元気な方が入れる老人ホームはありますよ!例えば、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム、ケアハウスなどがあります。これらの施設は見守りサービスなどがついていることが多いので、お母様もご家族も安心して生活ができるでしょう。
ただ、なかには元気な方も介護が必要な方も受け入れている施設もあります。もし、認知症や寝たきりの方が多く入居している施設の場合、ほかの入居者とコミュニケーションが取れなくて生活がつまらないものになってしまう可能性があるので注意が必要です。
施設探しの前に、お母様が介護が必要な状態になったら介護体制が充実した施設に住み替えるのかどうか、事前に決めておくと後悔のない施設探しができると思いますよ。
母が少し離れたところで一人暮らしをしているので、私の家の近くの老人ホームに入居させたいと思っています。ただ、まだ母は介護が必要なわけではありませんから、認知症の人や寝たきりの人が多い施設に入るのは嫌がると思うんです。
介護が必要ない元気な母でも入居できる老人ホームってあるんでしょうか?
もちろんありますよ!介護認定を受けていない人でも入れるのは以下の施設です。
サ高住は、ご高齢者が住みやすいように配慮された賃貸住宅。例えば、バリアフリー設計になっていたり、居室の要所に緊急通報ボタンを設置しているところもあります。
また、必ず安否確認と生活相談サービスを提供しており、毎日の安全確認をおこなったりお困りごとの相談にも対応しています。
サ高住には、介護が必要な人はあまり入居していないんですか?
サ高住のなかでも、「特定施設」と呼ばれる施設は介護体制が充実しているので、介護が必要な方が多く入居している傾向です。ただ、それ以外のサ高住は比較的お元気な方が入居しています。
ちなみに、サ高住に入居してから介護が必要になったら、外部の介護事業者と契約をすることで介護サービスを利用できます。そのため、介護が必要になってもある程度は住み続けられるでしょう。
「ある程度」というと、もし母が寝たきりになったりしたら転居しないといけないということですか?
どの程度まで介護が必要な方を受け入れるかは、サ高住によって全く異なります。
軽介護度の方までしか受け入れないサ高住もあれば、看取りまで対応しているサ高住もあります。事前に施設に確認してくださいね。
有料老人ホームにも、要介護認定を受けていない人でも入れるところは多くあります。
有料老人ホームには「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があり、おおまかに分けると住宅型有料老人ホームが元気な方向け、介護付き有料老人ホームが介護が必要な方向け、といった違いがあります。
となると、母が入るんだったら住宅型有料老人ホームが良いということですね?
概ねそれで問題ないと思います。ただ、住宅型有料老人ホームでも介護付き有料老人ホームでも、お元気な方が中心の施設もあれば、重介護度の方が多く入居しているところもあります。
サ高住と同様に施設によって受け入れ状況が全く異なりますので、希望の施設がある場合は受け入れ条件や現在のご入居者の状態なども聞いてみると良いでしょう。
シニア向け分譲マンションは、その名の通り、シニアをターゲットにした分譲マンションです。一般的な分譲マンションと同様、購入したら自分の資産になるところが魅力です。
基本的にシニア向け分譲マンションはバリアフリーが整っており、レストランやカラオケ、フィットネスジムを備えているところもあります。
ただ、購入費用が数千万円にのぼるうえに、毎月の管理費なども上乗せされます。そのため、ほかの老人ホームや高齢者向け住宅よりも費用が高くなるのがネックですね。
数千万円ですか!我が家ではそんなにお金を出せないですね…。
ケアハウスは公的な老人ホームのひとつで、自立した生活が難しくなったご高齢者が入居できる施設です。ケアハウスには「一般型」と「介護型」の2種類があり、お元気な方が入居できるのは一般型のみです。
一般型ケアハウスは介護サービスの提供はありませんが、食事の提供があります。そのため、「介護は必要ないけど、食事の支度が億劫になってきた」というご高齢者に向いている施設と言えます。
それ、うちの母もです。家がアパートの3階にあることもあって、重いものの買い出しが大変になってしまったみたいで。そのせいで、食材をきちんと買って料理するのも億劫になったみたいです。
そういったご状況なら、一般型ケアハウスが合っているかもしれないですね。
また、一般型ケアハウスに入居して介護サービスを利用したい場合、外部の介護事業者と契約する必要があります。介護サービスを利用しても自立した生活が難しくなると、退去を求められることがある点には要注意です。
母のことが心配なので、できれば早く近くの老人ホームに入居させたいと思っています。ですが、老人ホームって介護が必要になってから入居するイメージがあって…。元気なうちから老人ホームに入居させるのは良くないことなんでしょうか?
そんなことはありませんよ!お元気なうちから老人ホームに入るのは、以下のようなメリットがあるんです。
お元気なうちから入居できる老人ホームの多くは、見守りや安否確認などのサービスを提供しています。万が一、急に体調不良になったときにスタッフが駆けつけたり、災害時の避難誘導なども対応します。
このように日々の安全を守るサービスを提供してもらえるので、ご本人もご家族も安心できると思いますよ。
生活の質の向上?具体的にはどんなことですか?
お元気な方向けの老人ホームでは、介護予防の体操や趣味のサークルなどをおこなっています。そうした活動に参加することで活動量が増えて健康になったり、老人ホーム内で新しい友人ができたりして、生活の質の向上が望めるんです。
それに、ご自宅に段差があるなど、ご高齢者が活動しにくい環境になっている場合、バリアフリーの環境になることでよりいきいきと活動できるようになるかもしれません。
お元気な方向けの老人ホームに入ると、認知症予防ができることもあります。というのも、認知症予防のレクリエーションを実施したり、老人ホーム内でのつながりができることが認知機能の維持・向上につながることがあるためです。
お母様のご自宅が階段を上り下りしないと外出できない状況の場合、将来的には外出ができなくなってご自宅にこもりきりになってしまう可能性があります。こもりきりは認知症になりやすい状況なので、ご高齢者向け老人ホームに入居して外出しやすい環境を整えるのをおすすめします。
食事サービスって、施設の方で食事を提供してくれるってことですよね?とっても助かります。母は食事の支度が大変になってきたみたいなので。
「介護は必要ないんだけど、料理が億劫になって」というお話は、ご入居相談のときによく伺います。
お元気な方向けの施設のなかには、食事サービスの提供がないところもありますので、入居前にサービス提供の有無を確認してくださいね。
先ほどもお話した通り、お元気な方向けの老人ホームでは趣味のサークル活動をしていることがあります。初心者でも気軽に参加できるものが多いですから、新しい趣味に挑戦できる機会も多いでしょう。
北野室長の話を聞いて、できるだけ早く母を老人ホームに入れてあげたいと思いました。さっそく近所に母が入れる施設がないか探してみます。
施設探しを始める前に、考えておいていただきたいことがあります。それは「今、入居した老人ホームに最期まで入居するか」「介護が必要になったら住み替えをするか」といった今後の介護方針です。
老人ホームに入ったら最期まで入居しているものなんじゃないですか?
お元気な方向けの老人ホームのなかには、介護が必要になったら退去を求められる施設もあります。予め介護方針を決めておかないと、「最期までいるつもりで入居したのに追い出された!」といった問題が起こりかねません。
介護が必要になって追い出されることになったら、どうしたら良いんですか?
そういうときは、ご自宅で在宅介護をするか介護体制が手厚い施設に転居することになりますね。
うちでは介護できないから、介護体制が手厚い施設に引っ越すことになりそうかな…。
入居後にあわてて転居先を探すことになるので、介護が必要になっても入居し続けられるのか、転居しないといけないのか、事前に施設に確認もしてくださいね。
もし、介護が必要になったら転居するつもりで入居する場合は、近くで介護体制の整った施設があるかどうかを調べておくと良いでしょう。もちろん、転居のタイミングでは施設の状況が変わっている可能性がありますが、早いうちにアタリをつけておけば、急に転居が必要になったときにあわてなくて済みますよ。
事前に調べておくことが大切なんですね。今の段階で入居する施設と、介護が必要になったときに入れる施設を併行して探してみます。
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