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ニュース

#認知症

#認知症 #調査結果

ドラムを叩けば認知症の進行度がわかる!?楽しく認知テストを受けよう

新たな研究で、高齢者がドラムを叩いているときの腕の角度で、認知症の進行度を測れる可能性が示されました。 この研究は東京大学先端科学技術研究センターの研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Frontiers in Rehabilitation Sciences」という学術誌に掲載されています。 評価方法のバリエーションを増やすことが重要 認知症の人が残された能力を最大限発揮して日々を過ごしていくためには、できる限り早い段階で認知症を発見し、適切なケアをおこなっていくことが重要です。 簡易的に認知症かどうかを調べるために、現在、広くおこなわれている方法として、ペーパーテスト方式でおこなう認知機能検査が挙げられます。しかし、認知機能の低下が進んでいる人ほど検査の必要性が理解できず検査を拒否してしまう傾向があります。 また、対象者に視覚や聴覚に障害があると、正しい得点が得られないこともあります。 研究グループは、以上のような課題を解決するためには、評価方法のバリエーションを増やすことが重要だと指摘しました。 ドラムを叩く角度と認知機能に関連性あり そこで今回は、特別養護老人ホームに入居している16人の高齢者(平均年齢86歳)を対象に調査を実施。対象者の手首に、動きを感知するセンサーが搭載された腕時計型の装置を装着して、ドラム演奏中における腕の振りの速さの平均値と腕を上げる角度の平均値を調べました。 その結果、認知機能の低下が進んでいる人ほど、ドラムを叩く腕の角度が上がっていないことが判明。一方、認知症の重症度とドラムを叩く速さは関係がないことも明らかになりました。 以上の結果を受けて、研究グループは「ドラム演奏時の腕の角度が認知機能と関連していることがわかった。また、ドラム演奏に必要な動きは認知症がある人や力が衰えた人でもできるため、この手法が広く普及すれば、認知症の早期発見や重症化の抑制など、認知症治療において大きな貢献が期待できる」と述べました。 認知症を患っている人の中には、自分ができないことを認めたくなくて認知テストなどを受けないという人も少なくありません。しかし、今回のドラムを演奏してもらうという方法なら楽しんでできるため、自分から進んでやってくれるかもしれませんね。 参考:「ドラム演奏で簡単に認知症重症度をスクリーニング ―認知症があっても「できること」で機能評価―」(東京大学先端科学技術研究センター)

2023/06/02

#認知症

にしおかすみこさんのコラム『ポンコツ一家』が書籍化!認知症の母とのドタバタが赤裸々に

お笑い芸人のにしおかすみこさんが、認知症になった母や家族と過ごす毎日を描いた『ポンコツ一家』が講談社ら書籍化されました。 『ポンコツ一家』は元々講談社が運営するwebサイト「FRaU」で連載されていたものです。 『ポンコツ一家』で描かれた母 ポンコツ一家の帯にはこう書かれています。 『家族紹介。母、80歳、認知症。姉、47歳、ダウン症。父、81歳、酔っ払い。ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。全員ポンコツである。』 にしおかさんは「どんな状況や病気だってポンコツな人はいない」と前置きしながら、愛を込めて自分も含めた家族のことをポンコツと呼ぶことにしたとしています。 にしおかさんによると、一年ぶりに実家に帰ると、家はほこりやゴミで溢れていたそう。母を家の中で見つけるも、掃除をまったくしないくらい無気力になっていたと言います。 見かねたにしおかさんが掃除をしようとすると、「余計なことをするんじゃないよ!偉そうに、何様なんだよ」と激怒されたそうです。にしおかさんが言い返すと今度は「もう嫌だ!頭かち割って死んでやる」と言い放ったのです。 これを聞いたにしおかさんは、母の様子がおかしいことを感じ、一緒に住むことを決めたそうです。 母親を襲った認知症について 帯にもあるように、にしおかさんの母親は認知症になっていたのでした。 無気力になって掃除など身の回りのことをしなくなる、急に感情のコントロールができなくなって怒り出すなどは、認知症に典型的な症状です。 にしおかさんのように、認知症になった家族と同居してともに生活する人も少なくないでしょう。大変なことも多い中で、こういった体験記があると励まされそうですね。

2023/01/26

#介護予防 #最新テクノロジー #認知症

匂いで認知症の兆候を測定!?ソニーが「におい掲示装置」発表

嗅覚測定を受けたことのある人はいるでしょうか? 匂いの検査はとても重要で、嗅覚の異常で認知症などさまざまな病気の兆候が分かると言われています。しかし現在、嗅覚の検査はあまり身近なものではありませんよね。今日は、将来的に嗅覚の検査を簡単におこなえるようになるかもしれない、そんな話題をお伝えします。 簡単に匂いを測定できる装置 ソニーは今月5日、人間の嗅覚を簡単に測定できる「におい掲示装置」を開発したと発表。来年の春から企業や研究者向けに売り出します。開発目的としては、手軽な嗅覚測定から認知症などにつながる兆候も早期に察知できる装置にすることを目指すとしています。 装置の仕組み 使い方は、装置にある穴に鼻を近づけて使用します。匂いのもととなる臭素(しゅうそ)を手軽に制御できる仕組みを搭載し、40種類の匂いを出すことができるそうです。 さらに装置の中は密閉されているので、強い匂いであっても外に漏らさず封じ込めます。香りの強さも調節でき、使った後は中の残った匂いをすぐ除去することが可能です。 ソニーによると、認知症やパーキンソン病の場合、発症する前から嗅覚の機能が低下する傾向があり、嗅覚を正しく測定できれば、脳の知能低下が早く発見できる可能性があるとのことです。 従来の検査の状況 嗅覚の検査は現在もおこなわれていますが、複数の臭素を準備をするのに手間がかかる、匂い漏れを防ぐために、別のスペースや装置が必要といった理由で視力検査等に比べると 一般的ではないのが現状です。 現状と今後について 当面は医療機器ではなく、研究用途として売り出される予定で推定価格は230万円前後です。今後、5分から10分で8段階ほどで測定できるようにする方針で、視力や聴力などと同様に健康診断などで一般的に取り入れられるようにしたいとしています。 色々なところで使えるようになるかも? 嗅覚異常が認知症のサインだということは、あまり知られていませんが、これからひとつの常識になるかもしれないですね。 また、今回の「におい提示装置」についてソニーの新規ビジネス・技術開発本部の櫨本修副本部長は、「将来はエンタメ領域での新体験創出も目指したい」と話しているので、検査以外の展開にも期待したいと思います。

2022/10/14

#地域の取り組み #認知症

「世界アルツハイマーデー」官公庁にオレンジリングが浮かびあがる

1994年に「国際アルツハイマー病協会」が世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定しました。この日を中心に認知症の啓蒙活動をおこなっています。また、毎年9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、さまざまな取り組みに力を入れています。 日本でも、公益社団法人「認知症の人と家族の会」がポスターやリーフレットを作成し、認知症への理解を呼びかける活動をおこなっています。 各庁舎にシンボルが浮かび上がる 厚生労働省と認知症施策推進の関係省庁では、庁舎の窓ガラスに認知症サポーターのシンボルである「オレンジリング」が浮かび上がりました。これは「オレンジリングドレスアップ」という取り組みの一環です。 オレンジリングとは、認知症について正しく理解し認知症の人や家族をあたたかく見守る支援者である「認知症サポーター」の目印。オレンジ色のリングは認知症の理解者のシンボルなのです。 厚生労働省では、9月20日~22日までオレンジリングドレスアップがおこなわれ、撮影会も実施されました。 私たちにできることは? 世界アルツハイマーデー・月間は、認知症に関わるすべての人のものです。この機会を利用し、認知症の理解を深め正しい知識を学んでみてください。 また、介護家族と本人への支援を考え、認知症になっても安心して暮らせる社会づくりに参加する…。難しいようですが、個々に認知症への考え方や意識を変えるだけで認知症の人にとっての環境はだいぶ変わってくるのではないでしょうか? 世界アルツハイマーデーのイベントや講演会に参加する、ポスターに目を止めたり、リーフレットを読んでみる…できることは、まだまだありそうですね。 きっかけは世界アルツハイマーデー・月間から、そうして小規模なボランティアや地域の活動に参加するなど、小さなことから認知症の方が安心して暮らせる社会に関心を持つ人が増えたら良いですね。

2022/09/29

#地域の取り組み #社会問題 #認知症

世界アルツハイマー月間に合わせ、日本各地がオレンジ色にライトアップ!

毎年9月21日は、国際アルツハイマー病協会と世界保健機関(WHO)が共同で「世界アルツハイマーデー」と制定しています。9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、世界中で様々な取り組みがおこなわれます。 今回は、世界アルツハイマー月間に合わせて日本各地でおこなわれているライトアップのイベントを紹介します。 奈良県奈良市から 奈良市役所本庁舎では、18日からオレンジ色のライトアップが実施。この取り組みは、公益社団法人「認知症の人と家族の会」県支部によるものです。 点灯は、22日までの午後6時〜9時。21日午後7時からは、動画投稿サイト「ユーチューブ」で全国各地のライトアップの様子がライブ配信されました。 長野県伊那市から 伊那市高遠町では、高遠ダムがオレンジ色にライトアップされ、温かみのある光が周囲を照らし出しました。 高遠ダムのライトアップは昨年から実施され、3つのゲートそれぞれにオレンジ色のライトを当てて演出。点灯は午後6時半〜同10時にかけておこなわれました。 高遠ダム管理所の担当者は、「認知症を正しく知って理解を深めてもらうことで、偏見なく誰もが仲良く暮らせることにつながってほしい」と思いを寄せています。 栃木県足利市から 足利市では、福居町のトチセン(旧足利織物)赤レンガ捺染(なっせん)工場、サラン工場、史跡足利学校、足利織姫(おりひめ)神社の3ヵ所でオレンジ色のライトアップがおこなわれました。 活動に取り組む「RUN伴(とも)+足利・佐野実行委員会」が中心となり、2020年からライトアップをおこなっています。 同会の代表、柳義則(やなぎよしのり)さん(45)は「ライトアップを見て、誰にでも起こり得る認知症について少しでも考えてほしい」と話しています。 ライトアップは日没から。足利学校は午後9時まで、トチセンと織姫神社は午前0時までおこなわれました。 各地のライトアップイベントを通して、認知症への理解が一段と深まることが期待されますね。

2022/09/28

#社会問題 #認知症

あなたもきっと共感できる!第22回有老協・シルバー川柳入選作品発表

全国有料老人ホーム協会が敬老の日に向けて毎年公募している有老協・シルバー川柳の入選作品が発表されました。今年で22回を数える今回は、14639句が寄せられました。 有老協・シルバー川柳とは、 同協会が2001年から公募を開始しました。題材としては高齢者の日常や高齢化社会に関するものであれば一切制限を設けず、応募資格も一切ないためシニア層以外の幅広い年代から川柳が集まります。ちなみに、今回の応募者の最年少は9歳、最年長は107歳でした。 男女比率と傾向 応募者の男女比は男性が63.3%、女性36.3%と昨年に比べ、男性が多い結果となったそうです。題材の傾向として、コロナ関連や定番の「物忘れ」などのワードが目立ちながらも野球で活躍する大谷翔平選手の「二刀流」や「マイクロチップ」など、ニュースやエンタメなどで印象的なワードや時事ネタを盛り込んだ句も見受けられました。 「入選作一部抜粋」 実は俺点滴、湿布の二刀流         誤送金待てど暮せど来ぬわが家        犬猫にマイクロチップ次は俺お年玉持続可能か聞くな孫戒名にキラキラネーム欲しい父名所よりトイレはどこだバスツアー冬の日の一番風呂は命がけ入れ歯どこ冷蔵庫です冷えてます弟でひとり薄毛の変異株黙食と思っていたら寝てた祖父                         銭湯で全裸の祖父がマスクつけ このように共感でき、思わず笑ってしまうようなバラエティー豊かな句が多くありました。 川柳の魅力 川柳は、生活の中で何気なく感じているものを切り取って短い文字にまとめ共有できるもの。それを色々な人が見ることで「そうそうあるよね」と共感したり、「自分と同じような悩みを持っている人がいるな」と安心する、または「こんな事もあるのか」と新しい発見があったり、短い文字数の中でたくさんのことを読み取れることが魅力ですよね。 来年はどんな川柳が見られるのか楽しみですね。

2022/09/15

#お役立ち情報 #認知症 #認知症対策

イギリス発、認知症のおばあちゃんと孫の愛の物語が日本で発売!

大切な家族が認知症になってしまったとき、一番悲しいのは自分たちとの思い出を忘れていくことではないでしょうか。 楽しかった思い出、悲しみや苦しみを共に乗り越えた思い出、さらには日常生活に必要な記憶も消えていく…。こちらの気持ちまで沈んでしまいそうになりますよね。 そんなとき、気持ちを前向きにしてくれる何かがあれば、と思う方は多いことでしょう。今回は心の休息のお供にできる素敵な絵本を紹介します。 イギリス発、あたたかい家族愛の物語 小学館から、絵本「わすれないでね ずっと だいすき」が発売されました。この本は編集者の実体験に基づく、イギリス発のおばあちゃんと孫の愛の物語です。 私たちにとって一番大切なことを教えてくれる、気持ちが前向きになる一冊となっています。 編集者の切なく優しい願い 「わすれないでね ずっと だいすき」はイギリスの翻訳絵本です。「同じ悲しみのなかにいる人たちの力になることを願って」と、父親が認知症になり思い悩んでいた編集者の発案で生まれました。 孫のことを忘れてしまったおばあちゃんと「ぼく」のやり取りには、認知症の人への寄り添い方のヒントが隠されています。 日本語訳版の監修は、約15万部のヒット作「認知症世界の歩き方」(ライツ社)の著者である筧裕介氏(慶應義塾大学院特任教授・認知症未来共創ハブ運営委員)です。 筧氏は「認知症のある方ご本人と周囲の方との、自然で素敵な関係性が描かれた、魅力的な絵本です。お子さんと両親、祖父母など三世帯で共に読むことをお勧めします。」とコメントしています。 おばあちゃん、おじいちゃんのことが大好きなご家族はもちろん、高齢の方との向き合い方に悩んでいる方、お子さんに認知症のことを知ってもらいたい親御さんにぜひ手に取ってもらいたい、深くあたたかい本です。 9月のアルツハイマー月間、そして敬老の日に家族でこの絵本を読んで、優しい気持ちに包まれてみるのもいいかもしれませんね。

2022/09/12

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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