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認知症

人生の最期 認知症

「認知症の妻」と「心臓病を患う夫」。生と死がテーマの映画が公開

「CLIMAX クライマックス」などで知られるアルゼンチンの映画監督ギャスパー・ノエ氏が今回、認知症をテーマにした最新作「VOLTEX ヴォルテックス」を製作しました。日本では12月8日より全国の映画館で公開予定だといいます。 「病」と「死」をテーマにした最新作がリリース アルゼンチンの映画監督ギャスパー・ノエ氏が創り上げた、「病」と「死」をテーマにした最新作「VOLTEX ヴォルテックス」が、2023年12月8日より全国の映画館で公開されることが明らかになりました。 主演は、「サスペリア」などさまざまなホラー映画を世に送り出してきた巨匠、ダリオ・アルジェントで、心臓病を患い、余命いくばくもない夫を演じます。 また、フランソワーズ・ルブランが演じる妻も認知症を患っていて、残り少ない命。「VOLTEX ヴォルテックス」では、画面を二つに分割するスプリットスクリーンによって、老夫婦の「人生最期の日々」がそれぞれの視点から描かれていきます。 さらに、病や不測の出来事、家族との不和が老夫婦二人を襲い、やがて死んでいくといいます。 死までの過程を冷徹に描く 二人は元々、仲むつまじい老夫婦でした。しかし、妻の認知症が進行してからは一転、意思疎通すら難しくなり、息子ともあまりうまくいっていないようなシーンが映し出されます。 多くの映画では、死にゆく命だったとしても、支えてくれる家族や友人がいるなど希望が持てるシーンが描写されることもありますが、「VOLTEX ヴォルテックス」はそんなわずかな「救い」すらなく、老夫婦がそれぞれ歩む死までの道のりが淡々と描かれていきます。 このたび、「VOLTEX ヴォルテックス」の場面写真と30秒の予告編が解禁されました。ベッドの上で心臓発作を起こし苦しむ夫の横にいながら、認知症の妻は「うるさい」とばかりに布団をかぶるだけ…。二人の人生は、どのような結末を迎えるのでしょうか?

2023/11/16

最新研究 認知症

人種によって認知症リスクが違う!?南アジア人は発症リスクが高い!?

新たな研究で、南アジア人は白人や黒人に比べて認知症の発症リスクが高い可能性が示されました。この研究はカレッジ・ロンドン大学によっておこなわれ、その研究結果はPLos Oneという科学誌に掲載されています。 80万人以上の高齢者を対象に調査を実施 今回、研究グループはイギリスの大規模医療データに登録された人のうち、86万5674人の65歳以上の高齢者を対象に調査をおこないました。 具体的には、高血圧や肥満、糖尿病、睡眠障害、血中濃度が低い方が認知症のリスクが高まるとされるHLDコレステロールの値といった、危険因子が認知症の発症リスクがどの程度影響を及ぼすのかについて、白人・黒人・南アジア人と人種ごとに調査を実施したといいます。 また追跡期間中に、対象者のうち14万9228人が認知症を発症したことが明らかになりました。 南アジア人はほかの人種よりも認知症リスクが高い 研究グループが白人・黒人・南アジア人と各人種ごとに認知症の発症リスクを統計的に解析した結果、南アジア人はほかの人種よりも高血圧や肥満、HLD低値、睡眠障害が白人よりも大きな認知症の発症リスクにつながる可能性が示されました。 また、黒人は高血圧が白人よりも認知症の発症リスクにつながることがわかりました。 以上の結果を受けて、今回の研究をリードしたカレッジ・ロンドン大学のナーヒード・ムカダム氏は「大規模サンプルを用いて、危険因子が認知症の発症に及ぼす影響を人種ごとに比較検証した研究は今回が初めてだ。今後は南アジア人や黒人などの民族マイノリティーにターゲットを絞った認知症予防の取り組みが必要になるだろう」と指摘しています。 今回の研究はイギリス国内の状況を調べたものであるため、日本人にも同じ仮説が当てはまるかはわかりません。 しかし、高血圧や肥満、睡眠障害などの生活習慣病が認知症につながることは多くの研究で明らかになっているのは事実。日々を健康に過ごすためにも、毎日の生活習慣を見直していきたいですね。 参考:「南アジア人、黒人と白人の民族性と認知症に対する潜在的に修正可能な危険因子の影響:英国の電子医療記録に関する研究」

2023/11/14

最新研究 認知症

豆乳で認知症リスク低下!?栄養満点な豆乳を飲んで体も脳も健康に!

新たな研究で、豆乳を飲んでいる人は、豆乳・牛乳などのミルクを飲まない人に比べて、認知症の発症リスクが低くなる可能性が示されました。 この研究は中国の中山大学によっておこなわれ、その研究結果は「Clinical Nutrition」という栄養学の専門誌に掲載されています。 30万人以上の医療データを解析 今回、研究グループは、イギリスの大規模データベース「英国バイオバンク」に登録されている、30万7231人(平均56.3歳)を対象に調査を実施。調査前に「ミルクを飲む習慣があるかどうか」や「牛乳や豆乳など、どのような種類のミルクを飲むか」といった質問をおこない、その後追跡して調べました。 追跡期間は中央値で12.3年。その間に認知症を発症した人は3789人でした。 豆乳を飲むと認知症リスクが下がる 研究グループが統計的に解析をおこなった結果、豆乳を飲む人は豆乳や牛乳を含むミルクを飲まない人に比べて、認知症の発症リスクが31%低下したことが判明。また、豆乳ではなく、牛乳を飲む人と比べても、認知症リスクが24%下がったことが明らかになりました。 研究グループは、「豆乳の摂取量や摂取頻度によって、認知症リスクがどのように変わるかについては、さらなる調査が必要である」としています。 日本豆乳協会によると、豆乳の原料である大豆には、がんや骨粗鬆症を予防するとされるイソフラボン、動脈硬化を抑制するとされる大豆たんぱく、肥満予防に効果的だとされるサポニンなどさまざまな栄養が含まれているそうです。 豆乳は単に飲むだけでなく、豆乳鍋やパンケーキなど幅広い料理に使えるのが特徴。日々の食事に豆乳を活用してみてはいかがでしょうか。 参考:「各種ミルクの中でも豆乳の摂取が認知症リスク低下と関連」(CareNet) 参考:「豆乳の栄養成分」(日本豆乳協会)

2023/10/19

地域の取り組み 認知症

認知症の方によるレストラン!?店長と料理長として、もう一度お店に

東京都八王子市で、認知症当事者が店長と調理長を務めるレストランがオープンしました。発生した収益は材料費やスタッフの謝礼に使われ、今後、月2回ほど店を開くといいます。 認知症当事者がレストランをオープン 認知症当事者である男性2人が店長と調理長を務めるレストランが、東京都八王子市でオープン。ポークカレーとキーマカレー、合わせて50食を訪れた一般客に提供しました。 2人は、認知症になる前は飲食店を営んだりファミリーレストランの店長をしていたりしたといいます。現在は2人とも市内にあるデイサービスに通っており、そこで「もう一度お客さんの前に立ちたい」という思いを打ち明けたそうです。 2人の思いを聞き入れたデイサービスの事業者は、市内のシェアキッチンを借り、店舗の準備をスタート。一定の準備期間を経て今回の実施にこぎつけたといいます。 店長と調理長という大役を担った男性2人は、「調理場に立つと昔のことを思い出して懐かしくなる」「また店に立てて良かった。帰るときに『おいしかった』と言ってもらえるとうれしい」と話しているそうです。 料理をすることが認知機能の改善にも 最近の研究で、料理をすることがさまざまな心身機能の改善につながる可能性が示されています。 京都教育大学の湯川夏子氏は、各地の高齢者施設などでおこなわれている「料理療法」を「料理活動を介して、心身の障害の機能回復や情緒の安定、豊かな人間関係の構築と生活の質の向上を目指すもの」と定義。料理がもたらす効果を、自身の論文で示しました。 また、アメリカの研究で、調理が認知症の症状の改善にもつながることが示唆されています。具体的には、メニューを考える、複数の作業を平行しておこなう、冷蔵庫にある食材を思い出すなどの調理にまつわる一連の行為が、認知症やその前段階である軽度認知障害において特に低下しやすい種類の認知機能を刺激するそうです。 料理をすることは、「自分にも美味しい料理が作れる」「みんなの役に立てた」という自尊心の回復にもつながります。今回紹介したような取り組みがさまざまな場所で広がっていけば、認知症になってもより豊かに生きられる社会になりそうですね。 参考:「料理療法 ─調理による認知症ケアと予防の効果─」(日本調理科学会)

2023/10/12

社会保障 認知症 認知症の薬

認知症治療のための保険!?費用の負担が減り高額な薬も使いやすく

東京海上日動火災保険株式会社と製薬大手のエーザイ株式会社は、認知症の早期発見や早期治療を支援する「認知症治療支援保険」を共同で開発したことを明らかにしました。エーザイが開発した認知症治療薬「レカネマブ」とともに活用してもらうことで、認知症の早期治療につなげるねらいがあるといいます。 「認知症治療支援保険」で認知症治療をサポート 東京海上日動とエーザイは、認知症の発見や治療を支援する「認知症治療支援保険」を開発したと発表しました。 エーザイが開発した認知症治療薬「レカネマブ」を処方してもらうためには、脳内に異常な物質が蓄積しているかどうかを確認する「PET検査」などを受ける必要があります。 しかし、こうした検査には一定の自己負担を要することも事実。そこで、認知症治療支援保険にあらかじめ加入しておけば、検査で軽度認知障害や認知症であると診断された段階で検査の費用等に充てられる一時金が支給されるそうです。 また、アルツハイマー病による軽度認知障害またはアルツハイマー型認知症だと診断された場合は、認知症治療薬による治療費用等に充てられる一時金も支給されるといいます。 加入者に認知機能を測定するツール「のうKNOW」を提供 さらに付帯サービスとして、認知症治療支援保険の加入者に「のうKNOW」という認知機能の測定ツールを提供することも明らかにしました。 この「のうKNOW」とは、どのようなツールなのでしょうか? のうKNOWとは、エーザイが開発した、パソコンやスマートフォンなどのデバイスから脳の健康度を測定するデジタルツールのこと。トランプカードを使ったゲーム感覚でできる4つのテストを受けることで、「記憶する」「判断する」「考える」などのパフォーマンスを自分で確認できるといいます。 担当者は「認知症との共生社会実現に向けて、さまざまな企業や団体と連携し、ネットワークを拡大していくことで、社会課題の解決につながる取り組みを進めていく」としています。 新たな認知症治療薬「レカネマブ」は、薬の価格が高額なことがネックでした。今回の取り組みが広まっていけば、経済的な負担を気にせず、治療に専念できるようになるかもしれませんね。 参考:「『のうKNOW』公式サイト」

2023/10/11

認知症 調査結果

認知症が原因で離婚!?認知症後期よりも前期のほうが離婚につながる

新たな研究で、配偶者のどちらか一方が後期の認知症を患っている人は、離婚の可能性が低くなる傾向が示されました。 この研究はアメリカのミズーリ大学によっておこなわれたもので、その研究結果は「PLOS ONE」というオンラインの科学誌に掲載されています。 配偶者が認知症後期の人は離婚しにくいことが判明 今回、研究グループは全米37ヵ所のアルツハイマー病研究センターからデータを収集。婚姻または内縁関係にあったがのちに離婚した263組と、その比較対象として1238組のカップルのデータをそれぞれ解析しました。 その結果、配偶者のどちらか一方が後期の認知症を患っている夫婦では、離婚の可能性が低くなることが示されたのです。一方、認知症になった配偶者が認知症前期で攻撃的になったり抑うつ状態になったりすると、離婚の可能性が高まることが示唆されました。 この結果について、研究グループは「認知症の症状が高度に進行した状態であれば、ささいなすれ違いも認知症の症状によるものだと認めやすくなる。しかし、症状がそこまで進行していない状態だと、配偶者の攻撃的な言動が意図したものだと捉えられ、離婚につながりやすくなる」と分析しています。 精神面の不安定さにアプローチすることが重要 ミズーリ大学がおこなった今回の研究で、認知症を患った高齢者の不安定な精神状態に、多角的なアプローチをすることの重要性が改めて示されました。 薬物療法などの医療的なアプローチはもちろんのこと、配偶者も認知症の精神症状を落ち着かせるような生活の工夫をすることが重要です。 アメリカの国立老化研究所は「認知症患者とその配偶者は、なるべく一緒に食事をしたり睡眠を取ったりすることが大切だ。心を落ち着かせるような音楽をかける、散歩をする、物をむやみに散らかさないなどの行為も有効かもしれない」としています。 もちろん、生活を工夫しても認知症の精神症状に悩まされることも考えられます。今まさに配偶者の認知症の症状で悩んでいる人は、夫婦で抱え込むと共倒れになるリスクもあるため、早めに地域の地域包括支援センターなどに相談してみることをおすすめします。

2023/10/04

人材不足 最新テクノロジー 認知症

高齢者向けロボット「だいちゃん」新機能!より快適なやり取りが可能

以前の記事で、認知症を患っている高齢者向けのコミュニケーションロボット「だいちゃん」について紹介しました。今回はその続報です。 認知症の高齢者向けロボットの開発・販売や介護施設の運営などをおこなっているザ・ハーモニー株式会社は、自社が開発した認知症の高齢者向けのコミュニケーションロボット「だいちゃん」に新機能を搭載したことを明らかにしました。 具体的には、あらかじめ設定することで、「だいちゃん」と会話できる「おはなしモード」から「うたモード」に自動で切り替えることが可能に。これにより、利用者がより集中して「だいちゃん」とのコミュニケーションに取り組めるようになるといいます。 コミュニケーションロボット「だいちゃん」について そもそも、「だいちゃん」とはどのようなロボットなのでしょうか? 「だいちゃん」は、ザ・ハーモニーが自社の高齢者施設で培った知見を活かし、認知症の高齢者が楽しくコミュニケーションに取り組めるように開発されたぬいぐるみ型のコミュニケーションロボットです。 「だいちゃん」にはザ・ハーモニーが独自に開発したAIが搭載されており、認知症を患っている高齢者の会話のテンポに合わせたコミュニケーションが可能。具体的には、以下のような機能が搭載されているといいます。 おはなしモード:「だいちゃん」が利用者と同じテンポで会話をおこなう クイズモード:ことわざや都道府県に関するクイズを「だいちゃん」が出題 うたモード:「だいちゃん」が歌を披露するモード セリフ機能:利用者が嫌がることも少なくない入浴や服薬を「だいちゃん」がお願いし、スムーズな介護につなげる機能 ザ・ハーモニーは、「だいちゃん」とのコミュニケーションを通じて、認知症の人が抱える不安や意欲低下などの症状を和らげられるとしています。 「おはなしモード」から「うたモード」に自動で切り替え可能 ザ・ハーモニーが「だいちゃん」の導入施設で検証をおこなったところ、「だいちゃんと会話していた利用者が、一定時間経過すると疲れてきてしまう」などの声が挙がったといいます。 それを受けて、ザ・ハーモニーは「だいちゃん」に、あらかじめ設定することで「おはなしモード」から「うたモード」に自動で切り替わる機能を新たに搭載。10分程度でモードが切り替わるようにしておくと、利用者がより集中してコミュニケーションに取り組むようになるそうです。 また、「おはなしモード」や「セリフ機能」で「だいちゃん」が話すセリフのバリエーションも新たに追加。より多彩な場面でコミュニケーションがおこなえるようになったといいます。 今回紹介した「だいちゃん」がさらにさまざまな場所で普及していけば、介護者の負担が軽減され、より手厚いケアを提供できるようになるかもしれませんね。

2023/09/28

社会保障 認知症

認知症のための会社設立!?医者と対話できるアプリなどの商品開発

アルツハイマー病の進行を遅らせる治療薬を開発したエーザイ株式会社は、9月12日に認知症の臨床試験などのデータを活用する新会社「テオリアテクノロジーズ」の設立を発表。患者と医師が対話できるアプリなどを開発し、認知症の正しい理解を促していくとしています。 エーザイが新会社を設立 2023年9月12日、製薬大手のエーザイは、新会社「テオリアテクノロジーズ」の設立を明らかにしました。資金準備金など計7億円はすべてエーザイが出資。2024年4月に控える事業開始日までに、外部からデータサイエンティストなどのデジタル人材を集めていくとしています。 新会社では、患者と医師が対話できるアプリや、認知症の発症リスクを予測するアルゴリズムの開発などをおこなう予定。根強い偏見があり、健診などを渋る人も少なくない中、対話ツールなどを通じて、認知症への正しい理解や認識を促していくといいます。また、保険会社などとも連携し、認知症の保険商品を開発することも検討していく構えを見せています。 健診を受ける人は認知症リスクが下がる 千葉大学がおこなった新たな研究によると、健康診断を定期的に受診する人は、そうでない人に比べて認知症リスクが低下する可能性が示されました。 研究グループは、65~74歳の高齢者3万1012人を対象に、健診受診と認知症発症との関連性を分析。その結果、過去1年以内に健診を受診した人は、受診していない人に比べて5年間の認知症発症リスクが約13%低下したことが明らかになりました。 以上の結果を受けて、研究グループは「健診や特定保健指導で、生活習慣病を予防できれば将来の認知症リスクを減らすことができるかもしれない」と述べています。 認知症以外に、心筋梗塞や脳卒中などの致命的な疾患を予防するためにも健診は重要です。近くの自治体で健診を受けられることもあるので、チェックしておくと良いかもしれませんね。 出典:「健診受診者で認知症リスク13%少ない 」(千葉大学)

2023/09/22

最新研究 認知症

オリーブオイルで認知症の死亡リスクが低下!?毎日の摂取がおすすめ

新たな研究で、オリーブオイルを摂取する習慣がある人はそうでない人に比べて、認知症による死亡リスクが低下する可能性が示されました。 今回の研究はハーバード大学公衆衛生大学院の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は米国栄養学会の「Nutrition2023」にて発表されました。 オリーブオイルを摂取した人は認知症の死亡リスクが低下 今回、研究グループは1990~2018年に収集された9万2393人の食事アンケートを分析。対象者のうち、4749人が追跡期間中に認知症で死亡したことがわかりました。 研究グループが対象者のデータを解析した結果、1日あたり大さじ半分以上のオリーブオイルを摂取した人はそうでない人に比べて、認知症による死亡リスクが28%低下したことが明らかになりました。 さらに、1日あたり小さじ1杯のマーガリンやマヨネーズを同量のオリーブオイルに置き換えると、認知症による死亡リスクが8~14%低下することが示されたのです。 オリーブオイルに含まれるポリフェノールがカギ 研究グループが今回の研究を実施するきっかけとなったのは、オリーブオイルをふんだんに使う、アクアパッツァやアヒージョなどの「地中海食」の健康効果が高い関心を集めたからでした。 しかし、今回の研究によると、オリーブオイルを積極的に摂取していた人は、食事の内容にかかわらず認知症の死亡リスクが減少したことが判明。オリーブオイルに豊富に含まれるオレオカンタールというポリフェノールをはじめ、ビタミンEや不飽和脂肪酸が好ましい結果につながったとみられています。 ハーバード大学公衆衛生大学院に所属するアンジュリー・テシエ氏は「今回の研究で、マーガリンやマヨネーズなどの(人工的な)脂肪の代わりに、天然物であるオリーブオイルを使用するほうが、致命的な認知症のリスクを下げられる可能性が示された」と述べています。 パスタなどの地中海食だけでなく、さまざまな場面で活用できるオリーブオイル。ぜひ、日々の食事に取り入れてみてくださいね。 参考:「Opting for olive oil could boost brain health」(the American Society for Nutrition)

2023/09/21

お役立ち情報 認知症

認知症でも仲間の手を借り絵画の制作。蛭子能収氏「最後の展覧会」

漫画家やタレントとして活躍していた蛭子能収氏が9月8日、新作絵画17点を集め、「最後の展覧会」と題した個展を開催しました。蛭子氏は2020年に認知症を公表。現在は表舞台から遠ざかり、通院したりデイサービスに通ったりして日々を過ごしているといいます。 蛭子氏の認知症について 蛭子氏は2020年に、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の合併症であることを公表しました。 ところで、この二つの認知症はそれぞれどのような疾患なのでしょうか? アルツハイマー型認知症は認知症のタイプの中で最も多い割合を占めているもの。脳内に「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、脳全体が萎縮することで発症すると言われています。現在、完全に治す方法は確立されておらず、一度発症すると確実に認知機能の低下が進行していきます。 一方、レビー小体型認知症は脳全体に「レビー小体」と呼ばれる異常物質が沈着して発症すると考えられています。レビー小体型認知症では、認知症に共通する認知機能の低下に加えて、本来存在しないものが見える「幻視」や、身体全体が動かしにくくなったり震えたりする「パーキンソン病」などの症状が合併して起こりやすいとされています。 「最後の展覧会」と題した個展を開催 二つの認知症を患った蛭子氏は、一時期は創作活動から遠ざかっていたものの、2022年の秋頃から仲間の手を借りながら再スタート。2023年9月8日に新作絵画を集めた個展の初日を迎えました。今回の絵は蛭子氏がこれまで描いていたモノクロの画風とは異なり、色鮮やかな抽象画なのだといいます。 作品を見たファンからは「原色じゃない色で描かれているのが素晴らしいと思った」「いろんな絵の具の表情を出せることに驚いた」などの声が挙がっているそうです。 「最後の展覧会」と題した蛭子氏の個展は、9月末まで東京の南青山で開催されるそうです。蛭子氏が放つ色彩豊かな作品を見たい人は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

2023/09/14

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

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グループホームとは認知症高齢者のための介護施設で、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスのこと。正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 費用や入居条件などの主な特徴は以下の通りです。 入居時費用約0円~100万円月額利用料約15~30万円入居条件要支援2以上認知症の受け入れ重度認知症も受け入れ可看取り対応対応していない施設が多い この記事では、各項目について詳しくご説明していきます。ご家族が認知症で、在宅での介護生活に不安のある方などはとくに、グループホームへの入居検討の際の参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM グループホームの特徴 グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 項目 ...

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