田中 達也さんの
執筆記事一覧

大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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AIは高齢者の転倒も予防?富士通「行動分析技術Actlyzer」の実験開始

富士通株式会社と和歌山県立医科大学は、カメラではなくセンサーを用いた、プライバシーに配慮した新たな見守り技術の共同実証実験を11月21日からスタートさせました。 今回の実験で富士通は実験データを分析し、和歌山県立医科大学が評価をおこないます。 分析と評価を繰り返し、2023年度末までに新たな見守り技術のサービス化を目指しているそうです。 実験内容 実証実験の概要は以下の通りです。 期間:2022年11月21日~2024年3月31日 場所:病院などの施設 被験者:高齢な患者や介護を必要とする人 富士通は、自社で開発したセンサーを使って人の姿勢を推定する技術と、姿勢の変化から行動を認識するAI「行動分析技術Actlyzer」を連携させ、見守り技術の検証をおこなうとしています。 具体的には、病室などに設置した、電波を用いた見守り技術のセンサーから収集したデータをもとに、転倒につながる体の動きを分析します。 さらにその結果と、人が踏むとコールが鳴るフットコールや実験用に設置されたカメラの映像を比較して、見守り技術のセンサーが患者の動きを本当に検知できているか検証していきます。 患者の動きに関するデータは、映像ではなくセンサーによって取得されるため、カメラ映像に比べプライバシーに配慮した見守りが可能です。 見守り技術の開発に至った背景 高齢者は骨がもろくなっているため、転倒して骨折するリスクが一般成人よりも高いです。しかし、カメラなどはプライバシー保護の観点から設置が難しいという背景があるため、よりプライバシーに配慮した見守り技術の開発に至ったそうです。 公益社団法人全日本病院協会は、国内18病院の転倒件数を調査。2021年度は1ヵ月あたり290件ほどの転倒があったそう。現在、現場で広く採用されているフットコールは踏まないとコールが鳴りません。つまり、この転倒件数には患者がフットコールをまたぐなどして介護士が気づかないうちに転倒に至ったケースも含まれていそうです。 今回の見守り技術がサービス化して、転倒事故をゼロに近づけていければ良いですね。
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97歳高齢男性が車3台に衝突する死亡事故!認知機能検査は問題なし

11月19日夕方、福島県福島市で、歩道にいた42歳の女性が軽自動車にはねられ死亡した事故が起きました。 警察は翌日、軽自動車を運転していた97歳の波汐國芳容疑者を過失運転致死の疑いで逮捕しました。 事故の詳細 警察の調べで、容疑者は女性をはねたあと、街路樹をなぎ倒しながら走行していたことが明らかになりました。また、現場にブレーキの痕跡は見当たらなかったとのことです。 さらに車は、前方で停車していた3台の車にも衝突し、これらに乗車していた4人の女性が軽傷を負いました。 事故に巻き込まれた車を運転していた男性は、自分の車の左側面に容疑者の車が衝突したと証言。男性は無事でしたが、助手席にいた男性の妻が病院に搬送されました。 また、病院内で容疑者を見かけたが容疑者は放心していて、周囲とのやり取りもおぼつかない様子だったとのことです。 警察は引き続き捜査を進め、事故の全容を調べています。 容疑者の運転技術と認知機能 近隣の住民によると、容疑者は一人暮らしで、ほぼ毎日買い物などで車を利用していたそう。その際、駐車に手間取っている姿も確認されています。 警察によると、容疑者が直近で運転免許を更新した際の認知機能検査では異常が見られなかったとのことです。 高齢者の免許 70歳以上の運転免許保有者は年々、増加傾向にあります。 内閣府の統計で、2019年の75歳以上で免許を所有している人は、10年前の2009年と比べておよそ1.8倍と倍近く増えていることが判明。さらに2019年の75歳以上の運転者による死亡事故は、401件も起こっているそうです。 高齢者になると視界が狭まってきたり、とっさの反応が難しくなったりします。安全に過ごすためにも、免許の返納も考えたいところですね。
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世界初!食べ物のにおいを嗅いで糖尿病予防!?脂肪の燃焼がカギ

富山大学の研究により、食事の前に食べ物の匂いをかぐことで、脂質の代謝が促進されて、糖尿病予防にもつながる可能性が示唆されました。 富山大学によると、嗅覚刺激で糖尿病予防につながるという研究は世界初となるそうです。 脂質と糖尿病の関係 ではなぜ、脂質の代謝を促進すると糖尿病予防になるのでしょうか? 実は脂質と糖尿病の関係は、以前から指摘されています。脂質を摂りすぎると内臓脂肪が増加。その内臓脂肪から分泌される物質が、糖の代謝を助けるインスリンの働きを妨げてしまうのです。 また脂質は、最低でも7時間以上もかけてゆるやかに血糖値を上昇させることもわかっています。つまり、脂質を摂りすぎてしまうと、長時間にわたって血糖値の高い状態が続いてしまい、結果として糖尿病の発症につながるのです。 マウスを用いた実験結果 今回の研究ではマウスを用いて、エサの匂いをかがせてからエサを与えました。 その結果、糖の代謝は変わらなかったものの、脂質の吸収は抑えられ、脂質の代謝や燃焼効率は促進されたことが明らかになりました。食べ物の匂いをかぐことで、消化管の脂質吸収を抑えたり、肝臓の代謝機能を促進させたりと、組織ごとに機能を調整することがわかったのです。 さらに、マウスに脂質が豊富に含まれているエサを食べさせ、そのマウスが別の食事をする前に、エサの匂いをかがせるという実験もおこないました。すると、糖の代謝を助けるインスリンのはたらきが改善し、血糖値の上昇も緩やかになったのです。 これは、食前と食後に食べ物の匂いをかぐことで、糖尿病予防につながる可能性を示唆するものです。 今回の研究では、食べ物の匂いをかぐことで脂質の吸収が抑制され、その結果インスリンのはたらきが改善され、糖尿病の予防につながることが示されました。 今後はこの研究を人に応用し、最終的には嗅覚を利用した薬の開発をして、糖尿病をはじめとした多くの生活習慣病の予防や治療につなげたいとしています。
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要介護1・2でも2万人が特養に入っている?「特例入所」の条件とは

11月14日、厚生労働省は、介護保険制度の今後を話し合う社会保障審議会の介護保険部会の中で、特別擁護老人ホーム(通称「特養」)の入所基準に関する議論があがりました。 現在、特養は原則として要介護度3以上の人を受け入れていますが、やむを得ない事情があれば、要介護度1や2の人も「特例入所」という形で入れます。 今回の審議会では、この「特例入所」の趣旨を明確化するための周知を呼びかけました。 特例入所とは 通常、特養は要介護度3以上の介護を要する人を対象としています。しかし、以下のようなやむを得ない事情があれば、特例で入所できます。 認知症や知的・精神障害で日常生活に支障をきたす行動がよく見られ、在宅生活が困難な状態にある 家族による虐待があるなど、心身の安全確保が難しい状態にある 家族による支援や地域での介護サービスに期待ができず、在宅生活が困難な状態にある 厚生労働省は、実態把握調査を実施しています。まだ調査中ですが、現時点で集計が終わっている39の都道府県において、約2万人が特例入所の制度を使って特養に入所しているそうです。 介護保険部会の内容 介護部会の中で、特例入所の趣旨を改めて明確化したい、また特例入所の柔軟な適用を願いたいという意見が出されました。その理由は以下の通りです。 「要介護度3以上を対象とする」という原則が厳しく適用され、やむを得ない事情があっても特例入所が認められない地域もある 周囲の高齢者人口の減少で、特養の空床が生じている地域もある 厚生労働省は、部会で出された意見を踏まえて特例入所の周知をおこない、その趣旨を明確にしていきたいとしていますが、「あくまで趣旨の明確化であり、入所基準の緩和は考えていない」と基準の緩和には慎重な姿勢を示しました。
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要介護認定をオンラインで!長期化する認定手続きを短縮できるか

厚生労働省は、医療や福祉などの専門家が集まって介護を必要とする度合い(要介護度区分)を判定する介護認定審査会を、オンラインで開催できるようにするための検討に入りました。 新型コロナウイルスが流行してから、臨時的に審議会のオンライン開催を認めていましたが、今後は平時でもオンラインにすることで業務の効率化を図るねらいです。 介護認定審査会とは 介護を必要とする人が介護保険サービスを利用するためには、どれくらいその人が介護を必要としているかを示す、要介護度認定を受ける必要があります。 認定を受けるためには、以下の流れで申請をする必要があります。 調査員が介護を受けようとしている本人と面談する(認定調査) 主治医に、介護が必要になった原因となる病気やけがについての意見書を書いてもらう 認定調査と医師による意見書の結果をもとに、まずはコンピューターが審査。その後に医療、保険、福祉の専門家が集まり、審議し、最終的な要介護度を判定する 上記の流れでは3番にあたる、最終的な要介護度を判定する会議が、「介護認定審査会」です。 オンライン化する背景 ではなぜ、介護認定審査会のオンライン化を進めようとしているのでしょうか? 最も大きな理由に、高齢化が挙げられます。 高齢者をスムーズに介護サービスにつなげるために、要介護度認定は、手続きを受けてから原則30日までに出さないといけないことになっています。しかし、要介護度認定を必要とする人が増え、30日以上待機することも当たり前になっているのです。 そこで、審査会をオンラインにすれば、専門家の日程調整がしやすくなり、結果として要介護度認定の待機期間の短縮も見込まれます。 介護業界はデジタル化がまだ進んでいない部分も多いです。審議会をオンラインにすることで、業務が効率的になれば良いですね。
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2人に1人は高齢者の援助をしている!?意外なアメリカの介護事情

50歳以上のアメリカ人の実に半数以上が、高齢者に代わって、もしくは一緒になって買い物やお金の管理、庭仕事などの生活援助をしていることが調査から明らかになりました。 この調査は正式には「健康的な老化に関する全国調査」と言い、2022年7月にミシガン大学のCourtney Polenick氏が中心となっておこなわれたものです。 調査の概要 この調査は、ランダムに決められた全米に住む50~80歳の男女2163人を対象に、電話またはオンライン上で実施されました。 その調査の結果、過去2年間に50歳以上のアメリカ人の54%が、65歳以上の高齢者に対し生活援助をおこなっていたことが明らかになったのです。 ミシガン大学の研究グループは「この調査結果は、一般の人々が高齢の家族に果たしている重要な役割を示している」と述べました。 調査の詳細 「健康的な老化に関する全国調査」の詳細を見ていきましょう。 まず生活援助をする相手を尋ねたところ、45%が「肉親や義理の親」と回答。「友人または隣人」と答えた人は19%、「結婚相手またはパートナー」と答えた人は17%となりました。 次に、「どんな生活援助や身体介助をおこなっているか」と尋ねました。すると、「診察に同行したり、医療従事者とのやりとりを代行するなどの、診療にまつわる援助をしている」と回答した人が33%と最多でした。 次に、家の掃除や庭仕事などの住環境にまつわる援助をしている人が32%、食事の支度や買い物などの食事にまつわる援助をしている人が31%と続きます。 着替えや入浴といった身体介助をしていると答えた人は、わずか16%という結果になりました。日本だったら、身体介助の割合はさらに高くなる可能性がありますね。 さらに、生活援助をしている人のおよそ3人に1人は、生活援助によって何らかの問題を抱えたことが判明。特に「身体面や感情面で疲労している」と答えた人が34%いました。また、「仕事との両立が難しい」「自分の時間が取れない」といった声も多く聞かれました。 一方、生活援助をしている人の96%が高齢者を援助することで、やりがいを感じたり、友人との距離も縮まったりといったポジティブな意見を挙げています。 96%の人が「生活援助にやりがいを感じている」と回答したアメリカ。彼らのポジティブなマインドは、学ぶところがありそうですね。
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糖尿病の改善には「アプリ+カウンセリング」?より効果的な治療法を開発

東フィンランド大学で、食事の質を改善したり、運動量を増やしたりといった日々の生活習慣を改善し、糖尿病のリスクを減らすことを目的とした研究がおこなわれました。 具体的には、糖尿病患者およびその予備軍の人に、糖尿病管理のスマホアプリとカウンセリングで、1年間にわたって生活スタイルに対し介入したのです。 その結果、お腹の脂肪は減り、糖の代謝を助けるインスリンの効果も上がったことが示されました。 研究の概要 研究は、2型糖尿病の人とその予備軍、合わせてフィンランドの18~74歳の2907人の男女を対象に実施。食事・睡眠・運動など400以上の項目で生活習慣の改善を支援するスマホアプリ「BitHabit」を使用しました。 また、研究の対象者をアプリのみを使用したグループ、アプリの使用に加えてカウンセリングも受けるグループ、ただ従来の治療を受けるだけのグループにランダムに分けました。 研究の結果 1年間研究を続けたところ、アプリの使用に加えてカウンセリングも実施したグループでは、平均の腹囲が減少し、空腹時のインスリンの値も改善されていたことが判明。一方、アプリのみを使用したグループでは特に変化が見られませんでした。 またアプリとカウンセリングを併用したグループでは、食生活の質が良くなり、野菜の摂取量も増加。さらに運動量は増え、座る時間は減ったことが明らかになりました。 つまり、生活習慣の改善を支援するアプリを使用し、カウンセリングもおこなうことで、日々の生活習慣が改善したことがわかったのです。 東フィンランド大学生物医学研究所のTimo Lakka博士は「人々が自身の糖尿病リスクを認識し、糖尿病を予防するために、日々の生活習慣を見直し、必要なサポートを受けられるようにすることが重要だ」と話しています。
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過疎地の高齢者に「モバイルファーマシー」。移動する薬局とは?

岐阜薬科大学が、薬の調剤ができる車両「モバイルファーマシー(移動薬局)」の実証実験を10月からスタート。災害時にはすでに存在していましたが、平時の実証実験は全国初です。 モバイルファーマシー(移動薬局)とは? モバイルファーマシーが初めて登場したのは、東日本大震災のときでした。 通常、薬剤師が薬局以外で調剤することは禁止されています。モバイルファーマシーも薬局扱いにはならないので認められてきませんでした。 しかし、多くの薬局が被災した災害時は特例として認められたのです。被災しても普段飲んでいる薬を入手できるようにと宮城県薬剤師会が開発し、被災地に多くの薬を届けました。 また、岐阜薬科大学も林秀樹教授が中心となって、2017年にキャンピングカーを改造したモバイルファーマシーを開発。当初は災害時の備えとしてつくられました。 実際に、モバイルファーマシーは2018年の岐阜県内が豪雨に見舞われたときに活躍しています。 この車内には約200品目にわたる薬が用意され、医師の処方箋に基づいて処方されます。また、調剤時に薬の重さを測る電子天秤や、錠剤などを一回分ずつ分けて袋に入れる分包機といった薬局ならではの設備も完備。安定して電気を供給できるようにソーラーパネルや発電機も備え付けられています。 モバイルファーマシー(移動薬局)の展望 林教授は、薬局の数が極端に少ない過疎地などでのモバイルファーマシーの活用を目指し、平時でも利用できるように国に要請。すると、モバイルファーマシーも岐阜薬科大学の薬局の一部として、平時でも使用することが特別に認められたのです。 今までは、薬局が近くにないため、診療所の医師が患者に薬を届けていた過疎地でも、薬剤師が薬を届けられる可能性が出てきました。 この研究をリードしている林教授は、「医師は診療に専念できるし、患者も薬剤師から、より丁寧な説明を受けられる」と研究に胸を張っています。
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「服の中に手を入れられた」介護職員が入所者に何度も身体的・性的虐待

大阪市の介護施設で、入所者を殴ったり服の中に手を入れたりするといった虐待がありました。 11月14日、大阪市は、虐待があったとされる大阪市の介護老人保健施設「幸成園(こうせいえん)」に対し、来年3月1日から半年間の運営停止を命じたと発表しました。 事件の概要 2022年の5月、施設職員や入居者家族から「入所者への虐待の疑いがある」と通報があり、調査を実施。すると、同年から働き始めたひとりの男性の介護職員が80代以上の女性入所者6人に対し、殴ったり服の中に手を入れたりといった行為が見られたという証言がありました。 さらに調査中の7月にも、同じ職員が入所者が拒否しているにも関わらず強引に入れ歯を外そうとしていたことも判明しました。 またこの施設では、男性が入職する以前の2020~2021年にも別の職員による入所者への身体拘束や暴言があり、市は計3回の虐待を認定しています。 2021年11月に改善勧告を通知していますが、市は今回の虐待で運営側に改善の意思がないと判断。施設に運営停止を言い渡したのです。 なお、虐待の疑いがあった職員はすでに退職しています。 虐待を防ぐために 「虐待」とは殴る蹴るなどの身体的虐待だけでなく、暴言を吐いて入所者を脅すなどの心理的虐待、コールを無視するなどの介護の放棄(ネグレクト)、胸を触るなどの性的虐待なども含まれます。 こうした虐待を防ぐためには、高齢者の主体性を施設全体が尊重する姿勢が重要になってきます。施設全体で「虐待させない空気」をつくるのです。 ほとんどの施設で虐待に関する研修は毎年何度も実施され、虐待防止に努めていますが、一部の施設では、今回のような痛ましい虐待事件が後を絶ちません。 介護職とは、高齢者の自らが下した選択を尊重し、それに基づいて充実した生活を送れるように支援する存在であることを自覚しておきたいですね。 また万が一、虐待を見かけたら、介護職員には虐待を通報する義務があります(高齢者虐待防止法第7条3項)。関連機関と連携し事態の悪化を防ぎましょう。

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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