャッチして、それにあわせて「立ち上がる」「歩く」といった動作を支援します。 単なる筋力の補助とは異なり、「動きたい」という電気信号によって動くため、事故や病気で身体を動かせなくなった人も自分の意思で身体を動かすことが可能に。そして、HALを使ってトレーニングをしているうちに神経や筋肉の動きが促進されて、身体機能を回復できるそうです。 このセンターでは、このロボットを使ったトレーニングプログラムを提供。脊髄損傷や麻痺などで身体を動かせなくなった人や筋力が低下した人などの歩行トレーニングをおこなっています。 今回の体験会では、専門のスタッフが指導。少人数なのでスタッフと話しながら和気あいあいとした雰囲気で進められるそうです。 運動不足が要介護を引き起こす? 外出自粛によって運動量が減ると、身体機能が衰えやすくなります。加えて、人との交流も減るので、 認知症リスクも上昇。そうした状況をそのままにしておくと、要介護状態になってしまうかもしれません。 だからといって、すぐに「外に出て運動しよう」とは思えないもの。普段、運動する習慣がないと何をしたら良いのかわかりませんし、「怪我をしたらどうしよう」と不安になってしまいますよね。 そうしたときに、今回の体験会のようなきっかけがあると良いかもしれません。さらに、ロボットに支えてもらいながらだと、自分ひとりでは難しいこともサポートしてもらえそうですよね。
2022/05/13
コロナ禍が長引いて「気持ちがなんだか落ち込む」「何もする気が起きない」と感じることが増えた人もいるかもしれません。 そうした状況をそのままにしておくと、うつ病を発症してしまうことも。高齢者のうつ病は認知症と合併することも多いうえに、認知症の前兆としてうつ病の症状が現れる場合もあります。 そうしたうつ病の予防に効果的なのが、ウォーキングなどの運動であることがイギリスのケンブリッジ大学の研究で明らかになりました。 週に150分の活発な運動をしている人は、うつ病のリスクが25%低くなることがわかったそうです。 ウォーキングでうつ病予防 イギリスのケンブリッジ大学が、ウォーキングなどの運動と病気のリスクの関係について調査をおこないました。 この研究は、過去におこなわれた15件の研究データを分析したもの。約19万人の対象者のうち、約2万9000人がうつ病を発症したそうです。 分析の結果、1日30分、週150分の活発なウォーキングに相当する運動をしている人は、うつ病のリスクが25%低いことがわかりました。また、その半分の運動量でも18%もリスクが下がったそうです。 また、有酸素運動をすることで、精神を安定させるホルモンの「セロトニン」が活発になることがわかっています。 セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、不安感が改善されてポジティブになる効果も。短時間でも運動することで、うつ病予防の効果が期待できるそうです。 うつ病と認知症が似ている? 高齢者のうつ病は、若い世代とは異なる特徴があります。 それは、身体機能の低下や社会的な役割の喪失による不安感が発症に影響していること。加齢によって昔と同じように活動できなくなったことや、定年退職や子どもが自立することで自分の生きがいがなくなり、気持ちが落ち込んでしまうのです。 さらに、うつ病の症状なのか認知症の症状なのか区別しにくいことも。「これまでできていたことができなくなる」「気持ちが落ち込んで活動的でなくなる」など、表面に現れる症状がとても似ているためです。 一方で、ウォーキングなどの運動はうつ病と認知症のどちらの予防にも効果があるとされています。 そのため、「なんだか気持ちが落ち込む」と感じたら、近所を散歩してみるのが良いかもしれませんね。外の空気に触れて気分転換にもなりますし、運動不足の解消にもなりますよ。
2022/05/11
年齢を重ねると、どうしても視力が落ちてくるもの。特に80代以上のほとんどが白内障によって視力が低下しているという研究もあります。 「年だからしょうがない」と考えてしまいがちですが、その白内障を治療することで認知症リスクを低下できるという研究結果が発表されました。 この研究は、アメリカの医師会の専門誌に昨年12月に掲載されたもの。白内障を治療する手術を受けた人は、そうでない人と比べて約3割も認知症リスクが低下していたそうです。 白内障を治療して認知症を防ぐ? 昨年12月、アメリカの医師会の専門誌に「白内障の手術をすると認知症リスクが低下する」という研究論文が発表されました。 白内障は、目の中でレンズの役割をしている水晶体が加齢によって白くにごり、見えにくくなる病気。物がかすんで見えたり光がまぶしく感じられたりと視力の低下を引き起こします。 今回おこなわれたのは、白内障の診断を受けている65歳以上のアメリカ人約3000人を対象とする研究。白内障の手術をしたグループと手術をしていないグループに分けて、その後の認知症リスクを追跡調査しました。 その結果、手術を受けたグループは受けていないグループと比べて29%も認知症の発症率が低下。この効果は、5年以上も持続したそうです。 80代以上のほとんどが白内障⁉ 「白内障診療ガイドライン」によると、50代の2人に1人は白内障。年齢を重ねるごとに発症率は高まり、80代以上になるとほぼ全員が白内障になるそうです。 つまり、高齢者の多くが認知症リスクを高める可能性のある白内障を抱えていることに。しかし、目薬では進行の予防はできますが、根本的な治療はできません。 その唯一の根本治療法が手術。にごってしまった水晶体の代わりに人工レンズを入れるのです。 白内障の手術は、約20~30分程度で終わるため日帰りが可能。一般的に利用されている人工レンズを入れる手術であれば保険が適用でき、片目で2万円前後で済みます。 目が見えにくいだけで日常生活に支障をきたすことも多いので、認知症予防のためでなくても「目が見えにくい」と感じたら眼科に相談してみても良いかもしれませんね。
2022/05/11
2年以上にわたるコロナ禍で「誰かと一緒に笑う」という場面が減った人もいるのではないでしょうか。 外出の自粛によって家族や友人と会う機会が減り、1日中、誰とも会わない日がある人もいるかもしれません。 しかし、東北大学の研究によって「友人と笑う」人は、「1人で笑う」人よりも要介護リスクが3割も低いことがわかりました。 「誰かと一緒に笑う」が介護予防に 今年4月、東北大学は「友人と一緒に笑う高齢者は1人で笑う高齢者よりも介護リスクが下がる」という研究結果を発表しました。 この研究は、「笑う場面」や「誰と一緒に笑うか」に着目したもの。これまでの研究では、笑いの頻度のみに着目しており、これらの要因と要介護リスクの関係を調査したものはなかったそうです。 今回の研究では、約1万2600人の高齢者を約6年間にわたって追跡調査。アンケートで「友人と話をしているとき」「子供や孫と接しているとき」「テレビやビデオをみているとき」といった場面を対象者が選択することで、「笑う場面」「誰と一緒に笑うか」を調べました。 その結果、誰かと一緒に笑う人は1人でいるときのみ笑う人よりも要介護リスクが23%低いことがわかりました。さらに、誰かと笑う場面が多い人ほど要介護リスクが低いことも明らかになったそうです。 加えて、友人と笑う人は1人で笑う人よりも要介護リスクが約30%低いことも判明しました。 孤独が要介護リスクを高める 内閣府の調査によると、単身高齢者世帯が増加傾向。そのうえ、長引くコロナ禍で孤立する高齢者が増えています。 こうした高齢者の孤独は、要介護の前段階であるフレイルや要介護リスクを上昇させることがわかっています。 というのも、外出の頻度が下がることで活動量が減って身体機能が低下したり、人との交流がないことで気持ちが落ち込んだり認知症のリスクが高まるから。そのため、孤独を避けることが要介護リスクを下げることにつながります。 さらに、今回の研究で「友人と笑うこと」が要介護リスクを低下させることもわかりました。 コロナ禍では、直接会うことは難しいですが、電話やオンライン会議アプリなどを使って友人と話す機会を増やしていきたいですね。
2022/05/11
徒歩圏内で行ける商業施設がないために買い物先に困っている「買い物難民」。特に高齢者は自動車免許を返納していたり体力的な問題から、買い物できるエリアが狭くなってしまう傾向があります。 そこで、各地で買い物難民の対策をとっているようです。 例えば、静岡県焼津市では有償ボランティアによって地元スーパーまでの送迎が開始。鹿児島県伊佐市では、地元の女性によって病院だった建物を活用したミニストアがオープンしました。 地域で高齢者の買い物を支援 静岡県焼津市の港地区では、「港地域おでかけ支援隊」が事業を本格スタートさせました。 この事業は昨年12月から試験的に始まっており、地域の高齢者の声に答えて今年4月から本格始動。特別養護老人ホームの空き車両を活用して、毎月第2・第3水曜日に大型スーパーまでの区間を往復します。 この事業はスーパーまでの送迎だけでなく、ボランティアが付き添いとして同乗。スーパーでの買い物の手伝いもするそうです。 また、鹿児島県伊佐市には、病院跡地を活用した「ミニストアー山野楽しそう」がオープンしました。 このミニストアが開店したのは、地域のスーパーが3月末に閉店したことがきっかけ。そのスーパーが閉店した後は、車で10分かかる店舗まで買い物に出かける必要がありました。 そこで、公民館で体操教室を開いている土生さんが1月に閉院した病院の建物を利用したミニストアを開店。開店初日には100人以上の来店客でにぎわったそうです。 このお店の品ぞろえは、野菜や食品、日用品までさまざま。土生さんが地元の仲間に声をかけて卸してもらっているそうで、まさに地域一丸となって支えているお店です。 買い物に行くことが介護予防に 買い物難民になってしまう高齢者は「近くにお店がない」「移動手段がない」「認知症のため買い物が不安」などさまざまな悩みを抱えています。特に認知症の人にとっては、お店まで行けても買い物がうまくできない問題があります。 そこで、「港地域おでかけ支援隊」のように買い物の付き添いサービスがあったり、「ミニストアー山野楽しそう」のように地域住民同士のつながりが深いお店であれば、住民による見守りがあるので安心して買い物ができそうです。 また、お店は住民同士のコミュニケーションの場でもあります。お店に行って知り合いと話をすることが、認知症や介護予防にもなるかもしれませんね。
2022/05/09
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。