Q&A
母の認知症が進んでひとり暮らしが難しくなってきたので、老人ホームへの入居を検討しています。入居後は、新しい環境に慣れるのに時間がかかると思うので、はじめのうちは頻繁に面会に行きたいと考えています。 ただ、このコロナ禍で介護施設は面会をおこなっているのでしょうか? (高野さん・会社員・60歳) コロナ禍で面会をしているかどうかは、施設ごとに対応がまったく異なります。完全にNGのところもあれば、オンラインやついたて越しなどの制限をかけて面会をおこなっている施設もあるんです。そのため、入居を検討している施設に確認する必要があります。また、ほとんどの施設では面会時に予約が必要です。予約をすれば、面会が施設でのレクの時間や入浴などと重ならないように調整してくれると思いますよ。 コロナ禍でも老人ホームの面会はできる?面会方法は? 実家でひとり暮らしをしている母の認知症が進行してきたので、老人ホームに入居させようと考えています。ただ、母は人見知りをするので施設になじむのに時間がかかると思うんです。なので、はじめのうちは頻繁に面会に行きたいのですが…。このコロナ禍だと、介護施設では面会をやっていないですよね?外部の人間の出入りを制限していそうですし…。 感染対策をしながら面会をしている介護施設はたくさんありますよ!もちろん、完全にNGの施設もありますが…。 へぇ!そうなんですね!どうやって面会をしているんですか? 面会方法は、大きく分けて2パターンあります。「オンラインでの面会」と「対面での面会」です。オンラインの面会は、タブレットやスマホなどで施設とご家族をつなげる方法。テレビ電話みたいなものですね。この方法であれば、感染リスクはありませんから感染症という観点からはとても安全な方法ですね。 老人ホームでもオンライン面会ができるんですね!会社でもオンライン会議が増えたので、オンラインで面会ができるなら助かります。 はい、とても便利なんですが…いくつか懸念点があります。 懸念点? 例えば、ネットワークの問題。施設やご家族のネットワーク状況が悪くて、うまく接続できないことがあります。加えて、高野さんのようにオンライン面会や会議に慣れている人であれば問題ありませんが、慣れていない人にとっては”オンライン”というだけで抵抗感があると思います。 確かに…。同世代でも「オンライン会議は苦手」という人がまだ多いように思います。 それに、ご高齢者は耳が遠い人が多いですから、オンライン面会の音声が小さくて相手の言葉が聞き取れないことも。音声を最大まで上げても聞き取れず、ろくに会話ができなかった、なんてケースもあるんです。また、認知症の人の場合、画面越しのご家族の顔が認識できない場合があります。「画面越しだと人だとわからず、家族が画面越しに声をかけても反応できなかった」という話もありますね。 なるほど!それは高齢者ならではの懸念点ですね。画面越しの家族の顔が認識できないなんて、まったく想像もしていませんでした。 オンラインはとても便利なのですがこうした問題もあるので、感染対策をしながら対面での面会をおこなっている施設も多くあります。例えば、アクリルパネルのついたて越しや窓越しの面会など、各施設で対面で面会できるように工夫しています。ただ、感染対策のために居室に入れなくなっている施設も多いので、「本人の居室を整理したい」といったことは難しいですね。 老人ホームの面会をするときの注意点 意外と面会ができる施設が多いようで安心しました。 そうなんです。やはりずっとご家族と会えていない入居者さんから、「家族に会いたい」という声が多かったようで、制限をかけながらも面会を実施している施設が多いです。しかし、面会の際にはいくつかの注意点があるので、事前にお伝えしておきますね。 注意点ですか。どんなことでしょう? 施設によって面会のルールが少しずつ違うので一概には言えないのですが、主なものを以下にリストアップしました。 事前予約が必要 面会の回数に制限をかけていることがある 手洗い・うがい・アルコール消毒・マスク着用は必須 食べものの手土産の可否を確認する え、面会するのに事前予約が必要なんですね! そうなんです。感染対策のために1日の面会の件数を限定していることもありますし、レクなどの時間と重ならないようにするためですね。それに、面会の時間が予めわかっていれば、お風呂の時間をずらしてくれたりと、融通を聞かせてくれることもありますよ。 あぁ、なるほど。面会に行ってもお風呂に入っていたら会えないですもんね。北野室長、その次の「面会の回数に制限をかけていることがある」とは、どういう意味ですか? 施設の中には、各ご家族がまんべんなく面会できるように、「週に1回まで」「1ヵ月に2回まで」など、面会の回数に制限をかけていることがあります。でないと、特定のご家族がたくさん予約をしているせいで、他のご家族が面会の予約ができなくなる、なんてことになってしまうかもしれませんからね。もちろん、すべての施設が面会の回数制限をしているわけではないので、施設に直接確認が必要です。 そういうこともあるんですね…。ちなみに、一般的にはどれくらいの頻度で面会に行くものでしょうか?はじめのうちは、週に何度か面会に行きたいと思っていたけど難しいのかな…。 「週に1回」というご家族もいれば「月に1回」というご家族もありますから、ご家庭によってまちまちですね。高野さんのように、入居して1~2ヵ月間は週に2~3回面会をして、ご本人が施設に慣れてきたら頻度を少なくするご家族もいらっしゃいますよ。 家庭によって全然違うものなんですね。…その次の「手洗い・うがい・アルコール消毒・マスク着用は必須」は、やはり感染症対策ですよね? おっしゃる通りです。入館時の手洗い・うがい・アルコール消毒・マスク着用は必ずしてくださいね。 そういえば、食べものの持ち込みについて気になっていました。母は和菓子が大好きなのですが、まんじゅうやようかんといったお菓子を面会のときに持っていっても良いんでしょうか? 食べものの差し入れは、予め施設に確認しておいた方が良いですね。というのも、持病や嚥下状態の観点から、食べられるものが限定されていることがあるからです。それに、服用している薬との飲み合わせの問題もありますから、差し入れるものに関しては施設に相談してください。 これも施設に確認が必要なんですね…。 手間がかかりますが、健康や命に関わりかねないことなので致し方ないですよね。また、感染対策の観点から、手作りの食べものの持ち込みを禁止していることもあります。そこもあわせて事前に確認しておくと安心ですよ。介護施設の感染対策については、以下のご質問でもお答えしていますから、ぜひ参考にしてくださいね。 コロナ禍の面会の可否は、介護施設によって大きく異なる オンライン、ついたて越しなどの感染対策をして面会ができる施設も 面会のときには基本的に事前予約が必要 pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...
2022/10/28
ひとり暮らしの母が身の回りのことができなくなってきたので、老人ホームに入居させようと思っているのですが迷っています。最近、老人ホームで新型コロナの感染クラスターが発生したというニュースをよく見かけるので、ちゃんと感染対策がされているのか不安です。実際のところ、対策されているのでしょうか?(佐藤さん・61歳・主婦) 老人ホームでは、厚生省が作成した感染対策マニュアルにもとづいて感染対策がおこなわれています。しかし、免疫力の低い高齢者が集団生活をしている場所である以上、感染リスクがあることは事実です。新型コロナが完全に収束するまでご家族が介護を続けられるのかどうか、冷静に判断して入居を検討してください。 老人ホームではどんな感染対策をしている? 最近、老人ホームで新型コロナのクラスターが発生したというニュースをよく見かけるので、母を老人ホームに入居させるか迷っています。老人ホームでは、感染対策がされているのでしょうか? もちろん!対策されていますよ。ただ、ご高齢者は免疫力が下がっていることが多いですし、老人ホームは集団生活なのでどうしても感染しやすい状況であるのは確かです。 そうなんですか…。具体的には、どんな感染対策がされているのでしょうか? 厚生労働省が作成した感染対策マニュアルにもとづいた対策がおこなわれています。例えば、手洗い・うがい、使用した防護服の扱い方、換気方法、湿度管理、ワクチン接種、よく接触する場所の消毒などですね。 それって、当たり前の対策だと思いますが…。 そうですね。国で定めたマニュアルなので、基本的な対策が中心です。そこで、その施設固有の状況や利用者さんの身体状況に合わせた対策ができるように、各施設で「感染症委員会」を設置することが義務付けられています。 どんなことをするんですか? 施設独自の感染症マニュアルを作成したり、利用者さんの感染を想定した訓練などをおこないます。加えて、利用者さんの介護度や持病などによって感染時の対応が変わるので、ケアマネジャーさんによって個別のケアプランも検討されます。国のマニュアルで基本的なところを抑えつつ、施設ごとの事情で異なるところは独自のマニュアルで対策している、ということですね。 万が一、感染した場合のことも考えて対応してくれるんですね。 老人ホームで起こりやすい感染症 このご時世なので、”感染症”といえば新型コロナをイメージしてしまいがちですが、注意が必要な感染症は新型コロナ以外にもあります。 確かにそうですね。インフルエンザとかは毎年流行りますし。 おっしゃる通りです。インフルエンザは新型コロナが流行する以前から老人ホームでは注意をされている感染症です。他にも、胃腸炎を引き起こすノロウイルスに感染すると、嘔吐してしまうことも。ご高齢者は吐しゃ物を喉につまらせて、最悪の場合、死に至ることもあるので、本当に怖い感染症なんです。 感染すること以外にも注意が必要なんですね…。 そうなんです。あとは、「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」という感染症もあります。これは、抗生物質などの薬が効きにくいうえに、免疫力の下がっている人が感染しやすいので、介護施設で拡大しやすいですね。 うーん…こうやって聞くと、感染リスクの高い老人ホームに入居させるかどうか迷います…。母は今すぐ施設に入らないといけない状態ではありませんし…。 それは悩むところですね…。ただ、新型コロナも含めて、感染症のリスクはこれから先もずっとあるものです。感染リスクと、お母様の介護度が上がってご家族の負担が大きくなる可能性とを比較して、よく検討してみてくださいね。 コロナ禍でも面会はできる? ちなみに、老人ホームに入居した後の面会ってできるのでしょうか?もし母が老人ホームに入ったとして、入居後に定期的に顔を見に行きたいのですが。 そこは、施設ごとにも異なりますし、感染状況に応じても変わります。 どういうことですか? 例えば、コロナ禍が終わるまでは完全に面会NGの施設もありますし、ご家族だけは面会を許可している施設もあります。ただ、面会ができても時間の制限をかけていることもあり、コロナ前と同じように面会ができる施設は少ないです。 やっぱりそうなんですね。面会ができるだけありがたいですが…。 あと、オンライン面会だけに限定している場合もあります。ただ、ご高齢者は耳が遠い方が多いので、向こうに声が届かなかったり、認知症の方だと画面に写っているご家族の映像がご家族本人だと認識できないことも…。感染リスクがないのは良いのですが、なかなかうまくいかないこともあるようです。 画面越しでは家族の顔がわからなくなるのは盲点でした!そんなこともあるんですね。 また、施設によっては感染拡大時は面会を中止したり1日の面会組数を減らすなどの制限をかけ、感染が収まっている時期は制限を緩めている場合も。状況によって変わるので、その都度、施設に確認するしかないですね。 なるほど。少し手間ですが、感染を拡大させないためには必要なことですよね。 面会時の注意 新型コロナの拡大で、以前よりも面会時に注意することが増えているので、念のためお伝えしておきますね。 どんなことでしょう? 一般的なことですが、まずは手指のアルコール消毒、マスクの着用、検温ですね。あわせて、差し入れについても事前に確認しておいた方が良いでしょう。 やはり、差し入れはできないのでしょうか。 そこも施設ごとに対応が異なるポイントです。まったく差し入れができない場合もありますし、利用者さんに直接渡すのではなく、職員さんに渡す形であれば許可しているところもあります。いずれにしても、食べ物を差し入れる場合はご利用者さんの健康に影響する可能性があることなので、事前に確認してください。 うーん、老人ホームっていろいろとルールが厳しいんですね。 確かに、ややこしいですよね。「頻繁に面会をしたいから」という理由で、面会が完全に自由な施設を希望される方もたまにいらっしゃいますが、このご時世だとかなり少ないのが実情です。そこは大切なご利用者さんを守るための感染対策なので、理解して施設の入居を検討してくださいね。 厚生省の感染対策マニュアルにもとづいて対策している 新型コロナ以外にも注意するべき感染症はある 感染リスクと介護の負担を比較して入居を検討して 面会は感染状況や施設ごとに異なるので、事前に確認して pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...
2022/07/29
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。