老人ホームに入居後は通院の送迎をしてくれますか?いくつもの病院に付き添うのが大変です

老人ホームに入居後は通院の送迎をしてくれますか?いくつもの病院に付き添うのが大変です

更新日 2024/07/30
90歳を超えて一人暮らしをしている父を老人ホームに入れたいと思っています。ただ、父は月に数回、いくつかの病院に通っており、送迎や付き添いが必要な状態です。今は私が送迎していますが、老人ホームに入ったら施設が送迎してくれるのでしょうか?

私の仕事が忙しくなり、通院のためだけに施設から連れ出すのは難しい状態です。薬をもらうだけですし、父も認知症ではないので送迎してもらうだけでも大丈夫です。

(石塚さん・60歳)

通院の送迎に関しては、施設ごとに対応が全く異なります。例えば、提携している医療機関への通院のみ無料で送迎する場合や、通院はすべて有料で送迎する場合、通院の送迎を全く対応していない場合などがあります。

ただ、もし施設の往診医で対応できる内容であれば、かかりつけ医を施設の往診医に変更するのもあり。月に1~2回程度、施設に往診に来るので、送迎の必要はありません。

もし、どうしても通院が必要で施設もご家族も送迎ができない場合は、介護タクシーを利用するのもひとつの手。ただ、付き添いに制限があったり費用が高額になる場合もあるので、利用前に介護タクシーの事業者などとしっかりと調整する必要があります。

老人ホームに入居したら通院の送迎はどうなる?

父が体力が衰えて一人暮らしが難しくなってきたので、老人ホームに入れようかと考えています。ただ、父はいくつかの病院に通院していて送迎をしないといけません。

施設に入居したら、送迎は施設側がやってくれるのでしょうか?

通院は薬をもらうだけなので、それだけのために父を施設から連れ出すのは大変ですし、施設に入ったら薬がなくなるのがわからないので通院させるタイミングもわからなくなると、気になっています。

通院の対応に関しては、施設によって全く異なるんです。通院ついて、主に次の3パターンの対応にわけられます。

  • 協力医療機関のみ無料で送迎可能
  • すべて有料で送迎可能
  • 送迎対応していない

多くの老人ホームで、近隣の医療機関と提携しています。その提携している医療機関のことを「協力医療機関」などと呼んでいます。

老人ホームの中には、協力医療機関への通院であれば無料で送迎しているところもあります。診察まで付き添ってくれるかは施設ごとに異なるので、事前に確認しましょう。

ただ、協力医療機関でなければ送迎に追加料金がかかることも。設定されている1時間あたりの了解と交通費がかかります。

では、父が通っている病院が協力医療機関でなければ、お金がかかってしまうんですね。

そういうことになってしまいますね。

もし、協力医療機関で対応できる内容であれば、かかりつけ医を協力医療機関の医師に変更するのもひとつの手ですよ。

入居する施設の協力医療機関も確認しておかないといけませんね。

かかりつけ医を往診医に変更するのもアリ

老人ホームの中には、協力医療機関の医師が定期的に往診していることがあります。そこで、かかりつけ医を往診医に変更すれば通院の必要がないので石塚さんの負担が軽くなるでしょう。

往診に来てくれるんですね!ちなみに、何科の先生が来てくれるんでしょうか?

医師にもよりますが、内科、精神科が主な診療科です。

薬を処方してもらっているだけの場合、入居する施設の往診医で対応できるなら通院の送迎がなくなってご家族が楽になると思いますよ。また、薬の管理は基本的に施設でおこなうので、薬の残量を気にする必要もなくなるでしょう。

ちなみに、かかりつけ医を往診医に変更する場合、入居時に施設から医師に情報されるので施設に任せておいて大丈夫です。

父は歯医者にも通院していますが、歯科の往診はないのでしょうか?

訪問歯科をおこなっている施設も多いですよ。義歯の作成・調整や、虫歯治療、口腔ケアのアドバイスなどもおこなっています。

そうなんですね!それなら通院をしなくて良さそうなので、とても助かります。

家族で通院の送迎ができない場合は…。

老人ホーム側で通院の送迎ができず、往診医にも依頼できない場合、やはりご家族が通院の送迎をすることになります。

これからしばらく仕事が忙しくなるので、送迎できなくなると思うんですよね…。

ご家族の送迎が難しい場合、介護タクシーを使うのもひとつの手。介護タクシーとは、基本的に介護の資格を持った運転手が送迎や乗降車の手伝いをするサービスです。

介護タクシーには介護保険を適用する場合と適用しない場合があります。それぞれ、サービス内容や費用が異なるのでお伝えしていきますね。

介護保険適用あり

介護タクシーを介護保険を適用させて利用する場合、基本的に運転手の同行は病院の受付まで。ご家族の同乗も基本的にはできません。つまり、タクシーでの送迎のみで、病院内での介助などはおこなわないんです。

また、介護保険適用の介護タクシーを利用する場合、あらかじめケアマネジャーさんに相談する必要があります。他の介護保険サービスを利用していれば利用限度額を超えないように調整する必要も出てくるかもしれません。

なるほど、事前の調整が必要なんですね。

介護保険適用なし

介護保険の適用がない介護タクシーは、自由度が高いのが特徴です。介護保険内の介護タクシーが通院や行政手続きといった目的でないと利用できないのに対して、介護保険外の介護タクシーは目的の定めがありません。

また、介護保険内の介護タクシーは、ご利用者が車椅子など移動に介助がいる場合などでないと病院内の付き添いや介助ができませんが、介護保険外ではその定めがありません。

加えて、介護保険を利用していないので、ほかの介護保険サービスとの兼ね合いを考える必要もありません。

かなり自由に利用できるんですね!

そうなんです。

ただ、介護保険外のサービスですので、費用は全額自己負担介護保険を利用したときは1割負担で抑えられることを考えるとかなり高額になってしまう可能性が高いです。

うーん、高額になってしまうんですね。それは困るな…。

そうですよね。なので、介護保険外の介護タクシーを使うのはほかの方法をとれなかったときの手段として方が良いかもしれません。

まずは、老人ホームの往診医で必要な薬の処方が対応できるか確認して、難しそうであれば通院の送迎を施設で対応してくれるか確認してみてください。施設で対応できないようであれば、ご家族で対応するか介護タクシーを利用するか考えてみましょう。

  • 通院の送迎は、協力医療機関のみ無料で対応、有料で対応、対応していない、など施設ごとに異なる
  • 施設の往診医に変更すれば、通院や薬の管理の手間がなくなる
  • どうしても送迎ができないときは、介護タクシーを利用するのもひとつの方法

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