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東京都渋谷区に、”介護と美容の専門学校”があります。 その名も「介護美容研究所」。高齢者向けのメイクの方法を学ぶと同時に、介護の勉強もおこないます。 今回、その専門学校の修了生が現場実習で得たノウハウをプレゼンするイベントをおこなうそうです。 高齢者にこそメイクが必要 「メイクセラピー」という言葉があります。これは、化粧療法とも呼ばれる、介護と美容を組み合わせたケアの方法です。 高齢になったり介護施設に入ったりすると、若い頃は日常的にしていた人でもメイクをやめてしまいがち。「手が動かなくて化粧ができない」「認知症が進んで道具が使えなくなった」ということが理由にあるのかもしれません。 こうした状況を受けてミライプロジェクト社は、日本初の介護美容の専門スクール「介護美容研究所」を設立しました。 この学校で学べるのは、高齢者に対する総合的な美容スキル。メイクをするだけではなく、褥そう(床ずれ)周りのケア、巻き爪の処置、認知症ケアといった高齢者向けサービスならではの知識も取得できるそうです。 加えて、美容師・理容師の資格を持っている人向けに「訪問美容コース」も開設しています。 このコースでは、足腰が悪くて美容室に行けない高齢者が増えていることを受けて、自ら美容師が訪問してサービスを提供するためのノウハウを伝授。移動式シャンプー台の利用法や寝たきりの高齢者へのカット方法などを学べます。 ちなみにメイクセラピーには、認知症の症状の進行を抑える効果があることがわかっています。 とある老人ホームで、2週間に1回、3ヵ月間にわたってメイクセラピーを実施したところ、認知症進行を抑制されたという研究もあるそうです。 メイクセラピーで前向きに 昔は何気なくできていたことも、年を重ねるとできなくなることが増えますよね。 例えば、「化粧品のフタを開ける」「複数の化粧品から使いたいものを選び出す」「顔の細かい部分に化粧品を塗る」など、加齢によってできなくなることは、化粧をすることだけでもたくさんあります。 こうした「できない」が重なって、化粧をやめてしまう人もいるかもしれません。しかし、見た目に気を使わなくなることで、気持ちが落ち込んでしまう人もいるそうです。 しかし、自分ではできないけれど誰かにしてもらえればうれしいもの。研究で化粧をするだけで前向きな気持ちになることもわかっています。 何歳になってもおしゃれは楽しいですよね。メイクを楽しむことで、心も身体も元気になれそうです。
2022/03/11
「アニマルセラピー」という言葉があるように、動物とふれあうことでストレスの軽減などの効果があることは有名ですよね。 そのなかでも認知症の症状の緩和が注目されており、介護施設に動物と一緒に訪問するボランティア団体があったり、施設で犬を飼っているところもあるほどです。 動物とふれあうことの効果は海外でも研究されており、アメリカのミシガン大学では、「ペットを飼うことで認知機能の低下を抑える可能性がある」という研究結果が発表されました。 ペットを飼うことが認知症予防に? アメリカのミシガン大学医療センターの研究グループは、「ペットを飼うことが認知機能の低下を抑制する可能性がある」ことを明らかにしました。 この調査は、アメリカの保険加入者を対象にした研究データをもとに実施。対象者は、研究開始時に認知機能の低下がなかった平均65歳の約1400人です。 また、対象者の約50%はペットを飼っており、そのうち約30%は5年以上ペットを飼っていました。 研究グループは、彼らの認知機能テストの結果とペットを飼っている年数を比較することで、認知機能の低下とペットの飼育歴の関連を調べたそうです。 その結果、2010~2016年の6年間での認知症スコアの低下速度は、ペットを飼っている人の方が遅いという結果に。特にペットを5年以上飼っている人と飼っていない人の差が、最も大きかったとのことです。 さらに、認知機能の低下スピードの減少は「黒人」「大学教育を受けている」「男性」という条件の人に顕著でした。 この結果に対して、研究グループは「ストレスは認知機能に悪影響を与える可能性がある。ペットを飼うことでストレスが緩和されたのではないか」「ペットを飼う人は身体活動が増えて、認知機能低下の抑制に影響したことも考えられる」と述べています。 ペットの世話が生きがいになっている? 今回の研究で、ペットを飼うことで認知症の予防ができる可能性が見えてきました。 もしかしたら、動物を飼うことで「この子の世話をしなきゃいけない」という気持ちが認知機能の低下を遅らせるのかもしれません。 というのも、認知症の進行予防法のひとつに「やりがい、生きがいを感じる生活をおくる」というものがあります。認知症の人が何か役割を受け持つことで、生きがいを感じて症状の進行を遅らせるというケアです。 それと同じように「ペットの世話をする」という生きがいを持って暮らすことで、認知機能の低下を抑制した可能性も考えられます。 だからといって、軽率にペットを飼うのは要注意。特に高齢者の場合は急な入院などのリスクもあります。そのため、「万一のときに誰が世話をするのか」「ペットの引き取り手はいるか」を確認してから動物を迎えるようにしましょう。 また、現在ペットを飼っていて、老人ホームの入居を検討している人はペットと一緒に入居できる介護施設も良いかもしれません。 ペットと一緒に入れる老人ホームについては、以下のページで注意点などを紹介しています。参考にしてみてくださいね。 https://e-nursingcare.com/guide/kinds/pets-together/
2022/03/10
認知症に関する研究が世界中でおこなわれており、そのなかでも早い段階で認知症の予兆を発見して予防する研究が多く実施されています。 そういった研究のひとつに、AI(人工知能)を利用した認知症診断システムがあります。 今月8日、SMK社と国立循環器病研究センターなどが、日本語音声による認知症診断システムの共同開発を開始することを発表しました。 これは30秒程度の日本語音声をAIが分析することで、認知機能の低下を診断できるというもの。2023年度にサービス化を予定しているそうです。 音声データだけで認知症の前兆を発見 今月8日に発表されたのは、認知機能の低下を音声データのみで診断できるAIシステムの開発についてです。 このシステムの開発に携わるのは、海外に多数の拠点を展開する部品メーカーSMK社と大阪府吹田市の国立循環器病研究センター、音声分析システムを開発しているアメリカのCanary Speech社です。 今回、開発が開始されるAIシステムは、30秒ほどの自由な文章の日本語音声データをAIが分析することで、認知機能の低下を診断するもの。診療時のサポートや人間ドック、認知症保険加入時の診断などで利用されることを想定しているそうです。 このAIシステムを開発するためには、事前に認知機能が低下した人の音声データと認知機能テストの結果をAIに学習させる必要があります。 そのため、宮崎県延岡市がおこなった認知機能チェックの電話データや認知機能障がいの疑いがある国立循環器病研究センターの患者の音声データをAIに学習させているそうです。 手軽な検査で負担が減少 現在の認知症検査には、医師や患者双方の負担が大きいという課題があるそうです。 例えば、高額な精密検査や脳機能のテストに加えて、専門的な知識を持った医師の診察が必要です。しかし、これには時間やお金がかかるため、医師の負担はもちろん、患者の精神的・身体的な負担が大きいのです。 そのため認知症を発症する前の段階で、前兆を簡単に発見できるような自動判断ツールが求められているそうです。 このシステムでは会話のデータをAIに聞かせるだけで、簡易的に認知症の前兆を発見できます。そのため「認知症検査」と聞くと抵抗のある人も、健診やいつもの通院のついでに認知症チェックができれば、抵抗感が少なくなるのではないでしょうか。 認知機能の低下は誰もが避けて通れない問題ですが、早期発見が可能なのであればそれ以上の進行や認知症の発症を防ぎたいですよね。
2022/03/09
新型コロナウイルスの拡大により、外出することが少なくなって運動不足を感じるが増えているようです。 また、年を重ねるごとに身体や脳の衰えも感じている人もいることでしょう。 そうした問題を改善しようと制作されたのが、ダンスボーカルグループのTRFのDVD「リバイバルダンス」。認知症などの専門家とTRFが監修した筋トレと脳トレを同時にできるダンスプログラムです。 誰でも踊れるダンスプログラム 今月7日のDVD制作発表会に登場したのは、ダンスボーカルグループのTRFのメンバー。高齢者向け筋トレ・脳トレができるDVD「リバイバルダンス」の紹介をしました。 このDVDは、歩行能力アップを目指す「運動編」と認知機能の改善を目指す「脳活性編」の2枚に分かれています。楽しく踊るダンスパートの他にも、身体をほぐすウォーミングアップやダンスを覚えるレッスンパートがあるので、無理なく誰でも踊れる構成になっています。 また、イスに座ったままできるような振付もあるので、「立ち続けるのは辛い」という人や、膝の負担が心配な人も安全におこなえるそうです。 そしてこのDVDの特徴のひとつに”懐メロ”を採用していることがあります。美空ひばり「川の流れのように」、郷 ひろみ「お嫁サンバ」など往年のヒット曲にあわせて楽しみながら踊れるプログラムになっています。 ちなみに、このダンスプログラムの効果を、東京大学などのグループが調査したそうです。 「リバイバルダンス」をするグループ、ウォーキングをするグループ、何もしないグループに分けて、4週間後に運動機能・認知機能・可動域(関節の曲がりやすさ)を測定しました。 すると、どの項目でもこのダンスをおこなったグループの数値が良いという結果に。このダンスが身体機能と認知機能を向上する効果があることがわかったそうです。 ダンスが脳トレに?意外な効果 ダンスをすることで、身体の動きや体力は向上しそうなイメージがありますが、認知機能も改善するのは意外ですよね。 このダンスの開発に携わった認知症の専門家によると、有酸素運動をしながら他のことをおこなう「デュアルタスク・トレーニング」が脳には良いとのこと。脳の複数の領域を同時に使うことで、さまざまな認知機能の改善ができるのだそうです。 また、このプログラムは自宅でできるのがうれしいポイント。コロナ禍なので「外に出る機会をなるべく減らしたい」という人も外出しなくてすむのが良いですよね。 何かきっかけがないと脳トレ・筋トレを始めるのは難しいもの。こういったダンスをしながら、身体を動かすのも良いかもしれませんね。
2022/03/08
日本の高齢化に伴って増加している認知症患者。そのなかの約7割を占めているのがアルツハイマー型認知症です。 そのため、世界中でアルツハイマー型認知症の治療法や予防法が研究されています。 そのなかのひとつに、東京大学の「光触媒」を使った研究があります。この研究では、光触媒によって認知症の原因物質の無毒化に成功しています。 この治療法が確立すれば、50代や60代の比較的若いときから認知症の予防ができるようになるとしています。 意外な「光触媒」がカギ 東京大学の研究チームが、光触媒を使ったアルツハイマー型認知症の治療薬の開発をおこなっています。 そもそもアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβというタンパク質が塊となって神経細胞を傷つけるために起こる病気。もともと身体には、アミロイドβを分解する免疫細胞が備わっていますが、加齢によって機能しなくなり脳にアミロイドβが蓄積してしまうそうです。 また、光触媒とは光によって活性化して他の物質の化学反応を促す性質のある物質のこと。身近なものでは「抗菌ガラス」などにも使われている物質です。 この光触媒を使って、研究チームはアミロイドβが塊になるのを防ぐ方法を考案。実験は成功し、アミロイドβが減少していることが確認できました。 同時に、アミロイドβの毒性がなくなっていることや、免疫細胞がアミロイドβの分解を再開していることもわかりました。 安くて飲みやすい認知症予防薬が誕生? 先日、アメリカで「アデュカヌマブ」という認知症薬の販売が開始されました。しかし、年間630万円もの薬代がかかり、問題となっていました。 アデュカヌマブについては、こちらの記事で記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3346/ 対して今回の薬は、特殊な設備を使わずに生産されてコストを抑えられるため、低価格で販売できる見込みだそう。ゆくゆくは、多くの人が服薬している降圧剤と同じくらいの値段で利用できるとのことです。 さらに、薬を錠剤化できるのも特徴。注射ではなく錠剤であれば、手軽に服薬できるので便利ですよね。 こうした「薬代が安い」「服薬しやすい」という理由から、この開発が成功すれば認知症の症状が出る前の予防が気軽にできるようになるかもしれません。 早いうちからの予防となると、長期間にわたって治療を受ける可能性があります。それを低価格で実現できるのであればかなり期待できる薬ですね。
2022/03/03
国内に600万人以上いるとされている認知症患者。それだけ大勢の人が発症している病気にも関わらず、まだ根本的な治療法の確立には至っていません。 そんな状況のなか、先月26日に東京大学の研究チームが発表したのは、その認知症の原因物質が脳から排出されるメカニズムについてです。 認知症は、神経細胞を傷つけるタンパク質が脳内で過剰に溜まることで起こるとされており、その原因物質の蓄積を防止する方法を発見したとのことです。 原因物質を排出する機能を発見 先月26日、東京大学が発表したのは「認知症の原因物質が脳から排出されるメカニズム」についてです。 認知症のメカニズムは、脳内に「タウ」というタンパク質が異常に溜まり、脳の神経細胞が死んでしまうことで発症するとされています。そのため、タウの蓄積を防ぐと認知症を予防できると考えられています。 また、以前からの研究で、脳内の老廃物を脳外に排出するリンパがあることがわかっています。そこで、研究チームはその仕組みがタウも脳外に排出していると予測し、マウス実験をおこないました。 実験ではマウスの脳のリンパを滞らせて、脳内のタウの量と神経細胞の状態を調査。加えて脳の委縮度も確認しました。 その結果、マウスの脳内ではタウを排出する機能が低下。タウの量も増加しており、神経細胞の壊死も増えていることがわかりました。さらに、脳の萎縮も進行していたとのことです。 この研究によって、タウを排出する機能を高めれば脳の神経細胞の死を防止し、認知症を予防できる可能性が発見されました。 認知症は”コントロールするもの”へ? 今回の東京大学の研究によって、新たなアプローチでの認知症治療が開発されるかもしれません。 というのも、これまでに「タウの蓄積を防止して神経細胞の壊死を抑制する」タイプの認知症治療法は開発されていないためです。 そのため、今回の研究を生かした方法が実用化されれば、いわゆる「認知症予備軍」の人の予防法になるかもしれませんね。 ただ、認知症の発症前に手を打たないと意味がありません。もしかしたら、発症の以前からタウの蓄積状況を把握しつつ、発症をコントロールするようになる可能性もあります。 将来的には、認知症の発症をコントロールできる仕組みができるかもしれませんね。
2022/03/02
新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出自粛を余儀なくされて自宅にいる時間が長くなっている人も多いでしょう。もしかしたら、人との交流が減って「なんだか気力がわかない」という人もいるかもしれません。 特に高齢者にとって、気持ちが落ち込むのは要注意。なぜなら、そのまま活動量が減って身体機能が落ち、そのまま要介護状態に…ということもありえるからです。 そこで埼玉県吉川市では、オリジナルの「脳トレドリル」を作成。迷路になった吉川市が表紙を飾り、表紙から脳トレをスタートできる本格派です。 地元ネタ満載の脳トレドリル 今月10日から吉川市のワクチン接種会場では、市の長寿支援課が中心となって作成した脳トレドリルの配布をおこなっています。 これは、コロナ禍による外出自粛で交流が減り、脳への刺激も少なくなっている高齢者に楽しんで脳トレをしてもらおうと作成されたものです。 中身はクイズやクロスワードパズル、間違い探しなど。地元の祭りや農産物、歴代首相が食べた名物料理など、地域の知識も深められる内容になっています。 また、表紙には吉川市が迷路化したイラストを掲載。作成したのは、市内に住む吉川めいろさん。単行本「めいろどうぶつえん」では子ども向けの迷路イラストを作成しており、多数の「迷路イラスト」を作っています。 普段は企業とのコラボレーション迷路や、葛飾北斎の「富嶽三十六景」を迷路化したりと、かなり難易度の高く細かい迷路を制作しているめいろさん。しかし、今回は市から「高齢者でも取り組みやすい難易度で」と注文されていたそうで、初めての人でも取り組みやすい難易度に仕上げています。 吉川市では、この脳トレドリルの定期発行を検討しているそうです。 長い待ち時間で脳トレを 今回、吉川市はワクチン接種から配布を始め、今後は介護事業所や公共施設などの高齢者が利用する施設で配布する予定だそうです。 ワクチン接種会場では接種後に待機時間が設けられていますし、市役所などで手続きをするときは何かと待ち時間が長くなりがち。そういうときに、ちょっと集中できるものがあると暇つぶしに良いかもしれませんね。 また、このドリルが定期的に発行されるようになったら、コロナ禍の楽しみのひとつになるかも。地元を題材にしたクイズも掲載されているので、持ち帰って孫と一緒に取り組めば子どもたちが地域のことを学ぶきっかけにもなるでしょう。 もしかしたら、このドリルは脳トレだけではなく、地元の人も知らなかった地元のことをPRするツールにもなるかもしれませんね。
2022/03/01
もしかしたら、認知症のリスクを若いときから把握できるようになるかもしれません。 今月18日に京都大学の研究グループが「アルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子の特徴を発見した」と発表しました。 今回の研究結果が、将来的にはアルツハイマー型認知症の発症予測の仕組みや新しい治療法の開発につながるとしています。 原因物質に関係する遺伝子を発見 京都大学が「iPS細胞を利用して、アルツハイマー型認知症のリスクとなる遺伝子を発見した」と発表しました。 アルツハイマー型認知症は、認知症の約7割を占める病気。脳に特定のタンパク質が溜まって塊となり、神経細胞を傷つけることで発症するとされていますが、詳しい原因などはわかっていません。 そのアルツハイマー型認知症のなかでもこの研究の対象となったのは、家族にアルツハイマー型認知症の病歴のない「孤発性」のケース。アルツハイマー型認知症の人の9割以上が当てはまります。 この研究では、まず102人のアルツハイマー型認知症の人の血液細胞からiPS細胞を作成。それを脳の神経細胞に成長させて病気を再現し、タンパク質の状態や遺伝子の働きなどを解析しました。 その結果、原因のタンパク質に関係するとみられる24の遺伝子を特定。そのうち8の遺伝子はそのタンパク質の量の調節に関わることもわかりました。 さらに遺伝子情報をAI(人工知能)で分析して、タンパク質が脳内で蓄積されるのを予測するモデルも作成したそうです。 研究グループは「遺伝子の特徴を詳しく調べることで、将来的には発症する前に診断や治療ができる可能性がある」としています。 「若いころから認知症予防」が当たり前に? 今回の京都大学の研究で、認知症研究は大きく進むかもしれません。 もしかしたら、血液検査で若いときから認知症リスクを把握するシステムが開発されることも考えられますよね。 現在の認知症検査の多くは、症状が出ていたり脳内にタンパク質が蓄積した状態になってから発見するものです。 しかし今回の研究データを活用すれば、30~40代やもっと若い年代でも認知症リスクを把握できるような検査が開発される可能性もあります。 将来的には認知症予測が一般的になって、発症前から予防するのが当たり前になる時代が来るのかもしれませんね。
2022/03/01
今月14日、横須賀市の横須賀美術館で、認知症の高齢者とその家族が絵画を鑑賞するプログラムが開催されました。 講師の問いかけに高齢者が思ったまま自由に発言しながら、3つの作品を丁寧に鑑賞。絵画を鑑賞することで、認知症の人のコミュニケーション能力などが高まる効果があるそうです。 芸術の旅に飛び立つ 今月14日、横須賀美術館でおこなわれたのは「アートリップ」という対話型の絵画鑑賞プログラム。感じたことを自由に話しながら、認知症の高齢者やその家族が一緒に絵画を楽しむものです。 このアートリップという言葉は「アート(芸術)」と「トリップ(旅)」を組み合わせた造語。進行役のアートコンダクターの質問に答えながら鑑賞することで、アートを通して時空の旅に出てほしいという思いが込められています。 この日は3作品を鑑賞。国吉康雄の「毛皮の女」の絵に対して、アートコンダクターの「この女性は何していると思いますか」という質問をすると「誰かを待っているみたい」「悩んでいるのかな」など、参加者から次々と言葉が出てきます。 アートリップに参加すると、普段は無口な人が活発に発言するようになったり昔の記憶がよみがえったりすることがあるそう。「昔の母の顔になった」と認知症の親と一緒に参加した家族が言ったこともあるとのことです。 また、アートリップの効果は臨床的にも証明されています。軽度認知症で鬱症状のあった人が、このプログラムを受けることで積極的になったり、単語記憶力が改善したりとさまざまな効果があったそうです。 認知症だからこそ感じられることがある? 絵画と認知症の人との組み合わせは、意外に感じられますよね。 しかし、このアートリップを開催している「一般社団法人アーツアライブ」代表の林さんによると、「感情に働きかけるアートは認知症と親和性が高い」そうです。 認知症でない人は周りの様子を伺って発言してしまいがちですが、認知症の人はそういったこともなく自由に発言する人が多いんだそう。認知症になることによって、固定概念がなくなってむしろ感覚が研ぎ澄まされるのかもしれませんね。 感染対策をしながら全国の美術館でアートリップが開催されているようです。試しに体験してみると新しい発見があるかもしれませんよ。
2022/02/25
コロナ禍で自宅にいる時間が増えて、運動不足を感じている人もいるかもしれません。しかし、運動のために習い事を始めたり近所を散歩したり、まとまった時間を取るのも大変ですよね。 そこで取り入れやすい運動が「エキセントリック体操」。ゆっくりした動きでおこなうので、身体的な苦しさが少ないのが特徴です。 そのため、体力に自信のない人や、運動が苦手な人もおこないやすい運動。さらに「血糖値や中性脂肪の低下する効果がある」という研究結果もあります。 血糖値の低下や認知機能アップも? 今月18日に『ゆ~っくり座って健康に!60歳からはじめるエキセントリック体操』が発売されました。 このエキセントリック体操の特徴は、一般的な筋肉トレーニングよりも少ない負担で、安全に筋肉をきたえられること。この体操では、おもりを持って無理にトレーニングをしたり、激しく身体を動かして息が切れるということはありません。 エキセントリック体操の中心となっている「エキセントリック運動」とは、手に持ったダンベルを下ろす動きや、階段下りといった重りを下に移動させる動作のことを指します。この「重りを下ろす動き」を軸に、高齢者が継続しやすいトレーニングがこの本にまとめられているのです。 このエキセントリック体操を継続することで、さまざまな効果があるそうです。 例えば、筋力や筋持久力(筋肉の伸縮を続ける力)の向上、インスリン感受性が良くなって中性脂肪や総コレステロール値が下がる、脳が刺激されて認知機能が高まるなど、筋肉以外にも良い効果があります。 また、この本の中で紹介しているエキセントリック体操は、誰でもできる簡単なものばかりです。 例えば、太ももの前側とお尻のトレーニング「椅子座り」。これはイスの前に立ち、太ももとお尻に力を入れたままゆっくり5秒かけて座るトレーニングです。 お尻が座面に付くまでは力を抜いてはいけないので、何回もやっていると筋肉が疲れてだんだん力が入らなくなるのを感じられるでしょう。こうした簡単だけど”効く”トレーニングがまとめられています。 きつくないから継続しやすいトレーニング エキセントリック体操は、一般的なトレーニングのように重りを使ったり、身体を激しく動かしたりするきつい筋力トレーニングではありません。 また、1つの体操を1日5回~10回するだけで効果があるので、継続もしやすいのが特徴。できれば毎日することが推奨されています。 簡単ですが効果があるそうなので、こうした運動を少しずつしていけると良いですね。
2022/02/21
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。