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近年、サウナがブームになる中、サウナの利用中に緊急搬送されるケースもあると言います。 そこで、福島県郡山市の消防本部が、過去10年間に管轄地域内で起きた、サウナ利用者の緊急搬送に関する調査を実施。その結果、60代や70代といった高齢者が救急搬送されるケースが最も多かったことが明らかになりました。 高齢者世代の事故が過半数を占める 郡山地方広域消防組合は、2013~2022年の期間に管轄する4つの市町で起きた、サウナの利用によって体調が悪くなり、救急搬送されたケースの傾向を分析しました。 その結果、救急搬送された101件のうち、36件が70代によるものであったことが判明。また、次に多かったのが60代で26件でした。つまり、60代と70代の高齢者世代で事故件数の過半数を占めていたことが明らかになったのです。 次に、救急搬送された101件を症状別にみると、「失神・意識障害」が30件で最多に。それから、「熱中症・脱水症状」が24件、「脳卒中などの脳疾患」が5件と続きました。 消防は「失神すると転倒のリスクが高まるほか、冷水浴中に溺れる恐れがあるため大変危険な状態にあると言える」と述べています。 注意するポイント では、サウナを楽しむためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか? 消防は、サウナに入る際は特に以下の3つについて注意してほしいと呼びかけています。 持病がある場合は医師に相談して、その日の体調を確認する 水分補給はしっかりとおこない、飲酒後は入らない 無理をせず、小まめに休憩を入れながらサウナを楽しむ 消防によると、救急要請があった101人のうち半数以上が糖尿病や高血圧、心疾患など何らかの持病があったことが明らかになったそうです。 サウナに入ると、血管の収縮と拡張が極端におこなわれるため、血圧が乱高下しやすいと言われています。持病がある人は特に危険な状態に陥りやすいため、その日の体調を見極めて、無理をしない程度に楽しんでいきたいですね。 参考:「サウナに関連した救急統計について」(郡山地方広域消防組合)
2023/06/28
日本肝臓病学会が、肝臓病の早期の発見・治療を目指す「奈良宣言2023」を発表。一般的に肝臓の状態を測る指標として用いられている「ALT」の値が30以上だった場合、速やかに医師に相談してほしいと呼びかけています。 肝臓病の症状 そもそも肝臓はどんな働きをしているのでしょうか? 日本肝臓学会によると、肝臓は身体に必要な物質をためたり、逆に不要な物質を解毒・排泄したりする「化学工場」のような役割を果たしていると言います。具体的には、エネルギーの原料となるブドウ糖をためたりアルコールを分解したりしています。 しかし、運動不足や食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなど生活習慣が乱れると肝臓が弱っていき、対策をしなければ肝硬変や肝臓がんにもつながると言われています。ただ、肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど我慢強く、かなり肝臓病が進行しなければ具体的な症状は表れにくいそうです。 そこで、肝臓の状態を把握するのに大切なのが血液検査。肝臓の細胞が壊れると、ALTという肝細胞に含まれる酵素が血中に漏れ出すため、血液検査をすることで肝臓の状態がわかると言います。 「奈良宣言2023」を発表 2023年6月、日本肝臓学会は奈良県で総会を開催。そこで、肝臓病の早期発見と治療を目指す「奈良宣言2023」を発表しました。 健康診断などで広く用いられているALT値が、30を超えていたら慢性腎臓病の可能性があるそうです。日本肝臓学会は「肝臓に関する詳しい検査を受けて、異常が見つかったらできるだけ早く医師に相談してほしい」と呼びかけています。 肝臓病を予防するには、生活習慣を見直すことが有効。ウォーキングなど日々の生活に運動を取り入れてみたり、アルコールを飲み過ぎている人はお酒の代わりにコーヒーやお茶を楽しんでみたりと、生活を工夫してみると良いかもしれませんね。 参考:「肝臓病の理解のために」(日本肝臓学会)
2023/06/26
新たな研究で、日本人のおよそ98%がビタミンD不足に陥っている可能性が示されました。 ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収がしにくくなって、骨がもろくなります。結果として、特に高齢者では骨折や骨粗しょう症のリスクにつながると言われています。 この研究は東京慈恵会医科大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Nutrition」という学術誌に掲載されています。 日本人の98%がビタミンD不足 今回、研究グループは、2019年4月~2020年3月に東京都内で健康診断を受けた、健康な男女5518人を対象に調査を実施。島津製作所と共同で新たに開発した分析システムを用いて、血液中のビタミンDの濃度を測定しました。 その結果、対象者の98%が日本代謝内分泌学会・日本整形外科学会が提唱するビタミンDの基準濃度(30ng/mL)に達していないことが明らかになったのです。 また、今回測定されたビタミンDのほとんどが動物性あるいは日光に由来するもので、きのこ類などが含んでいる植物性のビタミンDはほとんど検出されなかったことも判明しました。 今回の結果を受けて、研究グループは「食生活の変化によって、現代人の多くはビタミンDが不足していることがわかった。今後、超高齢化社会を迎えるに当たって、高齢者の骨折や骨粗しょう症を防止するためにも、ビタミンDが不足している現状に対して早急な介入が必要だ」と警鐘を鳴らしています。 ビタミンDを上手に摂取する工夫 ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にしたり筋力を高めたりする働きがあるため、高齢者は特に摂取しておきたい栄養素です。 では、どうすればビタミンDを上手に摂取できるのでしょうか? 骨粗しょう症財団によると、イワシやサンマ、サケなどの魚類やシイタケなどのきのこ類にビタミンDが豊富に含まれているそうです。 また骨粗しょう症財団は、以下のような工夫もビタミンDを摂取するのに有効だとしています。 ビタミンDといっしょにカルシウムも摂る シイタケは紫外線に当てるとビタミンDが増えるため、食べる前に天日干しをする ビタミンDは人間が日光に当たることでも、体内で生成されます。天気が良い日は積極的に外に出て、ビタミンDの生成を促すと良いかもしれませんね。 参考:「Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry」(Science Direct) 参考:「ビタミンDを多く含む食品・ビタミンKを多く含む食品」(骨粗鬆症財団)
2023/06/20
富山県入善町が、皮膚の色素から野菜の摂取量を測定できる装置を導入。6月2日に、町内のショッピングセンターで測定会が開かれました。 入善町では「減塩いいね!」と呼ばれる、高血圧などの生活習慣病を予防するための減塩運動を実施。今回、どれくらい野菜を食べているかを町民に知ってもらい、塩分を排出するとされる「カリウム」が豊富な野菜の摂取量を増やして、健康寿命の延伸につなげるねらいがあります。 野菜の摂取量を皮膚の色素から測定 2023年6月2日、入善町のショッピングセンターで、野菜の摂取量を測定できる装置「皮膚カロテノイド測定器」を使った測定会がおこなわれました。 「皮膚カロテノイド測定器」のセンサーに指をかざすと、装置が皮膚の色素を測定。そのデータから、野菜の摂取量が足りているかどうかを5段階で確認できるとしています。 今回おこなわれた測定会では、保健師や管理栄養士も立ち合い、測定会に訪れた人に野菜の摂取量を増やすアドバイスをしていたと言います。 入善町の担当者は「野菜の摂取量が足りているかどうかわからない人がほとんどだと思う。今後も測定会を継続的におこない、食生活の改善に役立てたい」と話しました。 町民の健康寿命の延伸を目指した測定会は、今後も町内のスーパーや保健センターなどで実施していく予定だそうです。 塩分を5g未満に WHO(世界保健機関)は、塩分が過剰な食生活を続けていると高血圧などのリスクが高まるとし、1日の塩分摂取量を5g未満に抑えるように呼びかけています。 しかし、日本人の塩分摂取量は特に高いと言われていて、医薬基盤・健康・栄養研究所のデータによると、日本人の平均的な1日当たりの塩分摂取量は約10g。WHOが定める量のおよそ2倍であることが明らかになっています。 では、どうすれば減塩できるのでしょうか? WHOによると、以下のような対策が有効だとしています。 食事のテーブルに塩入れを置かない 塩分の多いスナックの摂取を制限する 減塩食品を利用する もし「今日は塩分を摂り過ぎた」と思ったら、塩分の排出を促す「カリウム」が豊富な野菜や果物を食べるようにすると良さそうです。カリウムはにんじんやほうれん草、ひじきなどに豊富に含まれています。日々の食事にこうした野菜を取り入れていきたいですね。 参考:「生活習慣病を防ぐためのプロジェクト「減塩いいね!」」(入善町HP) 参考:「日本における食塩摂取量の現状」(医薬基盤・健康・栄養研究所) 参考:「Salt reduction」(WHO)
2023/06/09
2023年1月26日から、今までは紙だった処方せんを電子化した「電子処方せん」の運用が全国の医療機関や薬局でスタートします。 1月15日時点で対応可能な医療機関や薬局は178ヵ所で、今後さらに対応できる施設が増えていくと見られています。 電子処方せんとは ところで、電子処方せんとはどのようなものなのでしょうか? 端的に言えば、これまで紙で医療機関が発行していた処方せんを電子化したもので、患者は今までと同じような紙での処方せんか電子処方せんを選択できるようになります。 電子処方せんを選択し、医師や薬剤師が過去の薬のデータを参照することに同意すると、直近三年間に処方された薬の情報に基づいた医療を受けられるようになるのです。 電子処方せんのメリット 電子処方せんを活用するメリットは何でしょうか? まず、より安全に薬の処方が受けられるようになります。これまでだったら、患者を診療した病院と薬を処方する薬局間でしか、処方せんのやり取りはされませんでした。しかし、電子処方せんを使い、患者が承諾すれば複数の医療機関や薬局をまたがり薬のデータが共有されます。そうすれば、ほかの薬局で処方された薬と同じ成分の薬をもらう「重複投薬」を防げるのです。 また、患者自身もスマートフォンなどから処方された薬のデータを参照できます。さらに、紙ではないので、処方せんを紛失することもなくなるでしょう。 電子処方せんの使い方 電子処方せんの使い方は以下のとおりです。 専用のカードリーダーにマイナンバーカードをかざす 顔認証か暗証番号で本人確認 画面の案内に従って操作 希望すれば、健康保険証でも電子処方せんを発行できます。しかし、その場合は過去に処方された薬の情報を参照できないため、これまで使ってきたおくすり手帳を医師や薬剤師に見せる必要があります。 対象になっている医療機関や薬局にはポスターが貼ってあるほか、厚生労働省のホームページからも確認できます。 これまでは、おくすり手帳を医療機関に持っていくのを忘れたり紛失したりするリスクがありました。しかし、電子処方せんが普及すればこういったこともなくなりそうですね。
2023/01/27
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